アプリリア勢の速さの秘密はトラクション? 「彼らは今のところ別レベル」とベッツェッキ
アプリリアがMotoGPカタルニアGP初日から速さを見せつけている。その強さを、VR46のマルコ・ベッツェッキは「彼らは別のレベルにある」と表現しているほどだ。
MotoGP第11戦カタルニアGPは、アプリリア勢が好調な滑り出しを見せた。VR46のマルコ・ベッツェッキはその速さについて「別のレベルにある」とまで語っている。
カタルニアGPの初日はフリー走行1回目とプラクティスのセッション共に、アレイシ・エスパルガロ(アプリリア)がトップタイムとなり、2番手にはチームメイトのマーベリック・ビニャーレスが続く結果となった。
特にエスパルガロはプラクティスで昨年自身が樹立したレコードタイムを更新するほどの速さを見せていた。
明らかに好調なアプリリアだが、その要因はアプリリアのマシンがトラクションに優れていることだと、VR46のベッツェッキは語っている。
「僕のペースもそう悪くはないんだ。だけどグリップがかなり低くて、加速する速度が足りなかった」
ベッツェッキはそう語る。
「午後にかけて少し改善することができた。ペース面ではめちゃくちゃ離れているわけではないよ。アプリリア勢は今のところ別レベルにあるけど、ドゥカティ勢は近づいている」
「マーベリックやミゲル(オリベイラ/RNF)の走りを見ていたんだ。彼らはドゥカティと比較して、加速するときのグリップがかなりあるみたいなんだ」
「アプリリアもタイヤのスピニングはあるようだけど、僕たちよりもより多く前に進んでいる。ブレーキングではかなり接近できているんだけど、残る部分で彼らのほうが速いんだ」
「このコースでは最終セクターと最初のセクターで、彼らは大きく差をつけている」
Maverick Vinales, Aprilia Racing Team
Photo by: Gold and Goose / Motorsport Images
カタルニア・サーキットは通常、グリップが低いことで知られている。そしてアプリリアRS-GPは、そうしたコンディションで好成績を度々収めてきているマシンでもある。昨年のアルゼンチンGPではエスパルガロが初優勝を記録しているが、同地も路面がダスティでグリップの低いコースだった。
アプリリアは昨年のカタルニアGPでも速さを発揮していた。ポールポジションスタートのエスパルガロが最後に周回数を勘違いしたことで結果をふいにしてしまったが、本来なら2位を確実に獲得していたのだ。
プラマックのホルヘ・マルティンもベッツェッキと同様にアプリリアのトラクションを評価しており、彼は現時点でドゥカティが匹敵する事は難しいと語った。
「アルゼンチンのように、グリップが低いときでも彼らはバイクを上手く減速させることができていると思う。なぜなのかはわからないけど、彼らはバイクを直立させたときのトラクションが凄いんだ」
「僕らはギヤを4速まで入れても、まだ(タイヤが)スピンしている。ペッコ(フランチェスコ・バニャイヤ/ドゥカティ)やヨハン(ザルコ/プラマック)は僕らよりも多少優れているようだ。彼らは僕が掴めていない何かを見つけたんだと思う」
一方で実際にマシンを走らせているエスパルガロはアプリリアの持つ強みについて、コーナリングスピードが優れているという見解を示している。
「(アクセルを開ける)その前から僕らはアドバンテージを作っていると思う」
エスパルガロはそう語る。
「それが僕の考えだ。ブレーキをリリースした際にコーナーのエイペックスへどれだけ速く入れるかという点で、アプリリアはグリッド上でも最高のバイクだと思う」
「僕らの加速が良くなった場合、ライダー達もそれは分かるだろう。でもそれは僕らがエイペックスで時速5~8km速くなっているからなんだ」
「それがトラクションにとって少し助けになる。たしかにトラクションは良いよ。でもオーストリアのようにゼロ(近く)まで減速する必要がない時、バイクを65度バンクさせてどれだけ速く曲がることができるかという点が、本当に素晴らしいんだ。クレイジーなほどにね」
ただアプリリアはスタートが悪いことが多く、最近ではビニャーレスがかなり悩まされてきた。しかしカタルニアGPでは新たなクラッチのセットアップにより「今年最高のスタート」ができたと、ビニャーレスは評価している。
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