SF岡山決勝|坪井歓喜の初優勝! 早めのタイヤ交換が功を奏す。セルモ・インギング1-2
岡山国際サーキットで行なわれたスーパーフォーミュラの第2戦は、P.MU/CERUMO・INGINGの坪井翔が優勝。坪井はこれがスーパーフォーミュラ初優勝となった。
写真:: Masahide Kamio
岡山国際サーキットで行なわれた2020全日本スーパーフォーミュラ選手権の第2戦で、坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)が初優勝を飾った。
公式予選終了から2時間半後に始まった決勝レースだが、スタート前から波乱含みの展開となった。
まず8分間ウォームアップが終了したところで笹原右京(TEAM MUGEN)がピット入り口付近でトラブルのためストップ。修復作業に時間がかかりピットスタートとなった。さらにフォーメーションラップ中に11番グリッドの阪口晴南(KONDO RACING)がアトウッドカーブの立ち上がりでクラッシュしてしまい、各車がグリッドについたところでスタートディレイが宣言された。これによりレース周回数は1周減算され、50周で争われることとなった。
仕切り直しのスタートが切られるとポールポジションの平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が好スタートを決めてトップを死守するが、その後方では宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)が出遅れてしまう。この影響により、2番手争いの集団は超接近戦となった。その中で大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)が1コーナーでブレーキをロックさせてしまい、チームメイトの牧野任祐に追突。その外にいたサッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)も押し出される形でのマルチクラッシュとなった。これでマシンを止めてしまったフェネストラズと牧野はリタイアとなり、大湯もフロントウイングを破損してピットで緊急交換を行なった。接触の原因となった大湯にはドライブスルーペナルティが後に科された。
なお1コーナーに止まった2台のマシンを回収するためにセーフティカーが導入された。
このアクシデントの影響で後続の順位は大幅に入れ替わり、坪井翔、石浦宏明のJMS P.MU/CERUMO・INGING勢が2番手と3番手に浮上。さらに15番グリッドスタートだった関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)は、9ポジションアップの6番手と大躍進した。
7周目にレースが再開されると、各所でオーバーテイクシステムを使ったバトルが展開。石浦にニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)がバックストレート終わりのヘアピンで仕掛けるシーンもあったが、追い抜くまでには至らなかった。
10周目に入ってピットストップウインドウが開くと、真っ先に動いたのが山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、宮田、大湯の3台だ。今回義務となっているタイヤ交換を完了しコースに復帰。その翌周には坪井、関口もピットストップを行なった。
この動きを見てか、12周目にはトップの平川もピットイン。タイヤ交換を終えたメンバーの中では最上位でコースに戻ったが、すぐ背後に迫っていた坪井がオーバーテイクシステムを使い、ヘアピインでオーバーテイクを決めた。
これで首位は石浦になった。石浦はレース後半までピットストップを引っ張る作戦で、後続との差を広げる勢いで周回を重ねていった。
レースの折り返しを過ぎた30周目に石浦がピットイン。大きなロスもなくタイヤ交換を済ませ、坪井の前でコースに復帰した。しかし、タイヤが温まりきっていない状態ということでペースが上がらず、その間に坪井が接近。31周目のバックストレートでオーバーテイクシステムをうまく使い、オーバーテイクに成功した。
このまま坪井が逃げるかと思われたが、石浦もペースを取り戻し反撃を開始。34周目のバックストレートで並びかけるが、坪井もチームメイト相手に一歩も譲らない走りを見せ、ポジションを守った。ただこの時点で坪井はオーバーテイクシステムを全て使い果たし、劣勢の展開となったが、ミスのない走りを続けた。
一方、キャシディはレース最終盤までピットストップしない作戦を選び、トップを快走。時よりオーバーテイクシステムを使ってタイムを稼ぎ、後続との差を広げていった。そして残り2周というところでようやくピットイン。タイヤ交換を終えてコースに戻るが、坪井と石浦の先行を許し3番手となった。
レース後半は我慢の展開が続いた坪井だったが、しっかりとトップを死守しチェッカーフラッグ。参戦2年目で初優勝を飾った。2位には石浦が入りJMS P.MU/CERUMO・INGINGがワンツーフィニッシュを飾った。3位にはキャシディが入った。
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