セルモ・インギング、勝って兜の緒を締める「まだ理想には遠い」

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セルモ・インギング、勝って兜の緒を締める「まだ理想には遠い」
2017/12/18 9:15

スーパーフォーミュラのチームタイトル連覇を果たしたP.MU/CERUMO・INGING。近年強さを見せる同チームだが現状には決して満足していない。

 今季のスーパーフォーミュラでドライバー&チームのダブルタイトルを獲得したP.MU/CERUMO・INGING。これでドライバーズタイトルは3連覇(2015年:石浦宏明、2016年:国本雄資、2017年:石浦)、チームタイトルも2連覇と、近年圧倒的なまでの強さを見せている。

 しかしチームのシニアディレクターであり、セルモの代表取締役を務める佐藤正幸は、「まだ足りない」と語る。

「結果が出ているということは、非常に大変なことだと思います。しかし、実力で(ダブルタイトルと)獲れたとは思っていません」

 そう佐藤社長は語る。

「今年は相手のチームが自滅したりとか、そういう部分があった。チャンピオンというのは、本来ならば実力があるからこそ獲れるモノだと思います。しかし、まだその領域には達していない。理想のチームと言うには、私の中ではまだ足りていないんです。厳しいことを言うようですが……」

「運とか、周りがどうかというのは関係なくチャンピオンを獲れるようにならなければいけない。僅差の戦いをしているから、それは確かに大変なことです。でもそういうことを考え続けていないと、いつか逆転されてしまいますから。もっと強くしていかないと、今のままではすぐに逆転されてしまいます」

 かつてCERUMO/INGINGは、スーパーフォーミュラでは厳しいシーズンを過ごしてきた。しかしそれが一転、常勝チームに転じた。これについて佐藤社長は次のように説明する。

「6〜7年くらい前を遡れば、後ろには1〜2台くらいしかいなかった。だから立川(祐路/現・監督)などと話をして、チームの中をしっかりと作り上げていきました。それをしなければ上に上がっていくことはできない。それでレベルアップしていくことができました」

「その次にはやはりドライバーです。当時は平手(晃平)と国本という若手コンビだった。しかし、経験がない中でこう言うクルマをうまく扱うのは、時間がかかります。それを加速するためにはベテランドライバーが必要で、そのドライバーが作り上げたマシンに国本が乗るのが、自分としては理想だと思ったのです。それでトヨタさんと話をして、石浦を乗せることになったのです」

「結果的には自分が思っていたように(チームが強くなり)的中したからいいですが、まだ自分としては物足りないと思っています」

 チームの総監督を務める浜島裕英氏も、”力のある”ドライバーの存在が重要だと語る。

「このチームに加入してから見てきましたが、それぞれみんなが成長しているのが分かるなという気がしています」

 そう浜島総監督は語る。

「石浦選手にはチームを引っ張っていく自覚があるように見えるし、国本選手はそれに引っ張られて、昨年ああいう形でチャンピオンを獲って、そして今年はコメントなどにも自信が満ち溢れています。ドライバーは着実に成長しています」

「その彼らと話しをするエンジニアは、悩まされるわけです。でも、高いレベルでやらないと勝てない。確かに今年は昨年よりも波がありました。佐藤社長はそこが不満なのだと思いますが、メカニックの整備のクオリティは上がっていますし、給油作業などでも他チームと比較しても早くなってきている。着実にステップを踏んで、よくなっているなという気がします」

「それが功を奏して、チャンピオンを獲れたと思います。0.5ポイント差とはいえ、獲れる時に獲っておかなければいけません」

 浜島総監督も、まだ「足りない」という佐藤社長の意見に同意する。

「それは誰にでもあるでしょう。誰にでも”理想のチーム”というのがあるわけだと思います。例えば、もっと(週末の)走り始めから速くなるとか、そういうところが欲しいわけです。各サーキット、各状況に応じた持ち込みの精度を上げれば、もっと楽に週末を過ごすことができる。今年は決勝では追い上げて格好良かったかもしれないけど、それがもう半日早く発揮できれば、もっと強いチームになれると思います」

「そのためには、もっと良いコミュニケーションが必要だし、技術力や予測精度も向上させていかなければいけません。過去レースのレビューなど、もっと精密にやっていくことが重要なのかもしれないですよね」

 今や紛れもなくトップチームのひとつとなったP.MU/CERUMO・INGING。結果も、十二分に残している。しかしそれでも、チームはまだ満足していない。未来永劫、彼らが満足することはないのかもしれない。

 その決意こそが、P.MU / CERUMO・INGINGの今の強さの”証明”である、そう言うことができそうだ。

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シリーズ スーパーフォーミュラ
チーム セルモ , INGING
記事タイプ 速報ニュース