ジェム・ブリュックバシェ、来季はスーパーフォーミュラとスーパーGTの掛け持ちも視野に?「ライバルに追い付くには走行距離が必要だ」
ジェム・ブリュックバシェは、2024年もスーパーフォーミュラに残ることとなった暁には、その他のレースプログラムも追加したいと考えている。
FIA F2を経て、今季はTGM Grand Prixからスーパーフォーミュラに参戦したトルコ人ドライバー、ジェム・ブリュックバシェ。彼が来季もスーパーフォーミュラに継続参戦するかどうかは明らかになっていないが、少なくとも彼は複数カテゴリーの掛け持ちを望んでいるようだ。
eスポーツで頭角を現してリアルのモータースポーツ界に参入したブリュックバシェは、シングルシーターでの経験が約2年しかない中でスーパーフォーミュラへのデビューを果たした。ベストリザルトは開幕戦富士での8位で、ランキング18位でシーズンを終えた。
来季のことについては「まだ分からない」と語るブリュックバシェ。やはり資金次第、つまりスポンサー次第という側面もあるようだが、それ次第ではTGM Grand Prixに残留する可能性は十分あると見られている。
ただブリュックバシェは、仮にスーパーフォーミュラに継続参戦する場合も、それ以外のシリーズに掛け持ちで参戦することを検討しているという。スーパーフォーミュラは年間で9レースしかなく、レース距離等を鑑みてもマイレージを重ねて経験を積むことが難しいからだ。
「日本でもう1年やりたいけど、それは完全にスポンサーだとかそういったこと次第だ」
「スーパーフォーミュラは最高だ。マシンは素晴らしいし、リアム(ローソン)がいかにF1と近いかを証明してくれた。でも走行距離はかなり限られている」
「来年もしスーパーフォーミュラで走るなら、その傍らで別のことをしたい。マイレージを増やすために、スーパーGTか、ヨーロッパのどこかで走りたい」
「僕は経験がないから、ライバルに追い付くためにもっと走行距離が必要な立場にある」
「来年に向けてそこを軌道修正して、もっと多くのレースに出られたらいいんだけど、まだどうなるかは分からない。ここ(日本)での日々を楽しんでいるけど、スポンサーによるところが大きいんだ」
■予選に課題抱えるも、ロングランで光るセンス見せたブリュックバシェ
入賞2回、ランキング18位に終わったブリュックバシェのルーキーシーズンを振り返ると、予選での苦戦に足を引っ張られた感が強い。彼の今季の平均グリッドは19番手であり、これは今季大苦戦したB-Max Racing Teamのラウル・ハイマンに次ぐ悪さ。フル参戦ドライバーで1度もQ2に進めなかったのも、ブリュックバシェとハイマンだけだ。しかも不運なことに、ブリュックバシェがQ2進出にあと一歩まで迫り、14番グリッドを獲得した第8戦鈴鹿はクラッシュにより数周で打ち切られてしまった。
ブリュックバシェを担当した岡島慎太郎エンジニアはmotorsport.comに対し、ブリュックバシェは経験不足により予選でその力を最大限発揮できなかったと指摘。特にフレッシュタイヤで走る機会が非常に限られていることが大きかったと語った。
「彼はシーズン序盤から改善を見せていましたが、ニュータイヤのポテンシャルを出し切ることにはまだ改善の余地がありました」
「(ブリュックバシェにニュータイヤで走る機会を与えられるように)走行プランも常に考えていました。彼が早く上達するためにフリー走行で2セットを入れることも多かったです」
「他のドライバーはマシンの挙動やグリップ、そして予選でそれらがどうなるのかをより理解していますが、ジェムはそれがなかなかできずにいました。特に鈴鹿での第9戦で苦戦したのはそのためです」
ただ岡島エンジニアは、ブリュックバシェがロングランペースに秀でていることから、予選の課題さえ解決できれば十分に実力を発揮できると考えている。
「ジェムはフォーミュラのレースを始めてまだ日が浅いです。彼は今年いろんなことを学んだと思います」
「彼は日本でキャリアを積んできた日本人ドライバーを倒すには、もっと経験を積む必要があることを理解しています。ただロングランペースに関して言えば、彼はタイヤマネジメントが非常にうまいです。だからこそ第9戦では(小林)可夢偉選手をオーバーテイクできたんです」
「だから(予選で)タイヤのパフォーマンスをフルで発揮する方法を見つけられれば、速さを見せることができると思います」
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