スーパーフォーミュラ 第8戦・第9戦:鈴鹿
トムスの宮田、MUGENのローソン&野尻……三つ巴タイトル争いは“2対1”の様相。2台で挑めるTEAM MUGENは果たして有利なのか?
鈴鹿サーキットで行なわれるスーパーフォーミュラの最終ラウンドは、VANTELIN TEAM TOM’Sの宮田莉朋、TEAM MUGENのリアム・ローソンと野尻智紀による三つ巴のタイトル争いとなる。TEAM MUGENは2台でポイントリーダーの宮田に挑むことになるが、この点を関係者はどう捉えているのか?
戎井健一郎
公開日時: 2023/10/27 12:09
Copy link
Viberでシェア
Google検索でmotorsport.comをお気に入り登録

10月28日、29日に鈴鹿サーキットで、スーパーフォーミュラの最終ラウンドが開催される。第8戦、第9戦の2レースが開催される今大会には5人のドライバーはタイトルの可能性を残しているが、得点差を鑑みると実質的には宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S/94ポイント)、リアム・ローソン(TEAM MUGEN/86ポイント)、野尻智紀(TEAM MUGEN/84ポイント)の3名による三つ巴の戦いとなる。
今季のタイトル争いは、近年稀に見るシチュエーションで最終決戦を迎えた。そもそも、同チームのドライバーがチームメイト同士で勝利を分け合い、タイトル争いのライバルとなるケースも近年にはなかったことだ。しかもそのふたりの前には、他メーカーのドライバーがポイントリーダーとして立ちはだかっている。
2台でタイトル争いに加わっているTEAM MUGENにとっては、見方によっては宮田に対して“2対1”の戦いを仕掛けることができるため優位なようにも見えるし、また違う見方をすればチームメイトバトルに集中するがあまり足元をすくわれるリスクもあるように見える。実に複雑な状況に思えるが、当事者たちはこれをどう捉えているのか?
「個人的にはポジティブだと思います」と答えるのは、ローソン担当の小池智彦エンジニアだ。
「レースウィークに向けては、宮田選手と点差が離れていることが気になります。だからこそ予選ポイントを取られたくないですが、そう考えると2台で予選3番手以内に入ることができればポイントを取られづらくなるので、そこに取り組みます」
このように、2台で予選上位に食い込むことで、宮田に予選トップ3に与えられるボーナスポイントを与えず、逆に自分たちが加点して点差を縮めるという展開に持っていきたいと語る小池エンジニア。実は宮田自身もこの展開を懸念しており、「このふたり(ローソンと野尻)で予選トップ2を占めちゃったら彼らのレースになると思います」と語っていた。
また、前戦もてぎでマルチクラッシュに絡み、リヤにダメージを受けたローソン車はサスペンション周りなどを交換しており、それを機にセットアップも一新しているというが、「最終的にダメだったら、1号車(野尻)のセットアップを真似すれば良いので」と小池エンジニアは語る。これも強力な2台体制のメリットと言えるかもしれない。
また野尻担当の一瀬俊浩エンジニアは、2台でタイトルを争う上でのデメリットとして、2台同時に同じ周回にピットインする、“ダブルピットストップ”を強いられるシチュエーションが出てくるかもしれないことを指摘した。
「セーフティカーが出た時に2台目(後ろにいる方)が割りを食うのが怖いですね」
「鈴鹿のレースは31周しかないので、例えば(ピットウインドウがオープンとなる)10周目にセーフティカーが出ていた時は(再開直後に)入るのがセオリーになると思います。そんな時、2台が近い場所にいたら、2台目は(同時のピットストップにより)10秒近くロスをすることになってしまいます。それはしょうがないことですけどね」
また、やはりチームメイト同士でのタイトル争いで2台が接近して争うとなると、同士討ちのリスクも否定できない。第7戦もてぎではスタート直後に野尻とローソンが競り合った結果、ローソンがスピンし、それが多重クラッシュの引き金となった。
ただ、基本的にTEAM MUGENは鈴鹿戦でも2台を自由に競わせる方針のようだ。一瀬エンジニアはこう語る。
「現時点では(チームオーダーは)ありません。例えば、明日の第8戦でどちらかのドライバーがノーポイントになり、宮田選手との1対1の状況になれば、必要かなとは思いますが……」
小池エンジニアも、基本的にチームオーダーはないと話す。
「このチームはチームオーダーが出ないので、基本的には2台で普通に戦います」
「スタッフがやることは、良いクルマを作ってミスのないオペレーションをすることだと思っています。そこから先のコース上での争いはドライバー同士の問題なので、そこは本人たちに頑張ってもらうだけですね」
金曜のフリー走行を終え、TEAM MUGENは野尻がトップ、ローソンが4番手と共に好タイムをマークした。決勝レースでも2台が近い位置でレースを進めることが予想されるが、ガチンコの勝負が見られることになりそうだ。野尻はフリー走行前の記者会見の中で冗談めかして次のように語っていた。
「ここまでTEAM MUGENで5勝していますが、一応まだリアムとは友達でいると思っているので……(笑)」
「この2日間でどうなるかはわかりませんが(笑)。でもレースが終わったらまた仲直りができると思います。お互いベストを尽くして、最後に良い握手がしたいですね」
あなたの意見が聞きたい!
Motorsport.comで何を見たいですか?
5分間のアンケートにご協力ください。
- Motorsport.comチーム
関連ニュース :
記事をシェアもしくは保存
Copy link
Viberでシェア
前の記事 フォーミュラの経験はリージョナルとF3を少し。いきなりのスーパーフォーミュラ初走行も順調にこなして見せた大草りき。目標は予選Q1突破「一発の速さを見てほしい」
次の記事 野尻智紀が今季4度目のポールポジション獲得! 宮田が2番手に続く……ローソンは7番手に沈む|スーパーフォーミュラ第8戦鈴鹿予選結果
More from
戎井健一郎

