山本尚貴「ガスリーと組み、自分が成長できるようなヒントをもらえた」

昨年、ピエール・ガスリーと組んでスーパーフォーミュラを戦った山本尚貴。苦しい1年だったが、成長のためのヒントを得たと語る。

 今シーズンもスーパーフォーミュラにTEAM MUGENから参戦する山本尚貴。昨年はチームメイトにピエール・ガスリーを迎え入れての戦いとなったが、そこでの経験が今後の自身の成長に欠かせないヒントを得られたと語った。

 2017年、スーパーフォーミュラで旋風を巻き起こすような活躍を見せたガスリー。序盤戦こそノーポイントが続いたが、第4戦もてぎでは巧みなレース戦略で初優勝を飾ると、第5戦オートポリスでも勝って連勝。最終戦が悪天候で中止となったため逆転チャンピオンとはならなかったが、ランキング2位でルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得した。今シーズンはトロロッソ・ホンダからF1フル参戦を開始する。

 彼の活躍に注目が集まった一方、昨年ガスリーのチームメイトを務め、それまでホンダ勢のエースに君臨していた山本にとっては試練の1年となった。開幕戦鈴鹿では2位表彰台に入ったものの、それ以降は苦戦が続き、ガスリーが勝利したレースではいずれもノーポイント。表彰式で笑顔でトロフィーを掲げる彼とは対照的に、落胆した表情を見せていた。

「あの時は焦りもありましたが、(負けてショックだったというよりも)情けないという気持ちが強かったです」

 ガスリーが連勝した時の心境について、そう語った山本。改めて昨シーズンを振り返り、チームメイトを意識しすぎて視野が狭くなってしまっていたと語った。

「ピエール(ガスリー)とチームメイトになって、当然お互いに負けたくないという思いが強くあった1年でした。最初は彼が慣れていなかったところもあったと思いますが、僕の方がうまくいっていた感じでした。ただ後半は、僕の方が『負けたくない』という思いが変に強くなりすぎて、見えなきゃいけない部分を見落としてしまったりとか、少し視野が狭くなってしまった部分はありました」

「ホンダとしては良い結果になりましたが、個人的にはやっぱり一番勝たれたくないし、勝たせちゃいけない相手でした。それをさせてしまった自分に対しての情けなさと悔しさというのは、例年にはないものがありました」

「勝ちたいが故に、ちょっと見えなくなってしまった部分があったと思います。シーズンが終わってから反省した時に、気づいたことがたくさんありました。当然彼と(同じチームで)やったことで、彼のすごさも身をもって感じたし、彼から学ぶことも多い1年でした」

「彼がいてくれたから気付けたこともたくさんあったし、直接また戦ってやっつけたい気持ちもありました。でも、彼は今年F1に行くので、それは叶いません。でも色んな意味で彼がいてくれたから、成長できるような材料やヒントはたくさん与えてくれたのかなと思います」

 2013年にシリーズチャンピオンを獲得して以降、常にどんな状況でも“ホンダ勢の中で一番を獲ること”にこだわり続けてきた山本。しかし、昨年のガスリーに関しては“完敗だった”と認め、昨年彼と同じチームで走ったことで得られた経験を今年活かすためにどうしていくか……という行動に移っていた。

「いくら悔しい思いがあったとしても、それを跳ね返したりするためには、やっぱり走って結果で証明しないといけません。なんの言い訳もせず、昨年は完敗でした。それを真摯に受け止めて、昨年成績を残せなかったことに対して、何がダメだったのかを含めて、それをどう活かせるかが大事です」

「それは頭で分かっていても、行動に移せるかというのは自分の技量や才能でもあるので、それを今シーズン活かすことができたとしたら、昨年ピエールと組むことができてよかったなと思えるはずです」

「そのあたりはオフシーズンの間で、少し整理できた部分でもあります。自分の気持ちをちゃんとコントロールしながら、あとはハード面の手助けも必要になるスポーツなので、今年こそはうまくやりたいなという思いでいっぱいですね」

 そんな2018年。早くも国内トップフォーミュラは9シーズン目となる山本。これだけのキャリアを積んでも、まだ自身が成長できるきっかけがあるという事に、感謝していた。

「環境に恵まれているのは年々感じますし、それをチャンスと捉えられるかどうかというのは、重要な部分です。そこは忘れちゃいけない、失っちゃいけないことだと思います」

「この先まだある僕のレース人生の中で、その思いは大切にして行きたいし、まだまだ自分も成長できると思っています。自分自身すごく楽しみですね」

 この春には第一子が誕生予定の山本。昨年ガスリーと共に戦ったことで、完敗したことを含め様々な経験を積んだことを活かし、今年はどのような走りを見せてくれるのか……今までとはひと味違った彼の走りに注目が集まりそうだ。

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この記事について
シリーズ スーパーフォーミュラ
ドライバー 山本 尚貴 , ピエール ガスリー
チーム team Mugen
記事タイプ インタビュー