SF 第5戦鈴鹿 決勝|大荒れの展開にも動じず、山本尚貴が今季初勝利
2020スーパーフォーミュラ第5戦鈴鹿の決勝レースは、セーフティカーが3度も出る大荒れの展開となったが、山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がポール・トゥ・ウィンで今季初勝利を飾った。
山本尚貴 Naoki Yamamoto(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
Masahide Kamio
鈴鹿サーキットで行なわれた2020全日本スーパーフォーミュラ選手権の第5戦。決勝レースは終始荒れた展開になったものの、山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が全く動じることなく、トップを死守し、今シーズン初優勝を飾った。
予選終了から3時間に始まった決勝レース。午前中の予選でトラブルに見舞われた平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)は、マシンの修復が完了しウォームアップ走行にも問題なく参加していた。
しかし、ここから決勝レースに向けて数々の波乱が起きた。
スタートに向けて各車がグリッドへの試走中に野尻智紀(TEAM MUGEN)がスプーンカーブ手前でストップしてしまった。マシンは積載車に載せられてグリッドに戻ったが、規定によりフォーメーションラップスタート時には最後尾に回された。さらに2コーナーを立ち上がったところで10番グリッドを獲得していた関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)がトラブルでストップしてしまった。
関口はちょうどコース脇に止まってしまったということもあり、マシンの回収に時間を要したため、一度は全車がグリッドについたもののエクストラフォーメーションラップが宣言され、ポールポジションの山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)を先頭に、再び2周のフォーメーションラップが行なわれることとなった。
各車が順調にフォーメーションラップを消化していたが、今度は大嶋和也(ROOKIE Racing)がトラブルでピットイン。フロントサスペンション周りをメカニックが作業したが、すぐにピットを離れることができ、ピットからスタートを切った。
エクストラフォーメーションラップの影響でレースは2周減算され、全28周で争われることとなり、ようやくレースが開始。好スタートを切った山本がトップを守って1コーナーを通過すると、チームメイトの福住仁嶺がそれに続いた。さらに6番手スタートの小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)がうまくスペースを見つけて3番手に浮上。後方では19番手スタートの平川が5台をオーバーテイクし1コーナーに入っていった。
ダンロップコーナーに入ったところで牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING)がコースオフしスポンジバリアにクラッシュ。他車との接触はなく、何かトラブルが発生してコースオフにつながったようだ。牧野は自力でマシンを降りて無事だったが、マシン回収のためセーフティカーが導入された。
6周目にレースが再開されると、トップの山本はファステストラップを刻みながら2番手以下を着々と引き離した。一方、2番手につけていた福住は10周目に入ったところでギアボックス系のトラブルが発生しスローダウン。そのままピットに戻ってリタイアとなった。
10周目を終えたところで大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)、松下信治(Buzz Racing with B-Max)、ニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)、そして平川の4台がピットイン。その翌周も次々とピットインを済ませる車両が見られた。
トップの山本はレース中盤までコース上に留まって差を広げたが、ピットアウトしてきたタチアナ・カルデロン(ThreeBond DragoCORSE)に引っかかってしまった。山本もマシンを大きく横に振ってアピールする場面が見られた。そこで2周ほどタイムロスがあったが、すぐにペースを戻して18周目にピットイン。チームもミスのない作業で送り出し、トップの座を死守した。
その直後、松下が130Rでスピンしスポンジバリアにクラッシュ。松下に怪我はなかったが、このクラッシュによってレース2度目のセーフティカー導入となった。このタイミングでピットストップを終えていない車両は揃ってタイヤ交換を実施。JMS P.MU/CERUMO・INGINGとKONDO RACINGはダブルストップを敢行していた。
トップの山本に続いて中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)、国本雄資(carrozzeria Team KCMG)の順で23周目にレースが再開されたのだが、その周の終わりで4番手争いが白熱した。
笹原右京(TEAM MUGEN)がシケインでミスをしたところに坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)がメインストレートで並びかけ、さらに平川と小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)もバトルに加わって1コーナーてまで4ワイドとなった。その次の瞬間に笹原が坪井に接触し、スピン状態となった笹原は平川を巻き込む形で1コーナーで激しくクラッシュした。2台とも減速しないままスポンジバリアに突っ込んでしまったが、ふたりとも自力でマシンを降りて無事な姿を見せた。
一方、接触の影響で右フロントタイヤにダメージを負った坪井はピットまで持ってきたが、そこでレースを終えることなった。
これで3度目のセーフティカー導入となり、残り2周のところでレース再開となったが、山本は最後まで集中力を切らさず、セーフティカー解除となった27周目には1分37秒850のファステストラップをマーク。最終ラップもそのままポジションを守りきり、今シーズン初優勝を飾った。2位には中嶋、3位には国本が入り、それぞれ今シーズン初の表彰台となった。
スタート前からトラブルが絶えない大荒れのレース。最終的にチェッカーフラッグを受けたのは13台と、最近では例がないほどのサバイバルレースとなった。
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