【スーパーフォーミュラ】注目ドライバー勢揃い。開幕戦は予測困難?

鈴鹿で行われる開幕戦が週末に迫っている。過去5年で一番とも言えるドライバーラインアップの層の厚さに、開幕戦の行方を予想するのは困難だ。

 今週末、三重県の鈴鹿サーキットで2017全日本スーパーフォーミュラ選手権が開幕する。毎年、見どころ満載の国内トップフォーミュラ。特に昨年、GP2(現FIA-F2)チャンピオンを獲得したストフェル・バンドーンが参戦したことで、海外からの注目度も一気に増すことになった。

ピエール・ガスリー(TEAM 無限)
ピエール・ガスリー, TEAM 無限

Photo by: Motorsport.com

 そして、今シーズンはTEAM無限からピエール・ガスリーが参戦。2年連続でGP2のチャンピオンがスーパーフォーミュラにやってくることになった。ガスリーは鈴鹿と富士で計4日間行われたテストでは連日トップ5に入るなど開幕前からライバルを圧倒する速さを見せ、早くも周囲を驚かせていた。

 またガスリーは予選アタックが得意で、GP2時代にもポールポジションを何度も獲得していた。鈴鹿はオーバーテイクポイントが限られていることもあり、予選でのポジションが非常に重要となる。テストでの勢いをそのままに、いきなり彼がポールポジションを獲得することになれば、スーパーフォーミュラやフォーミュラ・ニッポンを含め初のデビューウィンという快挙もありそうだ。

 しかし、そう簡単に勝てないのがスーパーフォーミュラの難しいところ。今年はガスリー以外にも上位進出してきそうなドライバーが多数いる。

 ガスリー同様に合同テストで早かったのが、VANTELIN TEAM TOM’S勢。鈴鹿テストでは2日間ともアンドレ・ロッテラー、中嶋一貴がトップ2を独占。先月末の富士合同テストではWECプロローグテストと日程が重なり、2人とも欠席となったが、代わりに参加したジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ、平川亮がトップタイムを記録。テストではライバルを寄せ付けないような速さを見せていた。

Andre Lotterer, Team Tom's
アンドレ・ロッテラー, Team Tom's

Photo by: Suzuka Circuit

 昨年は、新しく導入されたヨコハマタイヤに苦戦し未勝利のままで終わってしまった名門トムス勢。ここまでのテストでは、本来の強さを取り戻したかのようなパフォーマンスを披露しており、開幕戦でもロッテラーと一貴が優勝候補の筆頭に挙がるのは間違いなさそうだ。

 しかし、陣営は全く楽観視していない。鈴鹿でのテストで1分35秒163と驚異的なタイムをマークしたロッテラーも「まだウィンターテストだからね。どうなるか分からない」とやや険しい表情だったのが印象的だった。

 実は昨年も開幕前のテストまでトムス勢は好調だったのだが、いざシーズンが始まって気温が上がった瞬間に苦戦を強いられてしまった。ヨコハマタイヤについては各チームとも、2015年まで使われていたブリヂストンタイヤと比べてまだまだ経験が浅いため、少しのコンディション変動でマシンバランスが大きく変わってしまっているようなのだ。

 特にトムス勢にとっては、テストは良かったのにシーズン前半が苦しかったという印象があるため、実際に開幕して全てを確認するまでは警戒しているというところだろう。

Yuji Kunimoto, Cerumo Inging
国本雄資, P.MU / CERUMO · INGING

Photo by: スーパーフォーミュラ

 その一方で、テストでは今ひとつだったが開幕時のコンディションに自信を見せているのが昨年ダブルタイトルを獲得したP.MU/CERUMO・INGING勢。昨年もテストでの結果よりも、シーズンを通しての安定感が際立っていたチームだ。

 これについては、石浦も「昨年もシーズンオフのテストはそんな完璧じゃなかったんですが、暖かくなってシーズンが始まると調子が良くなりましたし、冬はスペシャルコンディションなので、それに合わせきっても本番ではうまくいかないこともあります」とコメント。まだまだトップに立つためにやらなければいけないことはたくさんあるようだが、虎視眈眈と開幕戦でのトップ浮上を見据えて準備を進めているのは確かだ。

 この他にも、昨年2勝を挙げる活躍を見せた関口雄飛や、調子を取り戻しつつある山本尚貴(TEAM無限)も注目。ポールポジション争いはもちろん、上位8台のみが進出できる予選Q3は、ここ数年の中で一番の狭き門になりそうだ。

 さらに、今年はガスリー以外にも新人ドライバーが4人参戦。マカオF3優勝経験者のフェリックス・ローゼンクビストや昨年の全日本F3選手権王者の山下健太と、山下とチャンピオン争いを繰り広げたヤン・マーデンボロー、さらに2015年の全日本F3チャンピオンであるニック・キャシディが参戦。彼らがトップフォーミュラでどういった走りを見せるのかにも注目が集まる。

 これまでのテストではトムス、TEAM無限の2チームが有利だが、実際のところは開幕して見ないと分からないという状況。何れにしても予選では0.001秒単位の激戦になることは確実だ。さらに今年はタイヤもさらにグリップ力が増し、両メーカーともエンジンパワーも上がっているようで、テストでは昨年比で1秒以上速くなっている。コンディションが整えば、今週末の鈴鹿では公式戦で初めて1分35秒台が飛び出す可能性もありそうだ。

 見どころ満載の2017年スーパーフォーミュラ。1戦たりとも目が離せない戦いが、いよいよ始まる。

取材・執筆/吉田知弘

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シリーズ スーパーフォーミュラ
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