「ロボレースを自動運転技術の"走る実験室"に」ディ・グラッシCEOを語る

ロボレースのCEOであるルーカス・ディ・グラッシは、ロボレースの意義や今後の展開について語った。

 今年初め、フォーミュラEと共同でロボレースのオーガナイザーを務める英国ベンチャー企業であるキネティック社は、自動運転レースであるロボレースで使用する用マシン"ロボカー"を発表した。

 この"ロボカー"の開発車両にあたる"DevBot"は2016年序盤より開発が進められてきており、2016年8月に行われたドニントン・パークでのフォーミュラEのシーズン前テストで初めて公の場でデモ走行を行った。

 当初はフォーミュラEのシーズン3(2016/17年)中に、サポートレースとしてロボレースの第1戦が開催される予定であった。しかし同シーズンの香港ePrixで人を乗せた状態での"DevBot"のデモ走行や、ブエノスアイレスePrixで2台の"DevBot"がフォーミュラEと同じレイアウトのトラックを使ってデモレースを行うといった走行にとどまり、現在も本格的なロボレースの実現には至っていない。

 しかしながら、現在も"DevBot"のテストや開発が進められている他、参戦チームの確保にも注力しているようだ。

 フォーミュラEの3代目王者であるルーカス・ディ・グラッシは、今年9月にロボレースのCEOに就任した。長らくレーシングドライバーとしてキャリアを積んできたディ・グラッシだが、一方で自動運転の支持者もある。

 そのディ・グラッシに対し、ロボレースの意義について訊いた。

「ロボレースはいわゆる自動運転の開発の場であり、そのためのシリーズという位置づけにあります。そして我々のビジョンに基づいて、自動運転の開発が進められてきています」

「現段階では、各テクノロジー系の企業・大学などのパートナーたちと開発を進めています。自動運転技術を活用するものなので、これが現在あるモータースポーツの何らかのシリーズの代わりになるとは思いませんが、それでもモータースポーツの一環としてシリーズを展開する必要があると考えています」

「今後ロボレースは、自動運転技術の"走る実験室"として展開していくと思います。まだ現在の段階では誰もが驚くようなことはできません。速く走ることができないですし、技術の制約が多くあります。しかし技術の進化とともに、例えばドリフトさせるだとか、天井を走らせることも可能になってくると思います。開発を続けることによってメディアが関心を持ってくれ、技術がどんどん進化していくことによって一般の関心も高まると考えています」

「この自動運転を知らない人が見れば、ラジコンと一緒であると考えるかもしれません。しかし多くの複雑な技術が投入されており、いわゆる"ブレイン(Brain/脳みそ)"であるAIが大きな役割を果たしてくれています」

SNSを主とした認知拡大

 日本のロードカーにも徐々に取り入れられていることで自動運転は普及化しつつあるが、モータースポーツ業界においてもロボレースの認知度は未だ低い。ディ・グラッシはシリーズの認知度を上げて行くためにSNSを通じた施策を打っているという。

「ロボレースはまだ若く、スタートしてから間もないので多くの人が理解できていないと感じます。ただ今後はロボレースの技術を示していきたいです」

「今は人に知ってもらう、理解してもらうという段階です。モータースポーツ業界でもあまり認知されていないわけですから、(モータースポーツとは別の)新しい層から今後発展していけるのではないかと考えています」

「実際ロボレースはSNS上で急速に成長しています。例えばインスタグラムで約50万人、フェイスブックでは150万人以上のフォロワーを確保することができています(2017年12月現在)。(インスタグラムの)フォロワー数で言えばフォーミュラEの2倍、F1の8分の1くらいの規模に到達しました。1年でこれだけ多くのフォロワーを確保することができたのです」

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この記事について
シリーズ Roborace
記事タイプ 速報ニュース