伝説の「壁走り」生んだマーティンズビル、ウォール撤去に伴い”裏ワザ師”チャスティンに一部を贈呈。チームはマシンを保存
マーティンズビル・スピードウェイは、昨年”壁走り”という離れ業を見せたロス・チャスティンにウォールの一部を贈呈した。
マーティンズビル・スピードウェイは、トラックハウスレーシングのロス・チャスティンが世界的なスポットライトを浴びるキッカケとなった”壁走り”でマシンを擦りつけたウォールを撤去し、一部を保存。チャスティンにもウォールの一部が贈られた。
チャスティンは2022年シーズンのNASCARカップシリーズのプレーオフ準決勝にて、最終ラップでマシンをウォールに当てた状態でスロットルを全開にし、一挙5台抜きを演じた。
衝撃のコースレコードを樹立したチャスティンは、土壇場の壁走りによってフェニックス・レースウェイで行なわれるプレーオフ決勝への出場権を手にした。
プレーオフ決勝では71mの差でジョーイ・ロガーノ(ペンスキー・レーシング)に破れ、2度目のカップシリーズタイトル獲得を許した。
チャスティンはランキング2位で2022シーズンを終えることとなったが、プレーオフ準決勝で彼が見せた”壁走り”はソーシャルメディアで世界中に拡散され、チャスティンのみならずNASCAR全体が大きな注目を集めることとなった。
そのチャスティンは2023年シーズン、開幕3戦全てトップ10以内に入り、ステージ優勝を3回を記録して現在ランキング首位に立っている。
2023年1月にNASCARは安全上の理由から壁走りを禁止。マーティンズビルは4月16日の第9戦開催に先立ち、チャスティンのマシンが擦れた後が残る通称”ヘイル・メロン”ウォールを撤去した。
ウォールの撤去にはチャスティンも立ち会い、その前にはサインも行なった。その後、マーティンズビルのクレイ・キャンベル社長から額に入れられたウォールの破片が贈られた。
なお、トラックハウス・レーシングの共同オーナーであるジャスティン・マークスは、二度と見られない技だとして、壁走りによって擦れたマシンをそのまま保存することを決断し、次のように語った。
「マーティンズビルの”ウォールカー”は90%再利用可能な状態でレースを終えた。つまり、このマシンをショーカーとして現役を退かせて、このまま維持するためには何十万ドルもの負担をトラックハウスは背負うこととなる」
「どうしようかと迷ったが、NASCARが下した新しい裁定を考慮し、可能な限りマシンを保存することにした。マーティンズビルでのロスの動きは歴史的な瞬間であり、ファンのために何年も形として残されるべきモノだ」
「このスポーツは貸借対照表(バランスシート)だけでなく、情熱やその瞬間、そして人間性が重要なのだ」
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