新OTS導入で開幕戦から各所でバトル続出、山本尚貴「新システムは良くできている」
今シーズンから運用方法が変わったスーパーフォーミュラのオーバーテイクシステム。開幕戦で表彰台に上がった3人が印象を語った。
写真:: Jun Goto
鈴鹿サーキットで開幕を迎えた2019全日本スーパーフォーミュラ選手権。新型マシン『SF19』の導入に伴い、運用方法が一新されたオーバーテイクシステムにより、今まで以上にオーバーテイクシーンが多いレースが見られた。
昨年までは1回使用すると20秒間システムが発動し、それをレース中に5回まで使用できるという仕組みだったオーバーテイクシステム。それが、今年は100秒間を自由に使える仕組みに変更。しかし、1回使用すると次に使えるまで100秒間待たなければいけない他、発動時にはリヤコーションランプも連動して点滅するため、後方車から先行車の使用状況が分かるなど、これまで以上に緻密な戦略が求められるようになった。
またLEDランプも変更され、残り100秒~20秒までが緑色、それを切ると赤色になり、スマートフォンなどのバッテリーの色分けと似ている部分もあり、ファンの間でも評判は良かったようだ。
これらの変更が功を奏し、開幕戦では各所でオーバーテイクシーンが見られるなど最後まで目が離せない白熱したバトルが繰り広げられた。
開幕前から新オーバーテイクシステムの使い方については、各ドライバーとも色々な意見を持っていたようだが、実際に使ってみるとリヤコーションランプが点滅するという部分と各使用ごとに100秒間使えなくなることが、レース展開に大きく影響する模様。開幕戦で3位に入った山下健太(KONDO RACING)は、より難しくなったと感じたようだ。
「新しいオーバーテイクシステムについては頭を使いながらレースをしなきゃいけなくて、昨年よりさらに難しくなったなという印象です。ただ、後ろのランプ(リヤコーションランプ)がレース中に光るのが、(相手の使用状況が分かって)面白かったですね」
また開幕戦で優勝を飾ったニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)は、相手と会話しながらレースをしているようだと語った。
「オーバーテイクシステムについては、戦略を立てていてそれに従って使っている部分はあった。それはここで話すことはできないけど、ひとつ言えることは後方のライトも点滅するようになって相手がいつ使っているかというのが簡単にバレてしまう。正直、相手のドライバーと『今タイヤをセーブしているな、仕掛けようとしているな』というのが手に取るようにわかった』というふうに、まるで無線で会話しながらレースをしているようだった」
一方、開幕戦で2位表彰台を獲得した山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)は、この新システムをかなり気に入っている様子。100秒間使えなくなるという部分がポイントだと語った。
「このシステムは本当に凄いなと思います。全世界に発信してもいいんじゃないかなと思います。世の中的にはDRSというものがF1やDTMを中心に主流になっていますが、結局DRSの場合は前のマシンの1秒後方に入らないと有効にならなくて、使える場所も直線だけです。でも、このオーバーテイクシステムは相手の間隔がどうというよりも、1回使ってしまうと100秒間使えないというところがミソです」
「昨年までのシステムでは逃げるために使えたんですけど、今は自分が使った時に相手が使っていなかったりすると、次の周で相手に使われて簡単にオーバーテイクされてしまいます」
「今まで以上に前に集中しつつ後ろにも気を配っていないといけません。こういうレースは身に覚えがないです。本当に新しいオーバーテイクシステムは良く出来ているなと思いました」
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