スーパーフォーミュラ 第1戦:鈴鹿

選手生命脅かすクラッシュから半年……山本尚貴、過酷なリハビリ生活の報いは鮮やか3位表彰台「お世話になった人たちに『助けてもらってありがとう』と言いたい」

スーパーフォーミュラ開幕戦鈴鹿で3位表彰台を獲得した山本尚貴。苦しいリハビリを経ての復帰戦で好結果を手にできたことで、お世話になった人たちに恩返しができたと語った。

戎井健一郎

公開日時: 2024/03/10 13:23

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Naoki Yamamoto, PONOS NAKAJIMA RACING

「首が持ってくれて良かったです」

 スーパーフォーミュラ第1戦鈴鹿で3位表彰台を獲得した山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING)は、チェッカー後のインタビューで感極まった様子でそう口にした。

 昨年9月のスーパーGTでのクラッシュにより、「外傷性環軸椎亜脱臼」「中心性脊髄損傷」という選手生命や命をも脅かすような大怪我を負った山本。現役続行のために手術を決断し、年明けにはスーパーGT車両に乗り込んでテストにも参加していたが、2月のスーパーフォーミュラ合同テストの際には、速度域も高く肉体的な負荷も大きいスーパーフォーミュラ車両に乗ったことで痛みも少なくなかったようで、3月の開幕戦に向けてフィジカル面に対する不安も漏らしていた。

 しかしながら、予選では5番グリッドを確保すると、決勝レースではピットウインドウオープンとなる10周でピットインする“ミニマム”戦略もハマり、野尻智紀(TEAM MUGEN)、山下健太(KONDO RACING)に次ぐ3位でフィニッシュした。

「去年も表彰台に上がれるチャンスがありましたが、自分のミスも含めてチャンスをふいにしてしまいました。今週末はクルマの調子も良かったですし、自分自身落ち着いてレースをすることができました。これまで苦労しましたが、チームと開幕戦で表彰台に上がれたことが良かったと思います」

 そう語る山本。ミニマム周回でのピットインは事前から決めていたようで、自分よりも後にピットインした山下にオーバーカットを許したことは残念がったが、「非常に良いレースができた」と振り返る。

 2週間前の鈴鹿テストでは、首の状態に不安があることを隠していなかったが、レースウィークまでの2週間、そしてリハビリに励んだ期間を、山本は次のように回想した。

「(鈴鹿テストで)スーパーフォーミュラに乗った感想は、『結構キツいな』と……(苦笑)。どれだけ体力と痛みを軽減できるかということでしたが、2週間後のことは自分の身体のことと言えど、自分自身でも分からないという状況でした」

首をおさえながら、優勝した野尻と言葉を交わす山本

首をおさえながら、優勝した野尻と言葉を交わす山本

写真: Masahide Kamio

「トレーナーさんたちを信じて、今日のレースに向けて良いコンディションにするために双方で最善の努力をしてきました。(身体の状態は)元に戻りきってはいません。ただ5ヵ月前にメスを入れた時はまさか表彰台に上がれるとは思っていませんでした」

「リハビリの間は苦しいこともありましたが、頑張ってきて良かったと思います。病院の先生、トレーナーさん、チャンスをくれた人たちに少し恩返しができましたし、レースが終わってまた落ち着いたら、お世話になった人たちに『助けてもらってありがとうございました』と言いたいです」

 得意とする鈴鹿戦で、実に4年ぶりの表彰台を獲得した山本。本人としてもチームとしてもさらなる高みを目指したいところだが、NAKAJIMA RACINGは今回のような寒いコンディションで速さを見せる傾向があり、山本も常々、暖かくなってきたコンディションで競争力を発揮できるかは未知数だと語っている。2ヵ月のインターバルを挟んで5月に行なわれる第2戦オートポリスに向けては、こう語った。

「今日以上に寒い時期にレースをすることはあまり考えられないくらいですが、次は暖かくなり、気温差、路面温度の差はかなりあると思います」

「今のパフォーマンスをそのまま維持するのは大変だと思っています。気温が10℃くらい上がると思いますが、スーパーフォーミュラでその10℃は大きい気温差だと思いますし、そこにちゃんとクルマを合わせ込んだドライバーとチームが上位に顔を出すと思うので、踏み外さないように準備したいです」

 

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