インタビュー
スーパーフォーミュラ
ひたすらに、今をがむしゃらに……富田鈴花が“全開”で駆け抜けた怒涛の2023年。スーパーフォーミュラでの次なる野望は日向坂46全員での国歌斉唱?「いつかはみんなで」
鈴鹿サーキットで行なわれたスーパーフォーミュラ最終戦で、国歌独唱という大役を務め上げた日向坂46の富田鈴花。その緊張の舞台裏と、スーパーフォーミュラ広報大使としての1年で感じたことについて語った。
戎井健一郎
編集: 2023/11/21 3:29
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10月29日、快晴の鈴鹿サーキットで開催されたスーパーフォーミュラ第9戦。チャンピオンの行方が決まるシリーズ最終戦ということもあり、スターティンググリッド上はいつになく緊張感が漂っていた。そんな中で、レースを戦うドライバーと同等……もしくはそれ以上に緊張した面持ちでグリッド上に立っていたのが、国歌独唱を前にスタンバイする日向坂46の富田鈴花だった。
モータースポーツ好きの母から鈴鹿サーキットにちなんで「鈴花(すずか)」と名付けられた富田にとっては、昨年スーパーフォーミュラの番組『GO ON! NEXT〜サーキットで会いましょう〜』のMCに就任したことが全ての始まりであった。現地でのスーパーフォーミュラ取材をスタートし、同年の最終ラウンドで鈴鹿サーキットを初訪問。決勝レース直前には、各車が一斉にエンジンをかける際に合図を送る“スタートコマンド”も担当した。
今シーズンはスーパーフォーミュラの“広報大使”に就任。今季からシリーズの放送を開始したABEMAでレース中継のゲスト、そして情報番組『サーキットで会いましょう』のMCとしてシーズンを通して活躍した。そしてその集大成とも言えるのが、今回の国歌独唱だ。スーパーフォーミュラで現役女性アイドルが国歌独唱を担当するのは初だという。
「ここ最近で一番の心拍数でした。心臓が飛び出るかと思いました」
Photo by: JRP
富田はそう振り返った。普段から緊張しがちではあるものの、その緊張があまり表には出ないタイプだと言う富田。しかし今回ばかりはそうもいかなかったようだ。
その歌唱力を活かし、日向坂46のライブはもちろん、テレビ番組のカラオケ企画などでも活躍する富田だが、25000人以上を動員した鈴鹿サーキットのスターティンググリッド上という、普段のステージパフォーマンスとは異なる景色の下で、しかも披露するのは国歌『君が代』……計り知れないプレッシャーと緊張感があったはずだ。ただ、今夏にミュージカルに初挑戦したことが、この大役を乗り切る上でプラスになったという。
「このお話をいただいた時は現実味がなさすぎて……自分の中でたくさんイメージトレーニングをしてきたのですが、国歌を25000人以上の方の前で歌うということが想像できず、どのくらい緊張するのかも想像できませんでした」
「レッドカーペットの上に立って、ドライバーさんやファンの方の前で歌うとなった瞬間、心臓が飛び出るかと思うくらい緊張しました。ただ、今年初めてミュージカルをさせていただいたという経験もあったからか、『うまく歌おう』というよりは、『誰かの心に届いたら良いな』という気持ちで臨めました。そういう心持ちは、自分の今年1年の成長を通して培った部分だと思います」
「リハーサル通りにはできなかったので、直後は『あ〜悔しい!』と思うところも少しありましたが、それも含めて私らしいかなと思えた1日でした」
国歌を歌い終えた直後、スーパーフォーミュラを主催する日本レースプロモーションの近藤真彦会長から声をかけられ、感極まる場面もあった富田。非常に貴重な経験ができたという感謝の気持ちに加え、いつかは日向坂46として、グループの全員で同じ景色を見たいという思いがあるという。
「今回サーキットで歌うという、なかなかない経験をさせていただきました。もちろん、ひとりで歌うこともありがたいことでしたが、いつかはグループで歌いたいと思っています。日向坂46のみんなにも、ぜひサーキットでレースを見てもらいたいです」
国歌独唱を終えた直後には、日向坂46のメンバーからメッセージが来たとのこと。「メンバーみんながそれぞれ、お互いのやっているお仕事活動に興味を持ってくれていることがすごく嬉しいです」と富田は目を細める。
■富田を通して生まれた『日向坂46』と『モータースポーツ』の接点。「お互い手を取り合って魅力を広めていけたら」
Photo by: Masahide Kamio
日々のアイドル活動に加え、前述のミュージカルやテレビ出演、そしてスーパーフォーミュラ広報大使の活動と、怒涛の1年を送った富田。「怒涛すぎてあまり記憶がないんですけど……(笑)」と苦笑するほどだが、「全ての活動に対して言えるのは、今後の自分の人生を考えてやっているということは正直全くなくて、今を生きているということ。日向坂46に所属しているからこそできることばかりですから」と力強く語る。
ただそんな怒涛の1年の中でも、スーパーフォーミュラ広報大使としての活動を通して感じた反響は数多くあり、知人と話す中でスーパーフォーミュラの話題が出てくることもあったという。
「モータースポーツに関しては、F1は知っているという方は多くいらっしゃると思います。そんな中で、日本最高峰のレースであるスーパーフォーミュラがどれだけ盛り上がっているのか、その名前も含めて去年以上に伝えられたのではと思います」
「友人や知人も(富田がMCの)番組をやっていることを知ってくれていて『あの選手すごいね』や『リアム・ローソン選手ってF1でも走っている人なんでしょ?』などといった反響もありました」
さらに鈴鹿での最終大会では、富田がデザインしたイラストの入った『サーキットで会いましょう』オリジナルグッズが現地で販売されるなど、富田や日向坂46のファンがサーキットに来場したくなるような施策もあった。富田はまさに、モータースポーツ界と日向坂46の橋渡し役になっていると言えるが、彼女は今後も相乗効果でお互いの魅力を広めていけるような関係性でありたいと語った。
「活動を通して『日向坂46というグループには、色んなジャンルで輝いている子がたくさんいる』」ということを知ってもらいたいのももちろんですし、その一方で、ファンの方が実際にサーキットに足を運んでくださり、たくさんの方がスーパーフォーミュラを好きになってくださったと思います」
「相乗効果と言いますか、お互いが手を取り合って魅力を広めていけるような存在になれたらと思います」
ちなみに、日向坂46の公式YouTube『日向坂ちゃんねる』では『富田、車を買う』という企画が進行中。マイカーを手にした暁には、山形県の銀山温泉に行ったり、ひとりキャンプに挑戦したりと、遠出をしたいという富田。いつかはサーキット走行用のライセンスを取得し、サーキットに繰り出してみたいとの野望も聞かれた。国歌斉唱然り、自身の野望を次々と叶えている感のある富田だが、2024年はどんな話題を提供してくれるだろうか?
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