アクシデントで途中終了に終わったSF第3戦。優勝の野尻智紀が安全対策に警鐘鳴らす「起こるべくして起きた印象。準備が足らなかったのでは」

スーパーフォーミュラ第3戦SUGOは雨の中アクシデントが続いたことで赤旗のまま終了となったが、野尻智紀は安全対策が十分でなかったのではないかと指摘した。

Safety car start

Safety car start

写真:: Masahide Kamio

 スポーツランドSUGOで行なわれたスーパーフォーミュラ第3戦は、雨の中アクシデントが続いたことで赤旗が出され、そのまま終了という後味の悪い幕切れとなった。優勝となった野尻智紀(TEAM MUGEN)は、記者会見で安全対策が十分でなかったのではないかと話した。

 ウエットコンディションとなった決勝日は、午前中のフリー走行からアクシデントが多発した。特に最終コーナーでの事故が頻発し、決勝直前のウォームアップで山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING)がクラッシュしたのを皮切りに、決勝レースでは大嶋和也(docomo business ROOKIE)と阪口晴南(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)も同じ場所でコントロールを失い、バリアに衝突。結果的には阪口のアクシデントで赤旗が出され、レース終了となった。

 ポールポジションからスタートした野尻は、そのほとんどがセーフティカーランとなった14周のレース(正式結果は12周終了時点で確定)を走り切り優勝を飾ったが、記者会見に登場した彼に笑顔はなく、今回のレースに対して湧き上がった複雑な思いを懇々と話した。その眼光も鋭く、頬も紅潮しているように見えた。

 ハーフポイントながら予選ポイントも合わせて13点を加算し、単独のポイントリーダーになった野尻は、望んでいた形の優勝ではないことへの複雑さを述べた後、こう続けた。

「ファンの皆さんもすごくお待たせしてしまい、申し訳ないレースウィークになってしまったなと思います。果たして、こういう状況を避けることができなかったんだろうか、と強く思っています」

「せっかくチケットを買って来てくれているのに、お客さんにとって高くついていませんか? とすごく思います。本当にお客さんに来てもらえるだけのレースを、そもそも準備できていたんだろうかと思いますし、個人的には改善を望んでいます」

「次の富士戦こそはしっかりお客さんが満足して帰ってもらえるようなレースが行なわれることを強く望んでいます」

 野尻がファンを「お待たせした」例として挙げたのが、ガードレールの補修作業について。ウォームアップでの山本のクラッシュではガードレールが破損して修復に時間を要し、スタート進行に遅れが出た他、決勝の阪口の事故でガードレールが再びダメージを受けたということも、レース途中終了の一因となった。

クラッシュした阪口のマシン

クラッシュした阪口のマシン

写真: Masahide Kamio

「ガードレールがむき出しの状態になって、(車両が)当たるであろう場所にタイヤバリアがなかったりしていて、その結果(壊れた)ガードレールの補修にかなり時間がかかったと思うんですよね。そういったことをある程度予測できなかったのか、本当にどうにもならなかったのかと思います」

「起こるべくして起きた中断だった印象がありますね。金曜日にトラックウォークをしている時点で、『こっちにタイヤバリアが必要だよ』とか、『(車両が)ガードレールにいったら絶対補修に時間かかるよね』という話はしていました。そこから(改善提案を)打ち上げてもタイムオーバーだったと思いますが、準備が足らなかったんじゃないかなと個人的に思います」

「そういった意味でも、残念なレースウィークになったと思います」

 スポーツランドSUGOの最終コーナーには元々、ガードレールの内側(コース側)にウレタンパッドが設置されていた。しかしSUGO側はFIAやJAFとコースの安全性について協議を進めた結果、FIAの指示に従ってウレタンパッドを撤去。それに伴いタイヤバリアを増設して対処したことが、スーパーフォーミュラ開催を前にして公式通知で報告されていたが、山本や阪口はちょうどタイヤバリアのない場所にヒットしてしまった形だ。

 これについて野尻は「ガードレールのクラッシュパッドがなくなった経緯については、私も又聞きという形ですが何となく理解はしていますし、致し方ないことだとは思っています。ですけれども、今週のレースに向けた準備が本当に最善のスペックだったのだろうかと思いますね」と話している。

 スーパーフォーミュラには参戦ドライバーによる選手会的組織(FRDA)も存在するが、野尻は「個人的な意見としては、FRDAが動いたから状況が改善されたというのは、恥ずべきことなんじゃないかなと思います。なぜドライバーがそこまで言わないといけないんだという思いです。僕らがしっかりとレースだけに集中していける環境を作っていただけるよう、動いてもらえるとすごく嬉しいです」と切実な思いを述べた。

 また野尻は、さらにこう付け加えた。

「こういった過激というか強い発言をしてしまっているのは、愛情の裏返しでもあると皆さんにご理解いただきたいです。僕はスーパーフォーミュラがとても大好きだし、これからもずっと残っていくものだと思っています」

 

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