千代勝正、B-Max Racingからスーパーフォーミュラ参戦が正式決定
スーパーフォーミュラに参戦するB-Max Racing Teamが、千代勝正を今季のドライバーとして起用することを発表した。

スーパーフォーミュラに参戦するB-Max Racing Teamは、公式テストが行なわれている鈴鹿サーキットで、今シーズンの参戦ドライバーを千代勝正にすることを正式に発表した。
今回の公式テストの段階で、参戦ドライバーが決まっていなかったB-Max Racing Team。前日まで行われたモータースポーツファン感謝デーでの走行は、今季チーム監督を務める本山哲が担当。そして、テスト初日はヤン・マーデンボローと千代勝正がドライブするという異例の体制が組まれていた。
テスト1日目を終えた18時30分頃、チームから「今季のドライバーが決まった」という連絡があり、報道陣が急遽B-Max Racing Teamのピットへ。そこで本山監督から千代を今季起用することが発表された。
実は、今回のテスト1日目は参戦ドライバーを決定するためのオーディションだったという。そのために、本山監督自らが鈴鹿ファン感でステアリングを握り、マシンの部分で大きな問題がないかというベース部分を確認。翌日のテスト午前中にはヤン・マーデンボロー、午後には千代が50号車をドライブした。
今回、千代を選んだ経緯について、本山監督は次のように語った。
「基本的にはオーナーの組田さんが決定しました。B-Maxは昨年から(SFに)参戦していて、これから上がっていくべきチームです。現状、クルマは完璧ではないですけど、その中でチームとともにうまく進んでいけるドライバーというところと、将来的な部分も含めて彼を起用することになりました」
スーパーフォーミュラ初参戦が決定した千代。テスト参加の話が舞い込んだのは3週間前だったそうだが、今日までにできる限りのトレーニングと準備を行ってきたとのこと。組田オーナーからレギュラー参戦が決まった旨を聞いた感想を、次のように語った。
「セッションが終わって1時間後くらいに、組田オーナーから『千代で決めました』と言われました。4〜5年前からチャンスがなかった(フォーミュラの)トップカテゴリーでこういう機会をいただいて、走った結果で自分を選びたいと言われた時は、素直にすごく嬉しかったです」
「自分はF3でチャンピオン(2011年Nクラス王者)獲ってから、トップフォーミュラに乗る機会や参戦する縁というのがあまりありませんでした。同世代の選手が活躍している中で、5〜6年ずっとGT路線で頑張ってきました。この3年間は(GT500で)本山さんと組まさせていただいて色々な部分を勉強してきました。またB-MaxはF3の頃から関係があって、常に気にかけてくださっていました。今までの自分の予定の中では、スーパーフォーミュラに乗るというのは想像できなかったんですけど、今回こうやってチャンスをいただいたことについて、B-Maxオーナーの組田さんや本山監督をはじめ、この機会を与えてくださったのみなさんに感謝したいです」
「F3時代から苦楽を共にしたチームでもあります。いろんな状況の中でF3に乗せてもらったという経緯もありました。そういう中で、再びチームに選んでもらえたというのは正直嬉しかったです」
ようやく国内トップフォーミュラ参戦というチャンスを手にできた千代だが、同時に非常に熾烈な争いが繰り広げられているカテゴリーで結果を出していかなければならないという部分で責任も感じていた。
「ただ出るだけじゃ意味がないと思っているので、自分がやらせてもらうからには勝ちたい。負けず嫌いでもあるので、ずっと後ろの方を走っているつもりもないです。このチームで一緒に前に行って、表彰台に上がって、優勝をするというプロセスを考えると、ものすごい責任ある仕事を受けてしまったなという重みを感じてます」
「参戦が決まった嬉しさと、ものすごく覚悟がいる仕事を受けてしまったという責任感と、(気持ち的に)半々ですね」
当初、テスト2日目も千代とマーデンボローが参加予定となっていたが、正式に参戦ドライバーが決まったため、千代が終日50号車をドライブすることになる。
この記事について
シリーズ | スーパーフォーミュラ |
ドライバー | 千代 勝正 |
チーム | B-Max Racing Team |
執筆者 | Tomohiro Yoshita |