【スーパーフォーミュラ】新参戦B-Max「小暮選手に輝いていただく」
今季からスーパーフォーミュラに参戦するB-Max Racingの組田代表に、今季の意気込みと準備の進捗、そしてメーカーとの関わりについて訊いた。













2017年シーズンから、スーパーフォーミュラのホンダ陣営に新たなチームが加わる。B-Max Racing Teamである。
B-Maxはこれまで、スーパーGTのGT300クラスや全日本F3選手権に参戦していた。しかし、昨年の全日本F3で好成績(チームランキング1位)を挙げたことで、スーパーフォーミュラへの参戦を決意。ホンダエンジンを搭載したマシンでの船出となった。
すでに昨年11月に鈴鹿サーキットで行われた合同テストに参加。その第一歩を踏み出していた。
F3のスタッフ中心でチームを運営
これまでF3を担当していたスタッフで、スーパーフォーミュラに挑むB-Max。その準備の進捗は重要なのだろうか? 組田龍司チーム代表が語る。
「ようやく車両が工場に来ましたんで、ホンダのスタッフの方と、エンジンの搭載とか、そういう部分を詰めているところです。近いうちには組み上がる、そういうところまで来ています」
「クルマは、昨年まで別のチームが使っていたモノを譲り受けての参戦となります。そしてチームは、F3をやっていたスタッフが中心です。不足の人材は、外部から招き入れて補う予定です。もちろん、カテゴリー特有の勘どころという部分もあろうかと思いますが、車両を整備して走らせる分には、F3と大差ないと思っています。スタッフの技量を信じて参戦を決めたので、大丈夫だと思います」
そうチームに全幅の信頼を置く組田代表。しかし当然、不足している部分もあると認める。
「レースを戦う上での設備や機材のノウハウがないので、そこは手探りです。また、ピットストップは練習の賜物だと思います。まだクルマが組み上がっていないので、実際の練習を始めることができていませんが、ピットワークでは1番になろうという意識で、練習をするための道具を作り、ポジション取りなどを想定したシミュレーションをやっています。また、作業時には俊敏性が求められると思うので、スタッフには鍛えておくよう言ってあります」
ホンダ側としても、チームへのサポートを約束しているという。ホンダのスーパーフォーミュラの佐伯昌浩プロジェクトリーダーは「少しお手伝いをさせていただく」と語った。
「開幕前のテストまでは、研究所の車体に長けたメンバーが、少し手伝わなきゃいけないかなという印象を受けました。スーパーフォーミュラの経験がないメンバーのチームで参戦するということは、これまでなかったですから。データロガーの見方など、1〜2名のスタッフが現場でサポートすることになります。B-Maxさんはプロの集団ですが、その方が成績は良くなると思いますので」
メーカーとの”関わり”
B-Maxといえば、スーパーGTやF3など、ニッサンとの関わりがこれまで強かった。今後その関係がどうなっていくのか、組田代表は明言を避けたが、メーカーとのコラボレーションに関しては次のように説明してくれた。
「それはパートナーさんあってのモノなので」
そう組田代表は言う。
「目的が一緒ならば、コラボレーションができると思います。しかし条件が不一致の場合は、別のことをやらざるをえません」
「我々はスーパーフォーミュラで結果を出し、内外から評価されたいと思っています。その中で、パートナーさんから何かを依頼されれば嬉しいです。現時点でF3をホンダさんと一緒にやるということではありませんが、我々の活動にメーカーさんが賛同してくれたり、チャレンジするチャンスを将来いただければ、F3からスーパーフォーミュラへというラインができますので、そうなったら光栄だと思っています」
「B-Maxを走らせたら面白いと、そう思ってもらえるような結果を出したいと思っています」
小暮のキャリアに傷をつけられない
ドライバーにも、様々な名前が取り沙汰されたが、最終的に小暮卓史を起用することに決まった。これについて組田代表は、「我々にとってベストな選択だった」と語った。
「新参チームを引っ張っていくことができる経験と、チャンピオンを狙うことのできる速さが同居している小暮選手が、我々にとってはベストな選択でした。11月のテストでも、フィードバックは実に的確だったと聞いていますので、それは我々にとって大きな助けになります」
「小暮選手も、勝ち目のないチームで走ることなど望んでいないと思います。我々のチームを選んでくれたということは、多少なりとも可能性を見出してくれたんだと思いたいですね」
スーパーフォーミュラで挑む最初のシーズン。組田代表は次のように意気込みを語った。
「まずは周りを驚かせたいですね。『おお! やるじゃん!』と言われるようなパフォーマンスを見せたいと思っています。それから、小暮さんのキャリアに傷をつけないようにしたい。大きなことは言えませんが、最初から狙っていくつもりでやります。そうでなければ小暮さんにも申し訳ないです。彼に輝いていただく、そしてそのためのアシストを必ずするというつもりでいます」
すでにマシンのカラーリングは決まっており、近日中にも公開されるという。組田代表は言う。
「自己満足ではありますが、格好いいと思いますよ!」
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この記事について
シリーズ | スーパーフォーミュラ |
執筆者 | 田中 健一 |