スーパーフォーミュラ 第8戦・第9戦:鈴鹿

中嶋悟以来のトップフォーミュラ3連覇はならず。野尻智紀、来季以降は海外挑戦にも意欲……アロンソ引き合いに「僕も34歳で一番良い状態にある。まだ先はある」

2023年のスーパーフォーミュラでランキング3位に終わり、シリーズ3連覇を逃した。来季以降は海外カテゴリーも視野に「色々な挑戦をしたい」と述べた。

戎井健一郎

編集: 2023/10/30 3:00

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Tomoki Nojiri, TEAM MUGEN

 宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)、野尻智紀(TEAM MUGEN)、リアム・ローソン(TEAM MUGEN)による三つ巴のタイトル争いが繰り広げられた2023年のスーパーフォーミュラ。野尻智紀は最終戦で4位に終わり、宮田、ローソンに次ぐシリーズ3位に終わった。全日本F2時代の1984年〜1986年に中嶋悟が達成した国内トップフォーミュラ3連覇を37年ぶりに成し遂げることはできなかった。

 野尻は第3戦鈴鹿で接触リタイア、第4戦オートポリスで病欠となり、2レースを落としたことでタイトル争いにおいて劣勢に立たされた。その後2度のポール・トゥ・ウインで猛追したが、ローソン、太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)に次ぐ予選3番手からスタートした最終戦では、スタート直後の2コーナーで宮田にも交わされ、以降は上位に匹敵するペースを出せず、4位に終わった。

「あそこ(スタート)がすべてだったような感じもしますね」

 そう語る野尻は、ポールポジションから逃げのレースを展開するという得意のパターンに持ち込めなかったことが大きかったと考えている。

Tomoki Nojiri, TEAM MUGEN

Photo by: Masahide Kamio

Tomoki Nojiri, TEAM MUGEN

「チームメイト同士でタイトルを争うということは、必然的にどうしても意識してしまうので、後ろにいると大変なところもあるし、駆け引きの線引きがなかなか難しく、やりにくさも感じていました。少なくとも予選で前にいけなかったというところで流れを作れなかったという印象です」

「実際に僕が宮田選手の前に出ていれば、総合的な結果が違っていたのかなということを考えると、最終的に本当に小さなところでシリーズの結果が変わるという状況だったと思いますし、そういう小さな積み重ねができなかったなと思います」

 スタートで4番手に落ちてからのペースも上がらなかった野尻。ライバルとは違いレース終盤までステイアウトすることで、運が味方することに賭けた部分もあったという。ただ最終的にセーフティカー出動のようなラッキーも起きず。「基本的な速さも足りなかった。今日に関しては本当に力負けというような感想です」と語る。
 
「もちろんすごい悔しさはあります。3連覇に到達するためにはまた2連覇しなくちゃいけないという壁みたいなものをすごく感じますね」

「また同じようなことに挑戦するために、頑張らなきゃなと思います」

 改めてシーズンを振り返るよう求められ、野尻は次のように語った。

「非常にアップダウンがあったなと思います。僕も過去そうでしたが、シリーズタイトルを獲る上で『これがなければ』というものを残してしまうとやはり苦しいです。そういった意味で第3戦の鈴鹿、大湯選手とのクラッシュというのは本当に大きかったんじゃないかなと思います」

「病気のことはありますけどもそれは致し方ないとして、しっかりとチャンピオン争いまでカムバックはできたので、それは応援してくださったみなさんの力かなと思います」

「今年のタイトルは厳しくなってしまったと正直自分でも思っていましたけど、たくさんの方々に支えられたので、タイトルを獲った時以上にそのありがたみが身にしみてわかったシーズンだったなと思います」

 ここ数年、連覇へのプレッシャーと戦い続けた野尻は、これで来季から文字通り“仕切り直し”のシーズンを送ることになるだろう。これによって自身が目指すものは何か変わってくるのかと問うと、野尻は今後海外カテゴリーも含めて「色々なチャレンジをしてみたい」と語った。

「リアムが(スーパーフォーミュラに)来てくれて、F1でも走りましたよね。宮田選手も平川(亮)選手もそうですけど、『わりと変わらないんだな』というのが率直なところで、日本じゃないところでのチャンスもあればいいなと思います」

「あとはここ最近、ドライバーの年齢が若くないと……というところがあるので、そういったところが少しでも変わるような取り組みやチャンスがあったら僕はそこに全力で挑んでいきたいなと思います」

 最後に野尻は、42歳ながら今もF1の第一線で戦うフェルナンド・アロンソを引き合いに出し、こう語った。

「アロンソだって……ね! 僕は今34歳で一番良い状態にあると思うので、まだまだ先はあるなと思っています」

 

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