スーパーフォーミュラ 第1戦・第2戦鈴鹿

参戦予定なし→SFL代役→SFデビュー……ハプニングに翻弄された野中誠太の「一生忘れない」スーパーフォーミュラ鈴鹿大会

開幕鈴鹿ラウンドでスーパーフォーミュラにデビューを果たした野中誠太。あまりに突然だった参戦決定、そしてあれよあれよという間に始まったデビューレースを、本人は「一生忘れられない」と語った。

戎井健一郎

公開日時: 2025/03/10 3:25

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Seita Nonaka, Kids com Team KCMG

写真:: Masahide Kamio

 鈴鹿サーキットで行なわれたスーパーフォーミュラ開幕戦で、トヨタ(TGR-DC)育成ドライバーの野中誠太が同シリーズへのデビューを果たした。彼は元々、4月のもてぎラウンドで小林可夢偉の代役としてKids com Team KCMGからデビューすることになっていたが、その初陣は予定よりも早く訪れた。

 鈴鹿大会金曜のフリー走行1回目で、ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPULのオリバー・ラスムッセンが大クラッシュ。自力ではマシンから這い出せないほど背中付近の痛みを訴えていたことから、それ以降の走行は控えることになった。そこで白羽の矢が立ったのが、TGR陣営のリザーブドライバーである野中だった。

 そんな野中は同大会の併催レースであるスーパーフォーミュラ・ライツ(SFL)にTOM'Sから出走していた。元々今季はSFLにエントリーしていない野中だが、レギュラードライバーのエステバン・マッソンが怪我の影響で欠場することとなり、昨年までマッソンのマシンをドライブしていた野中が急遽代役でドライブすることになったのだ。その代役の話を聞いたのもレースウィークの月曜か火曜だったとのこと。野中は慌ただしく準備をして鈴鹿入りしていた。

 SFLの専有走行を終えてマシンを降りた野中は、チームから「インパルのピットに行って」とだけ伝えられた。何が何やら分からずインパルに向かった野中だが、ほどなくして自分がスーパーフォーミュラに乗るのだと察した。

 フリー走行2回目セッションが始まっていく中、レーシングスーツをインパルのものに着替え、シート合わせをしていると、マシンの修復が完了。野中は無線も繋がっていないヘルメットを被らされ、走行に向けて準備をしたが、結局セッションには間に合わなかった。

「その時点でライツも出ると思っていましたが、気付いたらライツのドラミ(ドライバーズミーティング)が終わっていたので。じゃあ出ないんだと(笑)」と振り返る野中。そういった情報が本人が行き届かないほど、内部では相当バタついていたことが見て取れる。

 昨年末のテストでKCMGのマシンを走らせているとはいえ、スーパーフォーミュラで予選・決勝を戦ったこともなければ、タイヤ交換のためにピットストップをしたこともない。野中は一夜で全てを叩き込む必要があった。

「とにかく頭の中を整理するのに必死でした。しっかりクルマを走らせて、ちゃんとチェッカーを受けることにまずはフォーカスしました」

「ドライビングなど、詰めたいところはもちろんたくさん出てきますが、それよりもまずステアリングの操作を覚えて、スタートの方法を覚えて、チームとのコミュニケーションをどうとるか話し合うことが優先でした」

 予選では組分けの妙などもあり第1戦・第2戦共に19番手に終わったが、第2戦ではライバルとも遜色ないタイムを出した野中。レース中のベストラップに関しても、第1戦が22台中17番手、第2戦が11番手と、確かな進歩を見せた。野中は今回の鈴鹿戦を「人生で一生忘れないですね」と表現する。

 次戦もてぎは、今回の経験を“復習”する絶好の機会。今回は野中自身に余裕がなかったこともあり、チームとのコミュニケーションは担当エンジニアのオスカー・ゼラヤと直接英語で話すのではなく、日本語での対応がメインとなったが、KCMG 7号車の担当エンジニアもまた外国人のコシモ・プルシアーノ。先輩の小林は心配していたが、野中にとっては良い経験となりそうだ。

 

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