ロレンソは“良い”テスターになれたはず? ヤマハ首脳、コロナによる計画乱れ悔やむ
ヤマハのリン・ジャービスは、新型コロナウイルスさえなければ、ホルヘ・ロレンソは素晴らしいテストライダーになれただろうと考えていると語った。
2020年1月、ヤマハはMotoGPの現役を引退したホルヘ・ロレンソをテストライダーとして起用すると発表。かつて3度のタイトルをもたらしたライダーを抱えることにより、ヤマハYZR-M1の改善に大きな効果をもたらすのではないかと期待が高まった。
しかし 2020年は新型コロナウイルスが世界中で流行してしまったことで、日本を拠点とするテストチームがヨーロッパに移動することがなかなかできず、当初計画されたプログラムが実施不可能になるという影響があった。ロレンソは結局、2020年を通して2月のセパンテスト、そして10月のポルトガルテストで計4回、2019年型のM1を走らせただけでその役目を終えることになってしまった。
そして最終的に、ヤマハはロレンソとの契約を延長することはなく、2020年限りで現役引退となったカル・クラッチローとテストライダー契約を締結。しかしこうしたヤマハの動きに、ロレンソからは反発もあった。
ヤマハでマネージングディレクターを務めるリン・ジャービスは、テスト不足がハンディキャップとなっていたことを認めている。これは2020年シーズンのヤマハ勢の一貫性のなさにも現れているだろう。
また彼は新型コロナの影響がなければ、ロレンソは素晴らしいテストライダーとなっていただろうとも語った。
「我々は今年もハンディキャップがあったと思う。新たなエンジン、シャシーの新型バイクがあったが、我々はファクトリー契約のライダーによる公式テストを除いて、ほぼテストを行なっていない」
ジャービスはmotorsport.comにそう語った。
「我々は今年から、ホルヘ・ロレンソと(テストライダー)契約を結んだ。そして完全なテストプログラムを立てていたんだ。しかし我々は日本のテストチームと、少数の欧州スタッフ、そしてホルヘによって計画を立てていた」
「そして実際には、我々はセパンとポルティマオで2日ずつしか彼を走らせることができなかった」
「今年我々が計画していた他の活動は、残念ながら全て中止されてしまった。そこは我々にとってネガティブなことだったし、影響があった。なぜなら問題(解決)への作業に取り組めなかったからだ」
「私は今でもホルヘがその仕事(テスト)をするにあたって、(当初の計画通りなら)素晴らしいライダーになっていただろうと考えているよ」
またジャービスは来季のクラッチロー起用については、正しい選択肢だったと確信していると明言。クラッチローと、レギュラーライダー陣からのフィードバックによって、2020年に問題となっていたリヤグリップの問題解決につながると考えているようだ。
「来年、カルをM1に乗せることは、我々の意図の現れだ」と、ジャービス。
「カルを選択したことは、実に良い選択をしたと確信している。カルは本当に働き者で、このプロジェクトに張り切って取り掛かるだろうと思う」
「我々は同じミスを2度犯すようなつもりはないし、2021年は間違いなくより徹底的なテストプログラムを実施するつもりだ。そしてエンジニアリングの変化によって、多くの情報を得られると思うから、2021年はエンジニアがシャシーを変更し、この問題で改善に取り組むことになるだろう」
「さらに、カルによるフィードバックや、プレシーズンテストによって、この問題を修正できると確信している」
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