ジュリアーノ・アレジ、名門トムスからのフル参戦で感じる「責任」と「期待」

　昨シーズンからレース活動の拠点を日本に移したジュリアーノ・アレジは、中嶋一貴の代役としてスーパーフォーミュラにデビューして5レースを戦ったが、2022年は正式にTOM'Sのレギュラードライバーとしてシーズンを戦う。

　アレジは2021年シーズンの戦いぶりから、既に日本のレース界で存在感を発揮している。代役参戦2戦目となったスーパーフォーミュラ第3戦オートポリスでは、豪雨の中ポールポジションを獲得して優勝。フル参戦したスーパーフォーミュラ・ライツ（SFライツ）でも4勝を挙げてシリーズ2位となった。

　彼は昨シーズン、多くのレースでスーパーフォーミュラとSFライツにダブルエントリーしなければならなかったため、100％のパフォーマンスを発揮しづらい状況にあった。しかし、今季はスーパーフォーミュラでの戦いに集中することができる。

　現役を引退した2度のチャンピオン、中嶋一貴の後任としてフルタイムドライバーに抜擢されたアレジ。彼はチームをタイトルに導く“責任”があると自覚している。

「カズキは素晴らしいキャリアを送ってきた。彼は日本だけでなく世界的にもビッグネームだった」

　アレジはそう語る。

「彼が乗ってきたマシンを今年フルタイムで走らせるチャンスをもらったことに対しては、大きな責任も感じているし、興奮もしている」

「昨年と比べればうまくやれると思っている。自分の集中すべきことがクリアになったからね。プレシーズンテストにフルで参加できることも良いことだ」

「具体的な目標を設定するのは難しいけど、個人的には常に勝つ事を考え、チャンピオンを目指したい。僕は日本のトップチームのひとつでレースができる訳だし、ポテンシャルもある」

「僕の使命は全てをまとめ上げて、今あるパッケージを最適化する事だ」

　アレジはまた、スーパーフォーミュラに加えてスーパーGTのGT500クラスにもTOM'Sから参戦する。チームメイトは、昨年チャンピオンを獲得した坪井翔だ。

　日本の2大トップカテゴリーに参戦するという目標を達成したアレジは、かつてTOM'Sで活躍したアンドレ・ロッテラーのように、日本で長期的なキャリアを築く事を望んでいる。

「そのためには、結果を出して期待に応えないといけないね」とアレジは言う。

「できる限り努力をしなければいけないけど、それが目標であることは間違いない」

「今まで以上にやる気になっているので、全てを出し切りたい」