2度目の王者獲得、石浦宏明「海外勢に甘く見られるわけにはいかない」

チーム2連覇、ドライバーズ3連覇を果たしたP.MU/CERUMO・INGINGの祝勝会が開催。その会場で、今季王者の石浦に話を訊いた。

 2017年シーズンのスーパーフォーミュラは、P.MU/CERUMO・INGINGがドライバーとチームのダブルタイトルを獲得した。ドライバーズタイトルは一昨年の石浦宏明、昨年の国本雄資に続き3連覇、チームランキングは昨年に続く2連覇である。

 そのダブルタイトル獲得の祝勝会が、チームの本拠地近くで行われた。その会の場で、今季のスーパーフォーミュラチャンピオンに輝いた石浦に話を訊いた。

 石浦は自信2度目のタイトル獲得。その感想について問うと、次のように語った。

「スーパーライセンスを取れるらしいんですけど、(費用が)3000万円かかるらしいんですよ。F1に乗りたいというより、スーパーライセンスがどんなモノなのかを、見せびらかしたかったんですけど……3000万は高いですよね」

 そうおどける石浦だった。

「2013年まで、僕にはスーパーフォーミュラのシートがなかった。そこで僕を乗せようと言ってくれた、社長を含めたチームの皆さんのおかげで今があるんで、その初心を忘れないつもりで1戦1戦頑張っています」

「辛かった時期があったからこそ今の結果に繋がっていると思います。でも、1回目のチャンピオンを獲ったことで、僕にもチャンピオンとしてのプライドがありますし、チームのメンバー全員が”自分たちは強いチームなんだ”と思えるようになったことが、すごく大きいと思います。その意識の変化によって、相乗効果で強いチームになっている。僕自身も1回目にタイトルを獲った時よりも、今年の方が強くなっているという自信があります」

 昨年のタイトルを獲ったのは、前述の通り石浦のチームメイトである国本だった。その悔しさが今季のタイトルを目指す大きな原動力になったのではないかと尋ねられた石浦は、次のように語った。

「もちろんです。きっと僕が最初にチャンピオンを獲った時も、国本は悔しかったと思います。そして去年の僕は、この祝勝会を眺めているだけの立場でしたから……良い効果になっていると思います」

「2〜3年前と比べると、ドライバー同士にもプライドがあって、ライバル意識もお互いに強くなっていると思います。レースが終わるとチームのみんなは仲がすごく良いんですが、レースウイークに入ると、メカニック同士もお互いのマシンを意識しています。周りで見ているより、1号車と2号車のライバル意識は強いんですよ。データの共有はしますが、毎セッションどっちが前にいるかとか、タイム差がどれくらいかとか、常に意識しています」

「そういうチームメイトと走ることができて、僕としては嬉しいです。1/1000秒の差で争っていますし、そう簡単には勝てない。そして負けると悔しい。そして去年はチャンピオンを獲られているわけですから、本当に相乗効果ですよね」

 近年、F1を目指す若い才能が毎年のようにスーパーフォーミュラに挑戦している。ストフェル・バンドーン、ピエール・ガスリー、フェリックス・ローゼンクビスト……錚々たる面々である。そんな中でも石浦-国本-石浦と、日本人が3連覇中。これについて問うと、石浦は次のように語った。

「今のスーパーフォーミュラは、簡単に勝てるモノじゃないとヨーロッパで言われているらしくて、それは良かったなと思います。そう思ってくれたら嬉しいなと」

「もし今年(ガスリーらに)タイトルを獲られていたら、『なんだ。良い選手が行けば簡単に獲れちゃう』と思われてしまう。そうなったら悔しいじゃないですか。昔、星野(一義)さんや中嶋(悟)さんがそうだったように、『日本には速いヤツがいっぱいいるぞ』と言われたいです」

「ストフェルが来た時も、ライバル意識を持っていました。ふたりで、1コーナーを曲がれなかったこともありました。でも、そういうところに僕はすごくプライドを持っています。海外から来たドライバーに甘く見られるのは嫌です。最近は日本人みんな元気なんですが、そのうちのひとりになれているということは嬉しいです」

 12月6日(水)と7日(木)には、鈴鹿サーキットでスーパーフォーミュラのルーキーテストが行われる。このテストにも、海外から多くの有望なドライバーがやってくることが予定されている。

「エンジニアとは来季に向けていろんなことに挑戦したいねと言っていますが、その一方では心の中で、テストに来るメンバーに負けたくないという気持ちもあります。『スーパーフォーミュラは大したことない。俺トップタイムだったよ』と言って帰すわけにはいかないじゃないですか。そういう意味では、意地とプライドの戦いは、テストでも見られると思います」

 石浦は最後に、連覇をかけて挑む2018年シーズンに向け、次のように語った。

「僕らは嬉しい会を開けましたが、悔しい想いが溜まっているチームもあると思います。3年連続でできても、4年連続はそんなに簡単じゃないと思います。なので今年のタイトルは一旦なかったモノと思い込んで、1からやるしかない。地道に、自分の速さを磨くしかありません。そこを意識して、今年の自分よりも速く走れるようにしたいと思います」

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この記事について
シリーズ スーパーフォーミュラ
ドライバー 石浦 宏明
記事タイプ 速報ニュース