小林可夢偉、NASCARデビュー戦へ……予選ではジェンソン・バトンより上位につける「100%準備ができている」

小林可夢偉は、日曜日にインディアナポリス・モータースピードウェイのロードコースで行なわれるNASCARカップ・シリーズのレースに出場。同シリーズデビューを果たすが、「しっかり準備できた」と語った。

Kamui Kobayashi, 23XI Racing, Toyota Genuine Parts Toyota Camry

 WECチャンピオン経験者であり、ル・マン24時間レースでの優勝、F1での表彰台経験などを持つ小林可夢偉が、今週末にアメリカのインディアナポリス・モータースピードウェイで開催されるベライゾン200で、NASCARカップ・シリーズにデビューする。

 その小林が会見に応じ、決勝レースに向けた意気込みなどを語った。

 小林は前述のように、これまで様々なレース・カテゴリーでの経験を積み重ねてきたが、NASCARはこれが初のレースということになる。

 小林が加わるのは23XI・レーシング。あの伝説のバスケットボール・プレイヤーであるマイケル・ジョーダンが所有するチームである。

「僕としては、とても長く準備期間を取ることができました」

 小林は記者会見でそう語った。

「僕は(チームの本拠地がある)シャーロットまで数回来ています。そして、ここインディのロードコースを走るために準備をしてきました」

「ようやくこの日に辿り着くことができて、本当に嬉しいです。準備はかなり順調だったと思います。チームのおかげでここまで辿り着くことができ、かなり自信を持って臨むことができていると思います」

「トヨタとTRDは、このレースに備えるためのシミュレータ・セッションで僕を大いに助けてくれたと思います。正直に言って、準備やその他全てのことを考えれば、今週末に向けて100%準備ができていると思いますよ」

 とはいえ小林は、実際にマシンを走らせた経験が少ないまま、実戦に臨むことになる。プラクティスの走行時間は20分であり、わずか5周のみ走行に留まった小林は、31番手だった。

「20分だけ走って、すぐに予選に向かうということだけが心配でした。できる限り準備する必要があるんですが、20分では十分ではなかったです」

「マシンの挙動は、僕にとってはチャレンジングです。これだけ重量があるのに、これほどダウンフォースが少ないマシンをドライブしたことはないんです。荷重の移動は、僕が慣れているマシンとは異なると思います」

 そんな予選では、首位から1.109秒遅れの28番手。同じくF1経験者であるジェンソン・バトンを上回ってみせた。バトンはすでにNASCARでのレースを経験しており、しかもル・マン24時間でNASCARマシンを走らせた経験を持っていることを考えれば、小林の予選成績は上々だと言えよう。

 小林曰く、NASCARのマシンは、これまでドライブしてきたマシンとは大きく異なると語った。

「ストレートでも奮闘しています。ブレーキをかける前に、前に進む必要があるんですよ。それがとても重要なことなんです。これまではマシンに乗ってストレートを走っている時には、リラックスすることができたんです。でもこのクルマは、ストレートでも戦っています。僕にとっては新しいチャレンジですけど、ドライバーたちは常に戦っているわけですから、こういうマシンでのレースは良いと思います」

 NASCARはすでに終盤戦となっており、プレーオフ進出を賭けた戦いも激化するはず。そのため、接触が多く発生する可能性が高い。小林もそれを十分に認識しており、序盤の混乱に巻き込まれないようにし、後半にしっかり戦えるよう、レースを組み立てていくつもりだと語った。

「全力で戦うことになると思いますが、レースの最後に備えて、マシンを守る必要もあると思います。戦うことが最も大事だということではなく、レース全体をマネジメントしなければいけない。どのレースも同じです」

「耐久レースでは、マシンをマネジメントする必要があります。24時間戦い続けるだけではなく、自分自身のことをマネジメントする必要があるんです。そして良いチャンスを掴むことができたら、あとは差を維持するだけです」

「これまでの経験を最大限に活かすつもりです。もし良いスピードがあれば、マシンをマネジメントする必要があると思っています。それが、ここでのレースの戦い方だと思います」

 

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