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スズキには打倒マルケスの策が必要……“創造力とサテライトチーム”が鍵に?

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スズキには打倒マルケスの策が必要……“創造力とサテライトチーム”が鍵に?
執筆:
2019/09/09 7:54

ヤマハとドゥカティは、マルク・マルケスとホンダのコンビを打ち破れていない状況が続いている。今季2勝を挙げ、戦闘力を高めているスズキとアレックス・リンスは対抗馬になれるだろうか?

 MotoGP第12戦イギリスGPで、アレックス・リンス(スズキ)がラストラップの最終コーナーからの立ち上がりでマルク・マルケス(レプソル・ホンダ)を下して勝利を掴んだシーンは、ただの1勝以上の意味を持っているのかもしれない。

 まず、リンスはイギリスGPで2勝目を挙げたことでランキング2番手のアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)に24ポイント差の3番手に浮上。勝利数に目を向けると、マルケスとドヴィツィオーゾ以外では今季2勝以上を挙げた唯一のライダーでもある。

 既にマルケスが78ポイント差とタイトル争いでは盤石とも言えるリードを築いているが、理論的にはまだタイトル獲得の可能性は残っている。そしてリンスがこれまでに示してきたパフォーマンスは、スズキにとって次なる目標を“タイトル獲得”とするのに十分なものだ。

 スズキがシーズン中に2勝以上を挙げた最後の年は2000年と、既に19年も前の事だ。その年は、当時スズキに所属していたケニー・ロバーツ・ジュニアがタイトルを獲得している。このタイトル獲得がスズキにとっては最後のものであり、残るタイトル獲得経験はバリー・シーン(1976年、1977年)、マルコ・ルッキネリ(1981年)、フランコ・ウンチーニ(1982年)、ケビン・シュワンツ(1993年)というものだ。

 現在のMotoGPを巡る状況は当時とは完全に異なってきいる。ロバーツ・ジュニアはシーズン4勝でチャンピオンを獲得するのには十分であり、ドライレースとウエットレースの数が同程度だったというのも特徴だ。

「2000年の世界選手権は現在のようなものではなかった」

 そう語るのはアレックス・クリビーレ(当時レプソル・ホンダ)。1999年にスペイン人として初めてWGP500チャンピオンに輝いたライダーだ。彼は長らく5度の世界チャンピオンであるミック・ドゥーハンの影に隠れていたが、ドゥーハンが負傷により引退した年に初のタイトルを獲得している。そしてクリビーレはタイトル防衛に挑んだが、身体的な問題に苦しみ、ロバーツ・ジュニアやバレンティーノ・ロッシといった面々に王座を譲ることになった。

「ケニーのバイクはウエットでもの凄いトラクションがあって、彼はそういったコンディションのスペシャリストだった。今の状況はとても難しい。なぜならスズキはグリッド上で最もバランスの取れたバイクでも、彼らの抱えている問題は他メーカーのマシンと争うことではなく、マルケスと争うことだからだ」

 クリビーレが語るように、現在スズキがタイトルに挑むに当たり最も困難な壁として立ちはだかっているのが、当代最強のライダーと目されるマルケスだ。マルケスは2013年に最高峰クラスタイトル獲得の最年少記録を更新すると、以降のMotoGPに絶対王者として君臨しており、2015年のホルヘ・ロレンソ(当時ヤマハ)以外はその牙城を崩せていない。

「ホンダは最近、いくつかセットアップの問題を抱えているように私には見える。とても神経質なプロトタイプマシンなんだ。これは彼(マルケス)が最高のライダーであるにも関わらず、特定のトラックで苦戦していることに反映されている」

■スズキのタイトル獲得にはサテライトチームが必要?

