スーパーフォーミュラ 第8戦・第9戦:鈴鹿
予選から早くも繰り広げられたTEAM MUGENの心理戦。ローソンのブロックにイライラしていた野尻「それをするなら僕も“トラップ”を仕掛けないとと思った」
スーパーフォーミュラ第8戦鈴鹿の予選Q2では、TEAM MUGENの2台による心理戦が繰り広げられた。野尻智紀は、アウトラップでリアム・ローソンに前に出られてしまったことには苛立っていたというが、自身も何かを仕掛ける必要があると感じたという。
戎井健一郎
編集: 2023/10/28 4:19
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宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)、野尻智紀(TEAM MUGEN)、リアム・ローソン(TEAM MUGEN)による三つ巴のタイトル争いとなった今季のスーパーフォーミュラ最終ラウンド(第8戦・第9戦)では、同一チームで共に王座の可能性を残す野尻とローソンの争いが注目されていたが、土曜日に行なわれた第8戦の予選から早速、緊張感の高まるようなシーンが見られた。
野尻とローソン、そしてポイントリーダーの宮田は、金曜のフリー走行から上位タイムを記録し、好調ぶりを見せていた。迎えた予選でも3人共Q2に進出し、Q2のアタックでは特に野尻とローソンがポールポジションに匹敵しそうなタイムを刻みながら最終セクターに向かっていた。
しかし、時を同じくして後続の佐藤蓮(TCS NAKAJIMA RACING)がコースオフ。セッションは赤旗中断となり、野尻、ローソンをはじめ誰もアタックラップを完遂することはできなかった。後にセッションは残り3分に巻き戻されて再開されることになるが、そこに向けてのタイヤ選択はTEAM MUGENの中でも分かれることになった。
Photo by: Masahide Kamio
Tomoki Nojiri, TEAM MUGEN
野尻が新しいタイヤ(野尻曰く、完全な新品タイヤではないものの「どこかで転がしただけ」のタイヤ)に交換した一方で、ローソンは直前のアタックで使用したタイヤをそのまま使用することになった。そして両者は野尻、ローソンの順でコースに出たが、2コーナーの手前でローソンが野尻を追い抜いたのだ。
以降、隊列の先頭に立ったローソンはペースをコントロールし、スロー走行を挟みながらアウトアップを周回した。途中、ローソンはヘアピン立ち上がりで平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)を前に行かせたものの、野尻が追いつこうとすると加速するといった場面もあった。
野尻はバックストレートで激しくマシンを左右に振ってタイヤを温めながらローソンのミラーに姿を見せ、苛立ちを募らせているように見える場面もあった。しかしながらその後のアタックでは野尻がポールポジションを獲得。ローソンは7番手に終わった。
「ありえないよ、マジであいつ。ヤバいよ」
無線でチームにそう吐露していた野尻。予選後記者会見では当時の状況をこう語った。
「(1コーナーで)右のミラーを見て『いないな』と思っていたら左にいました。完全に抜きに来ていましたね。彼のタイヤは温まっていたので、前に出て状況を自分のコントロール下に置きたかったのだと思います」
「彼は後続を抑えながら調子を出させたくないという思いがあったと思いますが、そこでお互いの思いが交錯したのだと思っています。自分としてはアンフェアだと思う部分もありますが、最終戦ならではの、こういったバチバチした雰囲気も楽しめる要素ではないかと思います」
野尻はアウトラップでのローソンの動きに不満を感じていたことを隠すことはなく、アタックアップ中も途中までそのイライラが続いていたと明かしたが、スロー走行するローソンの後ろで黙っている見ているわけにはいかないと感じたという。
「確かにすごくイライラしていました。バックストレートで接近しましたが、彼がそれをするんだったら、僕だってトラップというか、いじわるなことをしないといけないと思いました。ただ後ろで大人しくいるだけでは自分のレースが終わってしまいますから」
「彼が罠に引っかかることもあるかもしれないですしね。だから近い距離で走っていましたが、正直ぶつかりそうでしたね……(笑)。レース終わったら和解はしたいですけど(笑)」
「タイヤ(のピークグリップ)が来ていないのは分かっていたので、1コーナーに入る時は諦めに近いものがありました。なんとかセクター1だけ凌ぐことができればと思っていましたが、1コーナーから2コーナーもイライラしてましたし、S字でアンダーが出た時もイライラしていましたが、セクター2くらいからうまく走れるようなフィーリングがあったので、そういったマインドは無くなりましたね」
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