「1.5本の腕で走っていた」古傷の手術受けたマルケス、伏せていた苦境を涙ながらに明かす
ドゥカティのマルク・マルケスはMotoGPフランスGPのクラッシュによって骨折したため、手術を受けた。またクラッシュ以前に問題を抱えていた右腕も手術。その腕は、半分使い物になっていなかったと明かした。
Marc Marquez, Ducati Team crash
写真:: Marc Fleury
マルク・マルケス(ドゥカティ)はフランスGPのクラッシュで右足を骨折し、手術を受けた。ただ以前から抱えていた右肩の古傷についても、この機会に手術を受けた。その右肩・右腕の状態はかなり厳しいものだったようだ。
マルケスは2025年インドネシアGPで追突され、転送。その際に右肩を負傷した。既にタイトル獲得を決めていたこともあり、その後のシーズンは欠場。今シーズンに向けて療養することを優先した。開幕戦から戦列に復帰したマルケスであったが、昨年のような強さが見られず、怪我の影響が疑われてきた。
実際、マルケスは右肩の状態をスペインGP後に詳しく検査していた。信頼する医師の診断の結果、2019年末に受けた手術で骨を固定していたネジがインドネシアGPでの転倒で曲がっており、特定の動きをしたときにのみ、橈骨神経に触れてしまうことが判明した。マルケスはこのせいで、ある瞬間に腕に力が入らない状態でレースに臨んでいたという。
そしてマルケスは医師と相談した上で、カタルニアGP後にそのネジの除去と患部のクリーニングを受けることを決断していた。
しかしフランスGPスプリントレースで転倒したことで、マルケスは右足の第5中手骨を骨折。この治療のため手術を受けることになったが、彼はこの機会に右肩のネジの除去手術も予定を前倒しして行なってしまうことにした。
実際、右肩・右腕の状態はかなり厳しいものだったようだ。先日ドゥカティが公開したフランスGPの模様をまとめた動画の中で、マルケスは打ちひしがれた要素を見せ、「1.5本」の腕で走っているような状態だったと涙を流しながら現状をチームに打ち明けていた。
「何も言ってこなかったけど、肩に入っているネジが問題を引き起こしているんだ。問題ない時もあれば、問題を起こすときもあって、やっぱり問題ないこともある」
マルケスは神経の痛みについて、身振りを交えてそう語った。
「だから、カタルニアGPのあとには前から手術の予定を入れていたんだ。1.5本の腕で走っているようなものだったんだ」
「これ以上明かすことはない」
なおドゥカティとしては、マルケスがフランスGPでは速さを発揮していたことも強調している。確かに彼は予選Q1で新コースレコードを記録し、Q2でもポールポジションに迫っている。
「速く走ること自体はできる。今日もQ1では速かった。でも問題は、本来出せるタイムより0.5秒遅く走ったときに、それを取り戻そうとして無理をすると……とても難しいということだ」と、マルケスは言う。
Marc Marquez, Ducati Team
Photo by: Ducati Corse
「(肩が)機能していないんだ。データを見ればわかる」
ドゥカティのゼネラルマネージャーを務めるジジ・ダッリーニャは「身体の状態が第一だ」と、マルケスのトラックエンジニアであるマルコ・リガモンティと共に語った。
それに対しマルケスは「その教訓はもう学んだよ」と、2020年の大怪我と早期復帰によって苦しんだ経験を念頭に答えている
なおフランスGPのクラッシュ後に公表されるまで、マルケスの右肩の状態について知っていたのは、ダッリーニャとリガモンティのふたりだけだった。
そして「チームのみんなのサポートに感謝している」という言葉で締めくくった。
興味深いのは、マルケスが4月のスペインGPで「今は過去最高に身体の状態が良い。速くないなら自分の責任であって、怪我のせいではない」と語っていたことだ。実際、問題は日常生活やトレーニング中には現れなかったという。ジムでも、モトクロスバイクでも、市販のスポーツバイクでも痛みは出なかった。しかしMotoGPマシンで限界まで攻めた時だけ、肩内部のネジが神経に触れ、刺すような痛みが走っていたという。
手術は無事成功したという。マルケスはフランスGPでは「これまでももっと酷い状況を乗り越えてきた」と語っていた……。
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