「スズキは常にリソースを最大限に活用することを得意としていた」とスズキのレジェンドライダーであるシュワンツはmotorsport.comに語った。

「彼ら(スズキ)は他のメーカーよりも効率的だ。けれど、その事は特定のプロセスにより時間を取られることも意味している。現役の頃に新しいパーツを要望した時のことだ……その新パーツは作るのに4レースかかるようなものだったが、ホンダは次の週にそういったものを準備できていたのを覚えている」

「恐らく彼らは最後のステップを踏むための助けとして、サテライトチームを持つ必要がある。しかしそのためにはスズキは取り組みを制御して資金も引き出す必要がある。彼らが(サテライトチームを)組織すると決めたなら、多くのポジティブな事がもたらされると確信しているよ」

 こうした言説が出る中、2021年にサテライトチームを持つ可能性についてチームマネージャーであるダビデ・ブリビオに訊くも、彼は可能性は認めつつも正確なところは明かさなかった。

 なおスズキは2018年末に、社内カンパニーとしてレース関連業務を担当するスズキ・レーシングカンパニーを設立した。これにより、今までよりも迅速なチーム運営が可能になると見込まれている。

「マシン開発を加速する助けになるだろう。それについては楽観的だよ」とブリビオは慎重ながらもサテライトチームの可能性について認めた。

 ブリビオが焦点を当てているのは若手ライダーとの契約と、その才能の育成だ。マーベリック・ビニャーレス、リンス、そしてジョアン・ミルといったようにMotoGP復帰以来、スズキは若手ライダーと契約を結んできた。そのメリットの一端がライダーへの投資だ。予算で劣るとされるスズキには重要な点だろう。なお出来高もあると思われるものの、リンスの給料はマルケスの4分の1以下だと推測される。

 スズキが2020年以降もリンスをチームに留めたい場合、明らかに財源の捻出が必要になるだろう。もしくは他の代替案、それもリンスを踏みとどまらせるだけの魅力的なものを思いつく必要がある。

 そしてリンスを留めるにあたって最も適切な“エサ”は、GSX-RRの戦闘力そのものだろう。勝利という美酒を味わうために何人ものライダーが列をなして待機しているのだから。

「私はアレックスと共にタイトルを争う全ての準備ができていると思っている」とブリビオは語る。

「彼は既に2戦で優勝している……これはドヴィツィオーゾと同じ数だ。そしてアッセンとザクセンリンクでの転倒が無かったなら、彼は先頭集団を走っていたはずだし、結果として今はランキング2番手につけていただろう。リンスは我々の希望であり、同時にジョアンの継続的な成長を期待している」

 ライダーズマーケットは2017年にドゥカティがロレンソを獲得してから、大きく様変わりしている。当時、ドゥカティはロレンソとの2年契約に2500万ユーロ(約30億円)という大金を支払っているのだ。

 昨年、ドゥカティはそのロレンソを放出。以降は財布をきつく縛っており、ドヴィツィオーゾには600万ユーロ(約7億円)、今年契約を延長したダニーロ・ペトルッチには70万ユーロ(約8300万円)程度の額で合意している。

 ブリビオはさらにこう続けた。

「他のライダーと契約するという選択肢は頭の中にすら無かった」

「ライバルと争うなら、我々はクリエイティブでなければならない。我々には日本に素晴らしいエンジニアチームがいる。彼らは非常に効率的で、とてもバランスのとれたバイクを考え出すんだ」

「直列4気筒エンジンは特殊な種類のシャシーを必要とする。そして(日本からは)非常に興味深いパフォーマンスのシャシーを作って持ってくるんだ」

 ブリビオはスズキがホンダやヤマハ、またはドゥカティの辿った道を進まないように明確にしてきた。ドゥカティがロレンソと大金を積んで獲得したようなことをしないようにだ。ただ、マルケスをホンダから獲得しようとした場合、その道に進むことになるだろう。

Race winner Alex Rins, Team Suzuki MotoGP

Race winner Alex Rins, Team Suzuki MotoGP

Photo by: Gold and Goose / LAT Images

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この記事について

シリーズ MotoGP
ドライバー アレックス リンス
チーム Team Suzuki MotoGP
執筆者 Oriol Puigdemont