スーパーフォーミュラ 第8戦・第9戦:鈴鹿

“孤独感”と戦い、スーパーフォーミュラ王座を勝ち得た宮田莉朋。来る海外挑戦に向けても意気込み「日本のレベルを証明するため、外国人相手にもナメられてはいけない」

2023年のスーパーフォーミュラ王者に輝いた宮田莉朋。トヨタ陣営を代表してTEAM MUGENのふたりと戦うことで、人知れず心細さを感じていたという。

公開日時: 2023/10/29 14:14

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Ritomo Miyata, VANTELIN TEAM TOM’S

 2023年シーズンのスーパーフォーミュラのシリーズタイトルは、VANTELIN TEAM TOM’Sの宮田莉朋が獲得した。今季リアム・ローソンと野尻智紀で6勝を記録したTEAM MUGENを相手にしての、悲願の初タイトル獲得となった。

 最終戦となった第9戦で、ポイントリーダーの宮田は予選で4番手を確保。ローソンがポール、野尻が3番手と、TEAM MUGENの2台には及ばなかったが、グリッド2列目につけた。

 予選Q2のアタックで宮田はスプーンの出口でリヤを滑らせ、危うくトラックリミットを逸脱しそうになる場面があった。これについて彼はレース後の会見で、予選で前方のグリッドを確保するためには攻める必要があったと説明した。

「Q1終わってセクタータイムを分析しましたが、『これ以上全開で曲がれないんですけど』というくらい(のスピード)で曲がったはずなのに2番手だったので、これは守ったらダメだと思いました」

「クルマもチームもドライバーも今あるパフォーマンスの100%のところに来ていました。その中でアタックをうまく決めたはずがタイム差があったので、予選は無理だと思いました。一番速いのはコーナーを全開で走ることなので、ミスを恐れずに踏んだら後ろが滑っちゃいましたが、ギリギリ4脱も免れました。攻めた結果ああなったんです」

 4番グリッドから迎えたレースでは、ポジションを上げないとタイトル争いは厳しいと語っていた宮田。実際、2位以上に入れば自力でのタイトルが決まる宮田だったが、4位以下に終わりローソンが優勝すると、ローソンにタイトルを奪われる状況だった。しかしスタートで野尻を攻略して3番手に上がると、そのまま3位でチェッカー。ローソンは2位、野尻は4位に終わり、宮田のタイトルが決まった。

 フル参戦3年目での悲願のタイトル獲得について、宮田はこう語った。

「まずはチャンピオンを獲れて、TGRの皆さん、チーム、スポンサーの皆さん、ファンの皆さんに感謝しています」

「チャンピオンを獲るのは決して楽ではなかったですし、正直獲れるとは思っていませんでした。ただここ鈴鹿(での第3戦)で初優勝できて、クルマにも自信がつきましたし、メンタリティの部分でも自信がつきました」

「そして今年からTGRのWECのプログラムにも参加して海外に行くことが増えて、自分が何をすべきかがより見えました。自分は世界に行きたいという思いでレースを始めたので、それが原動力になったと思いますし、こうやってチャンピオンを獲れて嬉しいですしホッとしています。トヨタエンジン勢でも久しぶりのタイトルだと思うので、そういう意味でも誇りに思います」

 鈴鹿での最終ラウンドに向けては、緊張もしていたという宮田。TEAM MUGEN、ホンダ陣営の強さを感じているからこそ、心細さもあったと明かした。

「前回鈴鹿で優勝した時はトヨタの1-2-3でしたが、今回の鈴鹿は1-2-3どころかQ2が全車ホンダエンジンになるんじゃないかというくらい危機感を持っていました。これは僕がTGRのドライバーのひとりとしてタイトルを争っているからこそ感じることです」

「本当に僕はチャンピオンを獲れない、無理だと思っていました。しかも今回もホンダが予選で1-2-3を占めて、しかもTEAM MUGENがチームオーダーを出すかもしれないと言っていたので……(笑)。TEAM MUGENさんは本当に強いですし、僕はひとりになっちゃったので心細かったです」

「だから僕は決勝前にチームに『トヨタエンジンユーザーで優勝しているのは自分たちだけだし、チャンピオン争いも引っ張ったし、チャンピオンを獲れたら最高だけど、獲れなかったら何がダメだったかを考えたりせずに、やり切ったと思えるようなレースにしよう』と言いました。自分たちのベストを尽くすこと、それしかなかったです」

 今季からTGR WECチャレンジドライバーとなり、来季以降は本格的な海外挑戦が始まると言われる宮田。日本のチャンピオンとして、スーパーフォーミュラのレベルの高さを世界に示したいと意気込んだ。

「海外に行くと、ただアジアから来た日本人だと思われるし、スーパーフォーミュラのチャンピオンといっても『あなた誰ですか』という感じです。僕はそれを変えたいです」

「昔はトップフォーミュラでチャンピオンを獲るとF1やWECのチャンスがあったと思いますが、それを考えると今の現状は悔しいです。今後どういった形で世界に行けるかは分かりませんが、日本人、スーパーフォーミュラのレベルの高さを証明するためにも、相手が外国人でもナメられてはいけないという気持ちを持ちたいです」

 

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