ニック・デ・フリーズのSF初陣は13位。戦略ギャンブルは失敗も希望の持てるレースに「8位〜10位を争えるペースだった」
スーパーフォーミュラでの初レースを終えたニック・デ・フリーズは、入賞圏内も争えるようなペースを見せられたことで、次戦に向けた弾みになったと感じている。
写真:: Masahide Kamio
第5戦もてぎでスーパーフォーミュラデビューを果たし、大いに注目を集めていたニック・デ・フリーズ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)。いきなりの実戦ということで、予選でも18番手に沈んだが、決勝では追い上げを見せて13位でフィニッシュした。
FIA F2&フォーミュラEチャンピオンでF1経験者のデ・フリーズと言えど、テストやシミュレータによるサーキットの予習が一切できない状態でスーパーフォーミュラのレギュラー陣と対峙することはあまりにもハンデが大きいと言えた。それでもデ・フリーズはストイックにチームとミーティングを重ねてレースウィークを進めていき、最終的にはポイント圏内の10位集団でバトルをするまでに持ち込んだ。
またレースでは阪口晴南(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)のマシンがストップしたタイミングで、セーフティカーの出動に期待してピットインするというギャンブルも見せたデ・フリーズ。結局セーフティカーは出なかったためギャンブルは成功しなかったが、適切なタイミングでルーティンストップができていれば入賞も十分可能だったという手応えがあるようだ。
「レースはとても希望が持てるものになった」
デ・フリーズはそう語る。
「スタートは良かったし、ポジションも上げることができた。セルモのマシン(阪口)が止まってしまったので、セーフティカーが出ることに賭けてピットに入ったけど、当然理想的なタイミングではなかったのでアンダーカットやオーバーカットする機会を失った。でもやる価値はあったね」
「集団に食らいつくペースもあって、まずまずだったと思う。まだ改善すべき点はあるけれど、全体的には週末を通してとてもポジティブに前進できたと思う」
「僕たちのペースなら、あの時ステイアウトしてそのまま走っていれば、おそらく8位から10位を争っていたと思う。でもそんなものだ。僕たちはギャンブルをしたし、あのポジションでギャンブルをしたのは正しかったと思う」
F1をはじめ様々なマシンで腕を磨いたデ・フリーズでも、スーパーフォーミュラのマシンを完璧に使いこなすことは難しかったようで、特にオーバーテイクシステム(OTS)の活用には手を焼いた様子。多くのドライバーが積極的に使っていく序盤でデ・フリーズは一切使用せず、レース終盤に作動させた際は、逆に一気に使い切ってしまった。「システムに出し抜かれちゃった感じだ! 正しい情報を持ち合わせていなかった」と語る。
それでも、次戦の富士大会に向けては好材料も多いデ・フリーズ。富士でのダブルヘッダーが彼にとって当面最後のスーパーフォーミュラ参戦ということになるが、彼は次のように意気込んだ。
「少なくともコースは知っているわけだから、そこがダブルヘッダーなのはありがたい。1戦目で学んだことを出来る限り活かしたい」
「ここに来るまでにも何回かミーティングをしたし、今週は話し合いや反省会にかなりの時間を費やしたんだ。これらを分析して、富士ではより高いレベルからスタートしたいね」
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