インタビュー

MotoGP

「目標はタイトル奪還」2020年型マシンは、“速く強い”マシン作り目指す|ヤマハ開発リーダーに訊く(3)

2019年からヤマハのモトGPグループのグループリーダーを務める鷲見崇宏氏にシーズンの振り返りや展望を訊くインタビュー第3回。今回は2020年のヤマハの展望について話を訊いた。

永安陽介

編集: 2020/02/21 3:59

Copy link

Facebookでシェアする

Twitterでシェアする

WhatsAppでシェア

Linkedinでシェアする

Pinterestでシェアする

Viberでシェア

Google検索でmotorsport.comをお気に入り登録

Yamaha MotoGPgroupleader-Takahiro Sumi

 MotoGPを戦うヤマハは、2019年に組織体制の変更に着手。鷲見崇宏氏が新たにモトGPグループのグループリーダー(以下GL)に就任すると、マシン開発で重視する点や、チームと本社とのコミュニケーション改善などに注力した。その甲斐もあって着実に成績は上向きつつあった。

Read Also:

 だが2015年にホルヘ・ロレンソがタイトルを獲得したのを最後に、MotoGPはマルク・マルケス(レプソル・ホンダ)による支配が続いており、ヤマハはタイトル獲得に挑むことすらできていない。

 昨年11月にはバレンシア、及びヘレスでテストが実施され、ヤマハも新型のマシンを投入した。その新型マシンの開発における狙いや、そして何より2020年の目標を、鷲見GLはどう考えているのだろうか?

■速さはあった2019年型のマシン。“強さ”を目指す2020年

 まず第一に、鷲見GLはYZR-M1の速さ自体については疑いを持っていない。実際2019年シーズンのポールポジション獲得数を見ると、全19戦中10回をマルク・マルケス(レプソル・ホンダ)が獲り、残り9戦をビニャーレスとファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)が分け合っている。

 つまり、ヤマハのマシンはあくまで予選だけの話ではあるが、王者マルケス+ホンダに互角の戦いをしたのだ。

 しかしレースでは2勝……つまり速さはあれどレースでの“強さ”が足りないと鷲見GLはM1の現状を表現した。

「勝ったレースは先行して逃げ切る……という形だけです。(今のM1は)先行するライダーに理想のラインを潰されると、速さが発揮できない。つまりライダーが戦える幅が少ないんですね。そこがまだ足りないところです」

 2020年型のマシン開発は進行中であるが、鷲見GLは「チャンピオンを取り戻すという想いで皆やっています」と新シーズンの目標を語る。

「そのために足りないモノが何か、それをグループの中でもう一回考えて、レースでの強さを取り戻さなくちゃいけません。そこに集中して取り組んでいます」

「エンジンは当然、(開発すべき)大きいところですね」

 鷲見GLによると新型マシンは概ね期待どおりに機能しているようだが、ライバル陣も開発を加速させていることもあり、ライダー達からはまだまだ不満が出ているという。

「最高速でライバルを千切る、ということは過去のヤマハにもなかったことです。馬力を上げてエンジン任せで速くなるか、それとも総合力で速さを目指すかどうかは、メーカーの思想が現れてくると思います」

 ヤマハは2019年シーズンにライバルに遅れながらもカーボン製スイングアームを投入。バレンティーノ・ロッシが何度か使用した。2020年もカーボン製スイングアームの使用や開発は継続していくと鷲見GLは言う。ただ、各レースでスイングアームの仕様を切り替えて行くことはあるかもしれないと、示唆していた。

 カーボン製スイングアームの開発は以前から行なっていたと言うヤマハ。しかし、すべての面で従来型パーツの性能を超えることができていなかったと、鷲見GLは内情を明かす。2019年には実戦投入されたが、依然として良い点悪い点はあるようで、レースによって切り替えていくと言う話も、“バランス”を考えてのことなのかもしれない。

 2月に行なわれるセパンテストでは、昨年のテストでの不満が解消されているのか? 強みを維持したままエンジンパワーを積み増してくるのか……鷲見GLは「簡単じゃないテーマですよ」と話している。

 ヤマハはマルケスに支配されるMotoGPにおいて、“再征服”を果たすことができるのか? それとも、絶対王者が君臨し続けるのか……その争いの行方を楽しみに開幕を待つとしよう(終)。

 

Read Also:

あなたの意見が聞きたい!

