スーパーフォーミュラ
スーパーフォーミュラには「ドラマが描きたいものが詰まっている」。フジテレビが手掛ける連続ドラマ、同じくレース題材の『エンジン』とは違った作風に?
スーパーフォーミュラを題材にした連続ドラマの制作を発表したフジテレビ。担当プロデューサーは、このドラマを通してレース界のリアルな風景や感情を届けたいと強調した。
公開日時: 2026/10/09 7:06
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写真:: Masahide Kamio
先日、スーパーフォーミュラを題材とした連続ドラマの放送を発表したフジテレビ。本作のプロデューサーを務めるフジテレビ第1スタジオの品田俊介氏が富士スピードウェイで行なわれたスーパーフォーミュラ定例会見に登壇し、ドラマを通して目指すものなどについて語った。
『SUPER FORMULA NEXT50』プログラムの発足以降、“HUMAN MOTORSPORTS”をスローガンに、観客動員を増やしてきたスーパーフォーミュラ。シリーズの売りである人間ドラマの魅力を多くの人々に広める起爆剤として、このフジテレビが手掛けるドラマが寄与することが期待される。
自身もレース好きだというフジテレビの品田プロデューサーはドラマ制作の経緯について、自身がモータースポーツのドラマを描きたいという思いがあったことに加え、モータースポーツ業界が盛り上がりを見せていたことから、数年前から社内でドラマの提案をしていたという。その中で、フジテレビがF1の独占放送・配信権を取得したことから社内の気運も一気に高まっていったのだという。「昨今はこういったプロジェクトに挑戦するのは難しいのですが、社内一丸となって取り組むことになった」と品田プロデューサーは言う。
スーパーフォーミュラのシリーズプロモーターであるJRP(日本レースプロモーション)の上野禎久社長は、ドラマの放送が発表されてから大きな反響があったことを喜んでおり、「注目度の高さを肌で感じました。このモータースポーツ、スーパーフォーミュラを広く知ってもらえる機会が増えるだろうと、大変期待に胸を膨らませています」と述べた。
「我々のドライバーたちのキャラクターも含め、我々のレースの魅力を伝えていただけるドラマになっていると思いますので、期待感でいっぱいです」
JRPの会長であり、長らく歌手・タレントとしても活躍してきた近藤真彦氏は、かつては他業種からレース業界にやってきた人間への風当たりの強さを肌で感じたひとりでもあるが、時代も変わった今、レース業界全体がウェルカムな姿勢で制作に協力したいと語った。
「ひと昔前のレース業界は、レース場に違う職業の舞台が来ると、あまり受け入れることのできない集団だったと思います(苦笑)」
「僕が来た時もそうでした。『騒がせるだけ騒がせて、また芸能の方に戻るんだろう』……そういった見方をされていました」
「でも、今やそういう時代ではなくなっています。どこにカメラが入ろうが、どこに俳優さんが入ろうが、ウェルカムな姿勢でスーパーフォーミュラを盛り上げていくというスタンスでいたいと思っています」
当然気になるのが、どういったドラマになるのかというところ。現時点では主要キャストやあらすじなど、詳細は明らかにされていないが、フジテレビ側が発表時から強調しているのは「リアルなレースの世界を映像化する」ということだ。
品田プロデューサーは、今後どのような撮影を行なっていくかについて詳細についてはコメントを避けながらも、こう語った。
「監督含めた制作チームが、JRPさんのご理解もいただき、ピットやコース脇で実際のレースの風景を撮らせていただいています。観客の方にもお声がけさせていただき、普段であればニュース、報道の素材として撮るところを、ドラマの本編で使うという許可をいただいて撮影しております」
その狙いは——。
「連続ドラマでは、架空の世界をリアルの世界を参考に作り込んでいくのが通常の手法です。今回は実際のレースのリアルな風景、ピットにいる皆さん、ドライバーの皆さんの情熱、心情を切り取った上で、そこを売りにしたドラマにしたいと思っています。もちろん主演の人間や登場人物は架空の人間ですが、その架空の人たちがスーパーフォーミュラのリアルなレースに溶け込んで、勝利を追い求めていく姿を撮ろうと思っています」
「今後もこちら側からお願いのアナウンスをさせていただきますので、観客の皆さん、業界の皆さんにお力をいただき、このドラマを一緒に盛り上げていただければと思っております」
このように、“リアル志向”のドラマとなると話す品田プロデューサー。このプロジェクトには、元JRP取締役で、かつてはフジテレビのF1中継や『Dr.コトー診療所』などの人気ドラマにカメラマンとして携わった永野進氏も関わっており、今後はレース関係者の監修の下で制作を進めるという。これらの体制を鑑みるに、本格的な作品となることは保証されているといってもいいだろう。
フジテレビと言えば、2005年に木村拓哉主演でレースの世界を描いた『エンジン』というドラマを放送したが、このドラマは木村演じる主人公と、児童養護施設の子供たちとのふれあいをメインにしたストーリーであり、レースの要素はあくまでサイドストーリー的に描かれている印象の作品でもあった。ただ今回の作品は、そういった作風とは異なるものになりそうだ。
「今回はなるべく、スーパーフォーミュラを舞台にして、その中で頑張っている方々を描いて……という形でやろうと思っています。『エンジン』の描き方とは別のものを目指してやっています」
そう語る品田プロデューサーは、スーパーフォーミュラには「ドラマで描きたい要素が詰まっている」と語る。それも、“リアル志向”のテイストになる理由のひとつなのだろう。
「スーパーフォーミュラの“HUMAN MOTORSPORTS”というコンセプトに重なった部分があります」
「レースに全てをかけている人々の感情には、ドラマが描きたい感情が詰まっているんだろうと思っています。夢だったり、絆だったり、努力だったり、はたまた弱さだったり……そこを描きたいと思っています」
もちろん、本作はドキュメンタリーではなくドラマであるため、ドラマならではの脚色も入れつつ、作品を仕上げていくことになるだろう。その点では、昨年公開された映画『F1/エフワン』は、レースの世界の実像を丁寧に描きつつ、フィクションとしての脚色が絶妙なバランスで組み合わされていた印象だが、品田プロデューサーもまさにこのバランスに苦心しているところだろう。
「今まさにそこの試行錯誤をしています」
「こういう形のドラマは、日本ではなかなか出たことがありません。我々制作チームも風呂敷を広げながら、どういうことが正解なのか、どうすればレースを知らない人たちにも伝わるのか、日々悩みながらやっております」
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