スーパーフォーミュラ

KCMGドライバー候補のアレジ、富士テストはタイムに固執せずデータ収集に専念。7月のレースでは「午前野中、午後アレジ」の交代制に?

スーパーフォーミュラ公式テストに参加したジュリアーノ・アレジは、タイムシート上の順位にかかわらず、チームのために有益なデータを収集することに専念していたという。

戎井健一郎 Jamie Klein

公開日時: 2026/07/01 11:33

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Giuliano Alesi, KCMG

Giuliano Alesi, KCMG

写真:: JRP

 富士スピードウェイで行なわれたスーパーフォーミュラの公式テストに、KCMGから参加したジュリアーノ・アレジ。2日間を通して最下位付近のベストタイムにとどまったが、テストの目的はあくまでデータ収集だったという。

 KCMGは開幕直前に参戦をキャンセルしたカッレ・ロバンペラの後任ドライバーが決まらないままシーズン開幕を迎えており、これまではリザーブドライバーの野中誠太を起用してきた。しかしそれと並行する形で、ロバンペラを招聘したトヨタによる後任ドライバー探しが進んでいた。

 しかしインシーズンでのリクルートとあって選考はやや難航していたが、トヨタは富士テストの結果を踏まえてドライバーを決めると明言。そしてそのテストで起用されたドライバーが、スーパーGT・GT500クラスに参戦中のアレジだった。

 2023年シーズンの途中にTOM'Sのシートを失ったアレジにとっては、3年ぶりのスーパーフォーミュラ。ブランクがあったことで「最初は不安だった」というが、問題なく乗りこなすことができたという。

「数周走ったら、これまでずっと乗っていたかのような感覚になった」

「このマシンは作動領域が狭くて誰しも苦労しがちなんだ。だからこそチームは2台で出来る限りのデータを集めようとしている。テストが終わってから、どんなデータが見られるのか楽しみだ」

 アレジが乗る9号車は、元々ロバンペラが乗る予定だったこともあり、ハイテックのエンジニアによるヨーロッパ流のオペレーションが行なわれている。初日午前のみ山下健太と車両を入れ替えて8号車に乗ったアレジは、「ガレージの両サイドで考え方は全く違う。次のレースでマシンをどう組み立てていくべきか良いヒントを得ることができた」と語る。

 2日間を通してラップタイムは振るわなかったアレジだが、そもそもパフォーマンスランで評価をされているわけではない様子。テスト初日のインタビューで、タイムが今後のシートに影響するかと質問された彼はこう答えた。

「そこは裏でやっている仕事が重要だ」

「何かを変えてトップに立てればもちろん良いけど、たとえ最下位であっても、それが貴重な情報になることもあるし、全てがチームにとって有益になる」 

 現状はあくまでテスト参加の契約のみを交わしており、今後は追って話し合いがなされることになると語るアレジ。ただ今回のテストが複数ドライバーによるオーディション形式ではなく、アレジひとりによる走行であることを踏まえても、彼が今季残りレースに参戦する可能性は非常に高いと言える。

 ただ、リザーブの野中は少なくともあと1戦、レースを戦うことができる。それが今月に予定されている富士ラウンドの日曜日に行なわれる第3戦だ。

 富士ラウンドでは元々、18日(土)に第6戦、19日(日)に第7戦の開催が予定されているが、5月に予選だけ実施して決勝が悪天候で中止となった第3戦オートポリスの代替レースをここに組み込むことになった。実施されるのは19日午前で、25周のスプリントフォーマットだ。

 上述のようにこのレースは予選が終了しており、野中が15番手で通過している。したがって、アレジは第3戦に出走することはできない。予選を通過したのは「KCMGの9号車」ではなく「KCMGの9号車に乗る野中誠太」だからだ。KCMGも、第3戦の代替レースで野中が走ることを認めている。

 そうなると、仮にアレジが今後正ドライバーとして起用されることになった場合、富士ラウンド日曜日のKCMG 9号車は、午前中は野中が、午後はアレジが乗ってレースを走るというイレギュラーな対応となる。野中にとっては、日曜朝のレコノサンスラップからいきなり乗り込んでぶっつけ本番……そんなシチュエーションとなる可能性が高い。

 

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