仕事人ザルコ、ドゥカティの”忖度指令”を完遂。バニャイヤ援護で上層部から好評価
MotoGP第17戦タイGPを4位フィニッシュしたヨハン・ザルコは、ドゥカティからフランチェスコ・バニャイヤに対してバトルに関する指示を受けていたことを明かした。
Francesco Bagnaia, Ducati Team
Gold and Goose / Motorsport Images
MotoGP第17戦タイGPでヨハン・ザルコ(プラマック)は4位フィニッシュとなったが、3番手を走っていたフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)とのバトルについては、”上”から指示が出ていたことを認めた。
タイGP決勝は、レースウイークで初めてのウエットコンディションで開始されると、ジャック・ミラー(ドゥカティ)とミゲル・オリベイラ(KTM)が優勝闘いを展開した。
そして終盤にかけて、タイトルをランキング2番手で争うバニャイヤを筆頭に、マルク・マルケス(レプソル・ホンダ)、ザルコが3位を巡ってバトルを繰り広げた。
ザルコはマルケスを追い抜いたあと、バニャイヤに対しては仕掛けきれず、4位でフィニッシュ。これは単に余力がなかったのか、それともタイトルを争うバニャイヤに対する“忖度”なのかは不明だった。
しかし、ザルコはレース後にバニャイヤとのバトルに関してサンマリノGP後にドゥカティから指示がでていたことを明らかにし、今回も“忖度”が働いていたことが分かった。
「明らかなことだよ。僕はマルクには鋭く行けるけど、ペッコ(バニャイヤの愛称)には鈍くなることができる」
「終盤5周程はかなり路面が乾いて来ていて、勝利云々について考えるにはもう遅かった。でも……ペッコを早くにパスできていれば、オリベイラに何かできたかもしれないね」
「でも実際にはラインは1本しかなかったし、バイクも滑ってしまっていたし、状況は複雑だった。ラスト2周を前に、もう勝利の可能性が無いことは分かっていた」
「スマートにやることができて良かったよ。僕はこうしたコンディションは得意だし、勝利を狙っているんだけどね」
「もう少し早く乾いてくれれば良かった。序盤は水の量が多くてかなり複雑だったんだ。前のライダーも見えないし、ブレーキで攻めようものなら……いや、できるかもしれないけど、序盤から大惨事を引き起こしたくはない」
「この点がバトルでも難しかった。今週末は良い感じで、良いポジションだったよ。ポイントもゲットできて、ほとんど表彰台だった……ペッコが抜けていればね」
「ミサノ戦以降、僕らはいくつかのレースに関する指示を受け取ってきた。ペッコと戦っていないときには履行するのが難しいモノで、これまではその機会がなかった」
「でも今日は”そのケース”だった。ドゥカティの勝利のために、何もブロックはしない。ああ、表彰台以外の場所では、ペッコにアドバンテージを与えるんだ。この状況では、それが僕らの狙うべき“勝利”だった。4位はとても良い結果だ」
Johann Zarco, Pramac Racing
Photo by: Gold and Goose / Motorsport Images
なおレース後にはドゥカティのジジ・ダッリーニャ(ゼネラルマネージャー)を始めとした上層部3人がプラマックのガレージに直行している姿が見られた。
ザルコ曰く、ダッリーニャは「紳士的だ」と好意的に受け止めてくれたという。
「チャンピオンシップはもう芽がないからね。既に何度もレースで(ポイント獲得を)逃してきたんだ。なんと言えばいいんだろうか……ジジはとてもエモーショナルだったよ」
「表彰台から離れたことについて、彼は僕がとても紳士的だと思ってくれた。でもレーシングラインを外れるとリスキーで、大ポカしたら凄く残念だったということだ」
「そういうことだ。ドゥカティには明らかに好意的に受け取ってもらえたし、彼らにはかなり感謝されたよ」
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