【スーパーフォーミュラ】ヨコハマ「反応を寛容にした」来季用”プロトタイプ”タイヤを鈴鹿でテスト
鈴鹿サーキットで行われたスーパーフォーミュラ合同テストに、ヨコハマは来季用の”プロトタイプタイヤ”を持ち込んだ。

11月24日に鈴鹿サーキットで行われたスーパーフォーミュラの合同テスト。このテストには来季用のプロトタイプのタイヤが持ち込まれ、各チームが早速これを試した。
2016年シーズンから、スーパーフォーミュラのタイヤを担当し始めたヨコハマタイヤ。1年を通じて大きな問題は発生しなかったものの、「コーナリングフォースが限界を迎えた時の反応がピーキーだ」という意見が散見された。
これを緩和するためにヨコハマは、構造を変更したタイヤを準備し、このテストに持ち込んだ。この新しいタイヤについて、同社の秋山一郎開発本部長は「反応が寛容」になることを目指したと説明する。
「今回は2スペックのタイヤを持ち込みました。1スペックは完全に従来のもの。もうひとつは来季に向けて構造を変更したものです。ゴムについては、これまでと同じです。限界を超えると、突然反応が変わるという意見がありました。この反応が寛容にならないかというタイヤを用意しました」
この日のテストは午前中はウエットコンディションだったが、午後になって路面が乾くと、各ドライバーがこの新タイヤを試した。その反応は概ね好評価であり、秋山本部長もそう報告を受けていると語る。
KCMGのマシンに乗った小林可夢偉は、「グリップが上がった」と答える。
「グリップは上がったと思います。そしてタレが早くなった。この温度だから、なんとも言えないですけど。限界点というか、タイヤの動き方が変わりました。グリップの限界は変わっていないですけど、タイヤの動きが良くなったと思います。この表現は難しいですけどね。動きがスムーズになり、ピーキーじゃなくなった……」
NAKAJIMA RACINGの中嶋大祐はコーナーでの手応えの良さを感じた。
「S字の中でのフロントの手応えが、すごく良いです。フロントが強くなった感じがあります。負荷がかかるところで、こらえてくれるようになった」
これと同じ意見を語るのは、Team LeMansのマシンを走らせた大嶋和也だ。
「荷重がかかればグリップが高いと思います。フロントのグリップが上がっている。ただ、荷重が抜けた時のグリップの抜けは大きい気がしますね」
”ルーキー”ドライバーの2人も、両方のタイヤを試した。山下健太(KONDO RACING)が「新しいタイヤの方が少しグリップが高いように感じました」と語れば、佐々木大樹は「構造が柔らかくなり、反応がマイルドになっています。今年のタイヤの方がピーキーなイメージです。ただ、今日は気温が低かったので、もっと暖かくなった時にどうなるかはわかりません」と、新しいタイヤを評価した。
また、P.MU / CERUMO · INGINGの浜島裕英総監督も「ふたりのドライバー共に良いと言っています。概ね好評価のようですね」と語ってくれた。
今回使われたタイヤは、あくまで”プロトタイプ”だと言われている。しかし基本的にはこのタイヤを使う方向でタイヤテストなどを継続し、来季に向けた開発が進められていくものとみられる。
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この記事について
シリーズ | スーパーフォーミュラ |
イベント | 合同テスト・ルーキードライバーテスト |
サブイベント | 合同テスト・ルーキードライバーテスト |
ロケーション | 鈴鹿サーキット |
執筆者 | 田中 健一 |