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“絶滅危惧種”V8&V10エンジン、再び日の目を見るか。カーボンニュートラル燃料にかかる大きな期待

スーパーフォーミュラで開発テストが進められているカーボンニュートラルフューエル。その開発への道のりは平坦なものではないが、成功に向けて夢が膨らむものとなっている。

SF19開発車両

写真:: Masahide Kamio

 先週末に開幕した2022年のスーパーフォーミュラ(SF)。いきなり今シーズンからの改革の目玉のひとつ、1大会2レースが実施され、土曜日に行なわれた第1戦では平川亮(carenex TEAM IMPUL)が予選3番手から逆転優勝。日曜日の第2戦では野尻智紀(TEAM MUGEN)がポールtoウィン。今シーズンもチャンピオン争いの主役になるであろう二強が星を分ける格好となった。レースレポートについては既報に詳しいが、今回はもうひとつ、これも改革の目玉とされている技術開発について紹介する。

 SFをプロモートする日本レースプロモーション(JRP)では、SFを「モビリティとエンターテイメントの技術開発の実験場」と位置づけ、「カーボンニュートラルの実現に向けた『素材』『タイヤ』『燃料』の実験」、「ドライバーの力が最大限引き出せるエアロダイナミクスの改善」、「エンターテイメントの魅力向上に繋がる車両開発」という3つのテーマで技術開発が進められていくと発表されている。その第1回目となる開発テストが今回、開幕戦(第1戦&第2戦)富士のレースウィークが始まる前、6日(水)と7日(木)の2日間で実施された。

 今回我々が注目したのは、掲げられた3つのテーマのうち、「カーボンニュートラルの実現に向けた『素材』『タイヤ』『燃料』の実験」という部分だ。中でも「燃料」に関しては多くのメディアからも高い関心が寄せられていたように感じた。

 今回のテストで用いられたのは、いわゆるカーボンニュートラルフューエル。これは地球温暖化の原因とされている二酸化炭素の排出量を抑えるための、ひとつの解と考えられている燃料で、バイオエタノールを配合するバイオ燃料から、水を電気分解したH2(水素)と二酸化炭素(CO2)を合成して生成したeフューエルまで、様々な次世代燃料の総称とされている。

 開発テストは端緒についたばかりで、今回どんな方向性や組成の燃料を使ったのかは明らかにされていないが、カーボンニュートラルフューエルはスーパーGTでもトヨタと日産、ホンダなどの自動車メーカーと共同でテストが進められ、2023年シーズンからは実際にレースに導入することが予定されている。またスーパー耐久(S耐)シリーズでも、トヨタとSUBARU、マツダの3メーカーがバイオ燃料などを使用して、レースに参戦しながら開発研究を進めている。

 JRPの開発テストでテクニカルアドバイザーを務めている永井洋治はテスト後の囲み取材で、あくまでも個人的な見解、としながらも「本当にカーボンニュートラルフューエルが開発できればV8とかV10とか、そういった思い切ったこともできると思います」とコメントしたことは、本サイトで既報の通り。しかしこれについて気になったので、9日(土)に行なわれたJRPサタデーミーティングの後で個人的に、その趣旨を聞いてみた。

 永井氏曰く「今では(燃費などを気にするようになったため)市販車でもレーシングカーでも、V8とかV10を選べなくなってしまいました。でもカーボンニュートラルフューエルが実現したら、(パワーを重視する)レーシングカーでなら(V8やV10の)開発が許されるんじゃないか、そんな想いです」とのこと。永井氏はかつてTRDで、車両開発のプロジェクトリーダーだった人物。スーパーGTでは日産やホンダを相手にパワー競争に励み、その一方でSFではホンダとの協調路線でドライバーズレースを展開させた張本人である。大のレース好きだけに、レースが市民権を得るために頑張っている一方で、エンジニアとしてはマルチシリンダーの開発にも思いが及んでいるのだろう。

 そんな中で永井氏が「そこがゴール」ととらえているのがeフューエルだ。当然燃焼特性はガソリンとは異なるため、マッピングなどエンジン側の調整も必要であろう。また生成するための大規模なプラントも国内には存在しないため海外から取り寄せねばならず、その価格は非常に高価だ。実用化までには、まだまだ長い道のりが残されている。

 それでもモータースポーツが社会に役立つとしたら、永井氏でなくともウェルカムなはず。しかもV8とかV10などのマルチシリンダーのエキゾーストノートを聞ける、と思っただけでも興奮はMAXに跳ね上がろうというもの。これはもう、現場の開発技術者さんたちには頑張ってもらうしかないだろう。

 
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