砂漠の真っ只中に17時間……バトン、メキシコ”超過酷”レースに挑むもリタイア
2009年のF1王者であり今季までスーパーGTを戦ったジェンソン・バトンが、メキシコで行われているバハ1000でオフロードレースデビューを果たしたが、デファレンシャルのトラブルによりストップ。砂漠の真っ只中で17時間を過ごし、一夜を明かしたという。
Jenson Button, Team Kunimitsu Honda
Alexander Trienitz
2009年のF1王者であり、今シーズンまでスーパーGTを戦ったジェンソン・バトンは、メキシコで行われた伝統のオフロードレース”第52回バハ1000”に参戦。しかしデファレンシャルのトラブルに見舞われ、リタイアとなった。バトンはこのトラブルのせいで、17時間同じ場所にスタック。砂漠の真ん中で一夜を過ごすことになったという。
バハ1000は1967年から開催されている、伝統のオフロードレース。800.5マイル(1280km)を34時間という制限時間内にゴールするというレース。昼夜問わず一気に駆け抜けることになるため、実に過酷なレースであると言える。2019年のバハ1000には264台がエントリーしたが、完走は124台……半数以上がリタイアを喫していることからも、その過酷さが垣間見える。
バトンはこのレースのトロフィー・トラック・スペック・クラスにシボレーのマシンを駆って参戦。そのマシンは、バトンが2009年にF1タイトルを獲得した時のマシン、ブラウンGP BGP001に似たカラーリングに塗られていた。
しかし残念ながらリタイアに終わってしまった。
「僕らはバハ1000を終えたけど、求めていたような結果ではなかった。それでもやはり、バハには素晴らしい物語がある」
そうバトンはインスタグラムに投稿した。
「順調なスタートを切り、そして走っているトラックを5台ほど抜いた。さらに7台か8台の壊れたり、クラッシュしたマシンも抜いていった。トラックを労わる、本当に良いリズムを見つけることができたんだ。そして必要に応じて、高速のセクションでアタックした」
「235マイル走ったあたりで、僕と僕のコ・ドライバーであるテリー・マッデンは、本当に大きな音を聞いた。そして、駆動力を失ってしまった。ディファレンシャルが壊れたんだ」
「奇妙なことに、全ての温度は良好だったし、トラックを労ってもいた。でも、こういうことが起きてしまうんだ。問題だったのは、僕らはすごく厄介な所でマシンが動かなくなってしまったことだ。そのことは、僕らが一晩中、星空の下で過ごさなければいけなかったということを意味する。合計17時間をそこで過ごしたんだ」
「僕らがその間に唯一見た人間は、ライトバーを拭くように頼んできた他のレーサーだけだった」
「僕らはエネルギーバーで空腹を満たし、そして火を焚いていた。でも見つけることができたのは小枝だけだったから、常にくべていく必要があったんだ。でも僕はテリーと、平穏な瞬間をただ楽しむことができた。いくつか話をしたけど、いつも『これがバハだね』で終わったんだ」
「人生にとって貴重な経験だった。期待したような結果ではなかったけどね」
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