スーパーフォーミュラSUGO:ランキング首位CERUMOが後方に沈む。その原因は?
P.MU / CERUMO · INGINGの国本と石浦は、非常に苦しいSUGO戦を過ごした。















スーパーフォーミュラ第5戦岡山レース2が終わった時点で、ドライバーズランキング首位は国本雄資、2位は石浦宏明と、P.MU / CERUMO · INGINGのふたりが1-2を独占していた。
しかし迎えた第6戦SUGOは、P.MU / CERUMO · INGINGにとっては厳しいラウンドとなった。決勝は国本が15位、石浦が16位。リタイアしたマシンと、他より多くピットインした小林可夢偉(SUNOCO Team LeMans)を除けば、もっとも後方の順位である。
ランキングトップの2台が後方に下がってしまうというまさかの結果。一体何があったのか?
国本は「スタートはうまくいったんですけど、行き場をなくして順位を落とし、その後は淡々と走っているだけでした」と語る。
「プッシュしたんですけど、なかなか思ったようなペースで走れなくて……。自分たちが思っていたようなクルマの状態じゃなくて、厳しかったです」
国本は予選でも苦労し、スピンするシーンもあった。その際、「路面コンディションが変わった。タイヤのセットによってバランスが変わってしまい、合わせられなかった。感覚としてグリップが違っていた。何が原因かは分からない」と状況を説明した国本。結局、最後まで原因を究明することができなかったという。
「グリップ感が掴めなかったのが、ペースが遅かった原因です。これからデータをしっかり分析しないといけません」
一方石浦は、ペースについては「関口を除けば、そこまで悪くなかった」と言う。ただ、不運に不運が重なり、後方に下がってしまった。
まずはスタートでのトラブルだ。
「クラッチ系のトラブルで、スタートが遅れてしまいました。それで、1コーナーで挟まれて……」
そしてピットストップでもトラブルが石浦を襲った。
「前を走るマシンが早めにピットに入ったんで、前が開けてからは、飛ばすしかないと思っていました。そのまま走り続けていれば、(ジェームス)ロシター(KONDO RACING)あたりとの勝負になりそうだったんです」
「ただ、セーフティカーが出たんで、ピットに入るしかなかった。それでピットインしたところ、(隣のピットに)中嶋一貴選手が止まっていたんで、ハンドルを思いきり切らなきゃなりませんでした。しかし、ハンドルの裏にクラッチが付いているんですが、ハンドルを切ったことでクラッチを握ることができず、エンストしてしまったんです」
さらに、リスタート時にもトラブルがあった。
「リスタート時に、今度は別のトラブルが出ました。なのですぐに国本にポジションを譲って、しばらくスロー走行していたんです。そのトラブルは勝手に直ったんですが、今度はブレーキが入っちゃって……もう何もできませんでした」
とはいえ石浦は、あくまでポジティブに最終戦鈴鹿を見据える。
「悪い時に重なってそういうことが起きたのは、ポジティブに考えればよかった。トップを走っている時にこんなことが起きたら、もう終わりですから。最終戦までにまだ直す時間がありますしね。クルマ的には関口(雄飛)選手が速そうですが、そのあたりをもう1回考えて、最終戦を戦えるように準備したいと思います」
国本も、SUGOではノーポイントに終わったとはいえ、まだランキング2位。石浦共々、自力でチャンピオンを獲得する可能性が残る。
「シリーズランキングはまだ2番手なんで、鈴鹿ではポールを獲って、優勝するつもりでしっかり準備していきたい。そのためにこの1年やってきましたから。悔いの無いシーズンにするためにも、ここからしっかりと準備していきたいです」

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この記事について
シリーズ | スーパーフォーミュラ |
イベント | 第6戦スポーツランドSUGO |
ロケーション | スポーツランドSUGO |
ドライバー | 石浦 宏明 , 国本 雄資 |
チーム | セルモ |
執筆者 | 田中 健一 |