MotoGP
今のMotoGPはドゥカティか、”それ以外”か……アプリリアとKTMも、8月からホンダやヤマハと同じ優遇措置受ける可能性
ドゥカティがMotoGPの支配を続けていることにより、アプリリアとKTMもヤマハやホンダと同レベルの優遇措置を受ける可能性が出てきた。

Oriol Puigdemont
公開日時: 2025/05/08 10:36
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昨年からMotoGPに導入された新たなコンセッション(優遇措置)制度により、8月からアプリリアとKTMも、ホンダやヤマハと同レベルの優遇措置を受け、エンジン開発やファクトリーライダーによるテストが解禁されるかもしれない。
MotoGPのコンセッションは、マニュファクチャラーを成績に応じてA~Dの4つのカテゴリーに分類し、Aから順に制限を緩和していくというシステムになっている。
アプリリアとKTMは現在カテゴリーCに分類されており、レギュラーライダーがプライベートテストを行なうことは禁止されているほか、レギュレーションによってエンジンの仕様も凍結されている。
一方、カテゴリーAのドゥカティはカテゴリーCと比べてテスト用のタイヤが50本少ない170本となり、ワイルドカード参戦も許されていない。そのため、テストライダーをワイルドカード参戦させて、新エンジンを試すこともできない。ワイルドカードはエンジン仕様の凍結対象外なのだ。
最も制限が緩いカテゴリーDには現在、ホンダとヤマハが属している。このカテゴリーでは、ファクトリーライダーによるテストも無制限に許可(テストタイヤは260本)されており、エンジンの開発も自由。空力アップデートも年に2回実施することができる。
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だが現在のパフォーマンス状況とシーズン開幕から5戦の結果を見る限り、KTMとアプリリアは8月からホンダとヤマハとともにカテゴリーDに入る可能性が高い。
コンセッションのカテゴリー分けは、開幕前とサマーブレイクを節目に、1年単位で評価される。『シーズン最初のイベントから最後のイベントまで』と、『夏のテスト禁止期間後の最初のイベントから、次シーズンのサマーテスト禁止前のイベントまで』の期間で、各マニュファクチャラーの最上位ライダーが、スプリントレースとメインレースの両方でどれだけのポイントを獲得したかが計算されるのだ。
各マニュファクチャラーの獲得したポイントが、最大獲得可能ポイントの35%未満だった場合、カテゴリーDに分類されることになる。つまり次回のカテゴリー分けでは、昨年のサマーブレイク後から7月18~20日にブルノで開催される第12戦チェコGPまでの23戦で獲得できた851ポイント中、298ポイント以上を陣営最上位のライダーが獲得していればカテゴリーC、できていなければカテゴリーDだ。
なおカテゴリーBは60%以上85%未満、カテゴリーAは85%以上というポイント区分となっている。
Jorge Martin, Aprilia Racing Team
Photo by: Gold and Goose / Motorsport Images
KTMとアプリリアのうち、より危機的なのはアプリリアだ。エースとして獲得した昨季王者のホルヘ・マルティンは今季これまでのところ、怪我の影響でカタールGPにしか出場できておらず、マルティンはスプリントを16位で終えた翌日、決勝での転倒で再び長期療養を余儀なくされており、復帰はサマーブレイク後になる見通しだ。
アプリリアは残り7戦で118ポイントを集める必要があり、これは1レース平均16.8ポイントに相当する。ところが2025年これまでの5レースでの平均は1レースあたりわずか10.6ポイントに留まっている。ファクトリーのマルコ・ベッツェッキとサテライトの小椋藍(トラックハウス)が奮闘してるが、マルティンを欠いた影響は大きい。
KTMはアプリリアよりもいくらか息がしやすい状態で、2024年は好調だったこともあり、220ポイントを積み上げている。残り7戦で78ポイント、1戦で平均11.1ポイント以上獲得すれば良い計算だが、今季の5レース平均は11.6ポイントと余裕はほとんどない。
Fabio Quartararo, Yamaha Factory Racing
Photo by: Jorge Guerrero - AFP - Getty Images
では逆に、ホンダとヤマハがカテゴリーDから脱出する可能性はあるのか?
特にヤマハは、ファビオ・クアルタラロがスペインGPで2位表彰台を獲得。ヤマハにとっては1年半ぶりのポディウム登壇となった。
シーズン序盤は不調が続いていたが、この2位獲得によりヤマハはコンストラクターズランキングで62ポイントを獲得して2番手に浮上。開幕5戦でパーフェクトな成績を収めたドゥカティ(185ポイント)とは大差ながら、ベスト・オブ・ザ・レストの位置にいるのだ。
しかし2024年後半から計算すると、ヤマハは合計139ポイント止まり。7月のブルノまでにカテゴリーをひとつ上げるには、さらに159ポイントを加算する必要がある。現在のヤマハの2025年平均が1レースあたり12.4ポイントであることを考えると、それを平均22.7ポイントまで引き上げる必要があり、これはほとんど不可能なタスクだ。
さらに、ヤマハは今後に向けてV4エンジン開発プロジェクトに多大な投資をしており、エンジン開発とファクトリーライダーとのテスト走行が唯一可能なグループDに留まることを望んでいるようだ。
ホンダは合計107ポイント。残り7戦で191ポイントを稼ぐには1戦平均27.2ポイントが必要となり、それこそドゥカティ並のパフォーマンスが要求される。しかし、昨年後半の11戦で合計51ポイントだったのに対し、今季の5戦でそれを凌ぐ56ポイントを積み上げているのはポジティブな要素であり、ホンダの改善を示していると言える。
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