ヨハン・ザルコ、MotoGPカタルニアGPでの戦慄のクラッシュを初めて語る「2度目のスタートを切ったことを、後悔しているんだ……」
MotoGPカタルニアGPで戦慄のクラッシュに巻き込まれたヨハン・ザルコ(LCRホンダ)が、事故に遭った当時のことを振り返った。
写真:: Getty Images Europe
ヨハン・ザルコ(LCRホンダ)はMotoGPカタルニアGPの再スタート直後に自身が経験した凄惨なクラッシュについて、初めて語った。
予選で5番手となったザルコは、レース序盤はそのポジションを維持していた。しかしアレックス・マルケス(グレシーニ)の大クラッシュにより赤旗中断となり、レースは再スタートが切られることになった。
しかしその再スタート直後の1コーナーで、ザルコは悲劇的なクラッシュに巻き込まれてしまった。
「マリーニ(ルカ・マリーニ/ホンダ)のスリップストリームに引っ張られてしまい、彼を避けられなかった」
ザルコはフランスのスポーツ新聞”レキップ”にそう語った。
「気がつけばフランチェスコ・バニャイヤのドゥカティに巻き込まれてしまっていた。彼のバイクと一緒に転倒し、左足がホイール、シート、マフラーの間に挟まってしまったんだ」
極めて稀な出来事の連続だったと言える。ザルコはコントロールを失ったドゥカティのマシンに挟まれ、そのドゥカティはザルコもろともグラベルトラップを転がってしまった。ザルコは、転がるバイクに必死にしがみついた。
バイクがようやく停止した時、ザルコは仰向けに倒れた。足はドゥカティのマシンに挟まったままだった。事態の深刻さを理解したバニャイヤとマリーニはザルコのところに駆け寄り、コースマーシャルたちも事故現場にすぐさま駆けつけた。
ザルコ曰く、意識はあったものの、激痛に襲われたらしい。
「僕はグラベルトラップの上で、バイクに挟まってしまっていた。激痛で叫び声を上げたよ。脚が焼けるように痛くて、周りに集まってきた人たちは、怪我を悪化させないようにと、僕に触れるのを躊躇っていた」
ザルコは当時のことをそう振り返る。
「それで足を引っ張って、ようやく助けてもらえた。そして固定され、レーシングスーツを切り開いて、痛み止めの点滴もしてもらった。あんな経験は初めてで、本当に恐ろしかった」
ザルコは救急車に乗せられ、サーキットのメディカルセンターに搬送された。その後、さらなる処置を受けるために、病院に搬送された。
本人曰く、足首に近いところの腓骨がドゥカティに挟まったことで軽度の骨折を負い、さらに左膝の前十字靭帯と後十字靭帯、そして内側の半月板を損傷したという。
なおザルコは、クラッシュに至ったリスタートに挑んだことを後悔しているという。というのも、マルケスがクラッシュした時にマシンから飛んできた破片が左足に当たり、既に激痛に悩まされていたという。国際映像には、赤旗中断中に氷水で足を冷やすシーンが映し出されていたが、それこそがマルケスのマシンのパーツが当たったことによる影響だったらしい。
「足はもう紫色になっていた」
ザルコはそう説明した。
「打撲した部分に氷を当てたら、少し痛みが和らいだ。でもあの時、リタイアを決断すべきだったんだ。アレックスのクラッシュの映像、そして足の痛みによって、集中力が完全に途切れてしまっていた。グリッドに再び並んだ時、もうレースに集中しきれていなかったんだ」
「2度目のスタートを切ったことを、本当に後悔している」
ザルコはクラッシュした日の晩はバルセロナに入院。翌日にはフランスに帰国し、今週中にもリヨンで膝専門医のベルトラン・ソネリー=コテ医師の診察を受ける予定だ。
ザルコは今回の怪我により、長年のキャリアの中で初めて長期のリハビリに挑むことになる。リハビリに擁する期間は、医師の判断を待つしかない。
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