“必勝”の5レース目。岩佐歩夢&TEAM MUGEN、課題となるスタートの対策は|スーパーフォーミュラ第5戦もてぎ
TEAM MUGENで岩佐歩夢を担当する小池智彦エンジニアは、前回のスーパーフォーミュラ富士戦で課題となったスタートについては、チーム内でのコミュニケーションや情報共有を強化するという形で対策を講じたようだ。
#15 TEAM MUGEN
写真:: Masahide Kamio
スーパーフォーミュラでここまで4戦を戦って、ポールポジション1回、決勝2位2回。TEAM MUGENの岩佐歩夢に残されたのは優勝だけだ。シリーズチャンピオンを獲得し、将来のF1昇格に望みを繋ぐためにも、第5戦もてぎは是が非でも勝ちたいところだ。
そんな岩佐は第4戦富士では11位ノーポイント。予選で2番グリッドを獲得するもスタートの失敗が全てだった。岩佐は悔しいレースとなった富士戦を終えて、「僕たちはスタートという一点に関してはチームパフォーマンスがかなり低い状態にあると思います。スタートに関してチーム力を大幅に上げていかないと、優勝はおろか、チャンピオンシップも戦える状況ではないと思います」と厳しい口調で語っていた。
岩佐がそう語るように、スタートの成否というのはドライバーの技術云々よりもチームとしての事前準備で決まると言っていい。その日の路面やタイヤのコンディションを考慮して、チームが適切なバイトポイント(クラッチが繋がるポイント)やスロットル開度を事前に設定し、ドライバーはその通りの操作を行なうだけ……という流れだからだ。
したがって、その事前設定にはチームとしての総合力、コミュニケーション力が問われる。岩佐を担当する小池智彦エンジニアに、第5戦までの間にチームで取り組んできたことを尋ねると、次のように語った。
岩佐歩夢(手前)と野尻智紀
写真: Masahide Kamio
「僕たちは去年からエンジン担当のエンジニアが変わっていますが、人が変わると当然コミュニケーションのとり方が変わります。問題はそこが煮詰められていなかった点だと思います」
「どういう風にスタートを組み立てて、バイトポイントやスロットル開度を決めていくのか、そういった手順に関して改善の余地があったので、そこを見直してきました」
「その人(エンジン担当エンジニア)の能力が足りていないという話ではありません。情報共有を強化したり、スタートに関する認識を一致させることに取り組みました」
岩佐が乗るTEAM MUGENの15号車と言えば、目まぐるしく体制が変わるマシンとしても知られる。小池エンジニアが担当した直近数年間でも、2022年は笹原右京、2023年はリアム・ローソン、2024年は岩佐と、毎年ドライバーが変わっている。つまりそれだけでも、コミュニケーションの熟成には苦労しているはず。「そういう意味ではやらないといけないことが多くて、(スタートに関する部分が)おざなりになっていたのかなと思います」と小池エンジニアは言う。
また、今週末のレースに関する意気込みについて小池エンジニアは「ドライであれば自信はあります」と言うが、予選、決勝共に雨の可能性がある。不確定要素が多いこともあってか、「雨は降らないで欲しいです」と苦笑していた。
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