Motorsport.comで何を見たいですか?

5分間のアンケートにご協力ください。

- Motorsport.comチーム

コメントを読んで投稿する

関連ニュース :

記事をシェアもしくは保存

Copy link

Facebookでシェアする

Twitterでシェアする

WhatsAppでシェア

Linkedinでシェアする

Pinterestでシェアする

Viberでシェア

前の記事 連覇に向け不安要素か。兄マルケス「手術した右肩の回復は予想より厳しい」

次の記事 ”ドーピング疑惑”のイアンノーネ、2月4日に控訴審。テスト欠場は不可避?

Top Comments

コメントはまだありません。 最初のコメントを投稿しませんか?

View More & Comment

More from

永安陽介



ホンダの2027新MotoGPマシン、開発順調!「現時点ではかなり良い感じに仕上がっている」開発ライダーの中上貴晶が明かす

MotoGP

MotoGP 1 ヵ月前

ホンダの2027新MotoGPマシン、開発順調!「現時点ではかなり良い感じに仕上がっている」開発ライダーの中上貴晶が明かす



中上貴晶、日本GPで同郷対決の可能性は? 「小椋は本当に成長している。同レベルになれるかはわからない」

MotoGP

MotoGP 1 ヵ月前

中上貴晶、日本GPで同郷対決の可能性は? 「小椋は本当に成長している。同レベルになれるかはわからない」



中上貴晶がRC213V-SでMotoGPラッピングの路面電車と並走! 「MotoGPが一般の様々な年代に広まれば嬉しい」

MotoGP

MotoGP 1 ヵ月前

中上貴晶がRC213V-SでMotoGPラッピングの路面電車と並走! 「MotoGPが一般の様々な年代に広まれば嬉しい」

More from

ヤマハ・ファクトリー・レーシング



クアルタラロ、ヤマハとの亀裂は修復へ。サンマリノGP前に話し合い実施「適切じゃない言葉使いだったかも」

MotoGP

MotoGP

サンマリノGP

1 時間前

クアルタラロ、ヤマハとの亀裂は修復へ。サンマリノGP前に話し合い実施「適切じゃない言葉使いだったかも」



アレックス・リンス、2026年限りでバイクレースから引退。MotoGPクラスでは通算6勝…今後は別プロジェクトへ

MotoGP

MotoGP

サンマリノGP

6 時間前

アレックス・リンス、2026年限りでバイクレースから引退。MotoGPクラスでは通算6勝…今後は別プロジェクトへ



ヤマハ、クアルタラロとの亀裂が明確に。批判に反論「クアルタラロはジャック・ミラーを見習うべき」

MotoGP

MotoGP 9 日前

ヤマハ、クアルタラロとの亀裂が明確に。批判に反論「クアルタラロはジャック・ミラーを見習うべき」

最新ニュース



F1スペインGP FP1速報|角田裕毅、パワステのトラブルで満足に走れず。メルセデス勢が1-2。アストンマーティン・ホンダのアロンソは15番手

F1

F1 F1

スペインGP

3 分前

F1スペインGP FP1速報|角田裕毅、パワステのトラブルで満足に走れず。メルセデス勢が1-2。アストンマーティン・ホンダのアロンソは15番手



クアルタラロ、ヤマハとの亀裂は修復へ。サンマリノGP前に話し合い実施「適切じゃない言葉使いだったかも」

MotoGP

MGP MotoGP

サンマリノGP

1 時間前

クアルタラロ、ヤマハとの亀裂は修復へ。サンマリノGP前に話し合い実施「適切じゃない言葉使いだったかも」



更迭が噂されるオコン、しかし自身の能力に自信「問題は僕にあるわけじゃない……チームもそれを分かってる」

F1

F1 F1

スペインGP

1 時間前

更迭が噂されるオコン、しかし自身の能力に自信「問題は僕にあるわけじゃない……チームもそれを分かってる」



フェラーリ、F1初開催マドリンクで事前に走行も「ほとんどアドバンテージはないだろうね……」

F1

F1 F1

スペインGP

2 時間前

フェラーリ、F1初開催マドリンクで事前に走行も「ほとんどアドバンテージはないだろうね……」

Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.

フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。

次の 2 つのオプションがあります。

購読中 すでに購読していますか? ここからサインインします

広告ブロッカーを無効にしましたか?
ページをリロード

お知らせの管理

登録