シュワンツ、マルケスの攻撃的な走りを賞賛も「リスクを避けるべき」
ケビン・シュワンツは、現王者のマルク・マルケスが今後、リスクを考慮したスタイルを身につける必要があると語った。
写真:: Gold and Goose / Motorsport Images
1993年のロードレース世界選手権500ccクラス王者ケビン・シュワンツは、最高峰クラスですでに4度のタイトルを獲得しているマルク・マルケス(レプソル・ホンダ)について、将来的に攻撃性の少ないライディングスタイルを選ぶ必要があると語り、さもなければ怪我に苦しめられるリスクを負うことになると警告した。
マルケスは常に限界まで攻めるスタイルが特徴であり、最高峰クラス4度目のチャンピオンに輝いた2017年は合計27回もの転倒を喫した。これは、アプリリアのルーキーだったサム・ロウズに次いで2番目に多い数字だ。
シーズン最終戦のバレンシアGP決勝でも、マルケスはほとんど転倒しかけたところから驚異的な身体能力でバイクを引き起こし、3位となった。しかし、彼がそこまでリスクを冒す必要はそもそもなかった。タイトル争いが最終戦までもつれたとはいえ、彼が11位でレースを終えればアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)の結果にかかわらずチャンピオンになることができたからだ。
シュワンツはマルケスの能力を称賛した一方で、彼がこのままのアプローチを続けるならば深刻な怪我を負うリスクがあると警告した。
豪快なスタイルで大人気だったシュワンツは1993年に500ccクラスの初タイトルを獲得するが、同年に最大のライバルだったウェイン・レイニーがレース中のクラッシュにより再起不能となってしまう。自身も左手首を負傷し1995年のシーズン中に引退を表明した。彼が使っていたゼッケン34番はMotoGP/WGPの永久欠番となっている。
「彼(マルケス)は、激しさとリスク回避を両立した乗り方を見つけなければならない。ある日、自分自身を傷つけることになるからだ」と、シュワンツはmotorsport.comに語った。
「おそらく鎖骨や何かを骨折したことはあるだろうが、それも自分が遅くなっていくことにつながる」
「彼は毎ラップ限界まで攻めている。100%全力で挑んでいれば、ミスを犯すこともあるだろう。しかし、それはバイクの持っている真の能力を発見する方法でもある」
「95%や96%ではそれはできない。彼が今年、大きな怪我を負わずに済んだのは幸運だった」
「彼はホンダのバイクを最大限に活用する方法を発見し、ライディングスタイルをバイクに適応させた。彼は毎ラップ信じられないようなことをするので、彼のライディングを見るのは楽しいことだ」
「私は(ホンダのMotoGPチーム元代表)リヴィオ・スッポと話をした時、マルケスについて”彼がやっていることは信じがたい。彼を見れば、彼がどれほど素晴らしいライダーかすぐにわかる”と言っていた」
マルケス、2018年の目標は”転倒を少なく”
マルケス自身も最高峰クラス5度目のタイトル獲得と並んで、クラッシュの数を減らすことを2018年の目標に掲げている。
「僕は常に自己批判的な人間だ。来季の目標はスピードを維持することだけど、転倒は少なくしたい」
「アルゼンチンやオースチンでのクラッシュのように、レース中に同じミスをしないことが目標だ。冬の間に、落ち着いて考える必要がある」
「僕は、最初のフリー走行から毎セッション全力で臨んでいた。コースに出て行くたびに、速くなれると確信していたんだ」
「もちろん今後変えていけることはあるし、途中で現実的になろうと努力もしている」
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