DENSO SARD、SUGO戦は今年も勝利まであと一歩届かず。「燃料の問題がなければ、優勝争いできたはず」とフェネストラズ
スーパーGT
スーパーGT
第6戦:SUGO
3 日前
DENSO SARD、SUGO戦は今年も勝利まであと一歩届かず。「燃料の問題がなければ、優勝争いできたはず」とフェネストラズ

タイヤ無交換で19番手から2位! GT300王座争い大量リードのリアライズ。しかしオリベイラ「こんな“ジョーカー”毎戦使うわけにはいかない」
スーパーGT
スーパーGT
第6戦:SUGO
3 日前
タイヤ無交換で19番手から2位! GT300王座争い大量リードのリアライズ。しかしオリベイラ「こんな“ジョーカー”毎戦使うわけにはいかない」

GT500ホンダ陣営、怒涛の3連勝でプレリュードは“シビック超え”。ランキングも2〜4番手に「最強パッケージに全力でチャレンジしていく」
スーパーGT
スーパーGT
第6戦:SUGO
4 日前
GT500ホンダ陣営、怒涛の3連勝でプレリュードは“シビック超え”。ランキングも2〜4番手に「最強パッケージに全力でチャレンジしていく」
最新ニュース

苦戦ウイリアムズ、バクーで“ほぼBスペック”マシン投入も「開幕時にあるべきだったモノ」とサインツ……失敗すれば誰かの首が飛ぶとの声も
F1
F1 F1
アゼルバイジャンGP
22 分前
苦戦ウイリアムズ、バクーで“ほぼBスペック”マシン投入も「開幕時にあるべきだったモノ」とサインツ……失敗すれば誰かの首が飛ぶとの声も

中東戦中止に備える『プランB』イモラの設営にGOサイン判明。最終判断は10月中旬に?
F1
F1 F1
アゼルバイジャンGP
37 分前
中東戦中止に備える『プランB』イモラの設営にGOサイン判明。最終判断は10月中旬に?

ノリス、アゼルバイジャン初日のペース不足に悩む「心臓にナイフを突き刺されたような気分」
F1
F1 F1
アゼルバイジャンGP
49 分前
ノリス、アゼルバイジャン初日のペース不足に悩む「心臓にナイフを突き刺されたような気分」

凱旋トヨタ、平川亮のドライブで8号車が最速発進。7号車は8番手|WEC富士6時間FP1
WEC
WEC WEC
Fuji
49 分前
凱旋トヨタ、平川亮のドライブで8号車が最速発進。7号車は8番手|WEC富士6時間FP1
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。
次の 2 つのオプションがあります。
- サブスクライバーになります。
- 広告ブロッカーを無効にします。
購読中 すでに購読していますか? ここからサインインします
広告ブロッカーを無効にしましたか?
ページをリロード
お知らせの管理
登録