スーパーフォーミュラ 第7戦:もてぎ
“終わった”と思ったスタート直後……蓋を開ければ8点差のランキングトップでSF最終ラウンドに向かう宮田莉朋「今回ほど悩むことはないはず」
ポイントリーダーとして2023スーパーフォーミュラの最終ラウンドに臨む宮田莉朋。引き続きチームと共にベストを尽くすのみだとしたが、もてぎラウンドほど苦戦することはないはずだと考えている。
戎井健一郎 Jamie Klein
公開日時: 2023/08/21 10:29
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「スタートでアンチストールに入った時は『終わった』と思いました」
モビリティリゾートもてぎで行なわれたスーパーフォーミュラ第7戦をそう振り返るのは、VANTELIN TEAM TOM’Sの宮田莉朋だ。彼はその時、タイトル争いのライバルであるリアム・ローソン(TEAM MUGEN)に二桁点差をつけられてしまう未来が思い浮かんだという。しかし終わってみれば、宮田はローソンに対して8点の差をつけて、2023年スーパーフォーミュラの最終ラウンドをポイントリーダーとして迎えることになった。宮田にとって、第7戦もてぎはまさに激動のレースウィークとなったのだ。
ローソンを1点リードした状態でもてぎに乗り込んだ宮田だったが、もてぎは特に相性の悪いコースであり、昨年の予選では「真面目に走ってビリ」だったこともあって自信を持てていなかった。
迎えた予選は、グリッド4列目に沈む8番手。一方ライバルのローソンは3番手で、彼らふたりを20点ビハインドで追う野尻智紀(TEAM MUGEN)がポールポジションを奪取した。予選を終えた宮田は、苦手なもてぎで8番手に入れたことはポジティブだとしながらも、タイトル争いについてはやや後ろ向きなコメントが目立っていた。
そして決勝レースでは、スタート時にアンチストールに入ってしまったことにより失速。ギヤが1速に入っておらずに立ち往生していた2番グリッドの太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)と共に、最後尾に回ってしまった。そして野尻とローソンのふたりは先頭で1コーナーを抜けていく……宮田にとっては絶望的な状況だった。
しかしその状況はほんの数秒で一変することになる。野尻の前に出ようと、アウト側から2コーナーを立ち上がったローソンが、縁石でコントロールを乱してスピン。それを避けようとした後続のマシンによって多重クラッシュが起き、レースは赤旗中断となった。ローソンはマシンの修復が叶ったものの、宮田のさらに後ろのポジションからレース再開を迎えることになり、赤旗中のピットインによるドライブスルーペナルティも受けることになった。
17番手でレース再開を迎えた宮田は猛然と追い上げていき、ピットウインドウがオープンするまでの間に12番手にポジションアップ。前を行くマシンが続々とピットに向かう中でステイアウトし、安定したペースで走り続けた。
「(自分が)ピットに入るまでは、早くみんなにピット入って欲しいと思っていました。争えば争うほど双方が時間を無駄にしてしまうので、譲って欲しいですよね(笑)」と冗談めかして語る宮田。37周のレースの30周目までピットインを引っ張り、4番手でコースに復帰。最後は3番手の大湯都史樹(TGM Grand Prix)を追い詰めたが届かず、4位でフィニッシュした。
ローソンがノーポイントに終わったため、8点リードした状態で鈴鹿サーキットでの最終ラウンド(第8戦・第9戦)に向かう宮田。もてぎでは想定以上に力強くレースを戦うことができたと振り返った。
「去年はストラテジー関係なく、(グリッド後方から)リカバリーできるほどのペースがありませんでした。だから追い上げる自信はなかったので、スタートでアンチストールに入ったのは残念でした」
「ただ、今回は蓋を開けてみれば思ったよりも良くて、力強く走ることができました」
まさかポイントリーダーで鈴鹿に向かえるとは全く思っていなかったという宮田は、自身初のタイトルがかかる最終ラウンドに向けて次のように意気込んだ。
「もてぎを4位で終えられたのは想定外でした。今回はみんなのおかげでリカバーできたので、鈴鹿もみんなと一緒にリカバーするだけです」
「鈴鹿をポイントリーダーとして迎えられるのは大きいですし、チーム、TCD、TGRの皆さんに感謝です。鈴鹿は初優勝したサーキットなので、今回ほど悩むようなこともないと思います。自信を持って臨みたいです」
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