レースレポート
スーパーフォーミュラ 第1戦・第2戦鈴鹿
前日の悔しさ晴らす会心の走り! 牧野任祐が今季初勝利。“新鈴鹿マイスター”太田はペナルティで2位→12位転落|スーパーフォーミュラ第2戦
スーパーフォーミュラ第2戦鈴鹿の決勝レースでは、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が優勝を飾った。
戎井健一郎
編集: 2025/03/09 10:10
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Tadasuke Makino, DOCOMO TEAM DANDELION RACING
写真:: Masahide Kamio
3月9日、鈴鹿サーキットでスーパーフォーミュラ第2戦の決勝レースが行なわれた。優勝したのは牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)で、今季初優勝となった。
2025年シーズンの開幕から一夜が明けた。1大会2レース開催の2戦目となる今回のレースは、“ピットウインドウなし”の新フォーマット。つまり1周目からタイヤ交換を行なうことができる。今季新スペックとなったタイヤは持ちが良いのではないかと評価されており、戦前からは「1周目からピットインするマシンが続出するのでは」と予想も。ただ前日の第1戦と違って日差しがあることで路面温度が高く、スタート直前時点で38℃。タイヤのデグラデーション(性能劣化)はますます読めない状況となった。
予選でポールポジションを勝ち取ったのは野尻智紀(TEAM MUGEN)。2番手に岩佐歩夢(TEAM MUGEN)、3番手に太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)という上位オーダーは開幕戦と全く同じであった。ちなみに開幕戦はセーフティカーが何度も出動する波乱のレースとなり、太田が岩佐とのマッチレースを制して開幕ダッシュを決めた。
第1戦より4周長い、31周のレースがスタートした。1コーナーをトップで抜けたのは、これも前日に引き続き岩佐。初優勝に向け、レースをリードする態勢に入った。
そして1周終了時に、やはりピットに動きが。2番手に落ちた野尻、4番手太田ら5台がタイヤ交換に向かった。そして岩佐はこれらのライバルをカバーするためか2周目にピットイン。アウトラップのペースも良く、太田、野尻の前のポジションをキープした。一方、これで首位に立った5番手スタートの牧野は無線で「引っ張る」と宣言。タイヤ交換のタイミングを中盤以降とする戦略を採った。
ピットインを遅らせ、見た目上のトップ3につける牧野、坪井、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)と、早めにピットインして後方ポジションを走る岩佐、太田、野尻……レースが2分したような形で周回数が進んだ。上位勢のラップタイムは各車1分40秒前半あたりで安定。太田は岩佐の1秒差以内につけたが、レース序盤に攻略すべく使ったオーバーテイクシステム(OTS)の残量がかなり少なくなっていたこともあり、やや不利な状況と言えた。
15周目、太田がシケインで岩佐に仕掛けた。しかしブレーキングで止まりきれず、シケインをショートカットして前に出る形に。岩佐は太田がポジションを譲るべきだと主張する一方、太田はブレーキングで岩佐が進路を変更したことがオーバーランの遠因になったと示唆。タイムペナルティとなるのか、ポジション入れ替え指示となるのか、レースコントロールからの指示を待ちながら走行を続けた。
20周目、首位牧野と2番手坪井が共に動いた。牧野は太田の前でコース復帰したが、タイヤの温まった太田にNIPPOコーナーでオーバーテイクされた。翌周に佐藤が入ったことで正真正銘のレースリーダーになった太田だが、前述の走路外走行で5秒ペナルティの裁定が下った。そのため、優勝するためにはライバルに対して5秒のギャップを作る必要が生じた。
しかしながら、フレッシュなタイヤを履く2番手牧野が猛烈なペースで追い上げてきた。太田と牧野はチームメイト同士であるため、チームからはお互いに「無理しないで」との無線が飛んだ。ペースの良い牧野は24周目の130Rで太田をオーバーテイクし、再びレースリーダーとなった。
レース終盤、太田にとっては最悪の展開に。野中誠太(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL)と接触したザック・オサリバン(KONDO RACING)がS字でストップしたため、残り3周でセーフティカーが出てしまったのだ。各者の隊列が一気に詰まることは、タイムペナルティのある太田にとって大きくポジションを落とすリスクになる。太田は無線でもやり切れない怒りを爆発させていた。
できるだけプッシュした方がいいのか? いやゆっくりと走った方がいいのか? 牧野サイドも含めたDANDELION陣営は、太田のペナルティの影響をいかに最小限に抑えられるか思案していた。
最終的にセーフティカーは最終ラップまで隊列を先導し、チェッカー直前にピットレーンへ。牧野を先頭に追い越し禁止のままリスタートを切った隊列は、牧野、太田、周回遅れのJuju(HAZAMA ANDO Triple Tree Racing)、坪井……といった順で雪崩れ込むようにチェッカーを受けた。最終的に太田は12位まで転落。優勝争いを展開しながら、まさかのノーポイントとなってしまった。
優勝は牧野。開幕戦はダブルピットストップの割を食って10位と悔しいレースに終わったが、今回は完璧なピット戦略で完勝を収めた。2位は坪井、3位は岩佐で、ポイントリーダーは34点の岩佐となった。
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