フェネストラズ、来季はフォーミュラEに集中? SF参戦の可能性は最終2戦のみに「でも、まださよならじゃないよ」
サッシャ・フェネストラズは、フォーミュラEのルーキーシーズンが終了するまでは、来季スーパーフォーミュラのレースには参戦しないと明かした。
写真:: Masahide Kamio
サッシャ・フェネストラズは、日産からフォーミュラEに参戦する2年契約を結んだが、当初はスケジュールが合えば、スーパーフォーミュラかスーパーGTでのレース活動を継続することを望んでいた。
しかし日産と契約したフェネストラズがトヨタからスーパーGTに参戦するのは難しく、スーパーフォーミュラが唯一の有力な選択肢となっていた。
一方で、来季のフォーミュラEとスーパーフォーミュラのスケジュールは日程が3大会で衝突。日産との契約が優先され、フェネストラズのスーパーフォーミュラ参戦も難しいのではないかと考えられていた。
フェネストラズは現状についてさらに一歩踏み込み、少なくとも7月末のフォーミュラEシーズン最終戦ロンドンePrixが終わるまではスーパーフォーミュラへの再参戦を断念すると語った。
現在所属するKONDO RACINGと契約が成立した場合は、8月のもてぎと10月の鈴鹿で開催されるスーパーフォーミュラのレースに出場する可能性が開かれることになるだろう。なお今季は8月のもてぎ戦と10月の鈴鹿戦は1大会2レース制が敷かれたが、来季も同じフォーマットになるかどうかは明らかになっていない。
フェネストラズはmotorsport.comに次のように語った。
「シーズン後半はここ(スーパーフォーミュラ)にいたいんだ。でも、前半はあまりにも忙しすぎるし、フォーミュラEに集中する必要がある。それは最優先されることになるだろう」
トヨタとKONDO RACINGは、フェネストラズの後任として2023年に別の外国人ドライバーと契約することを目標にしていると考えられている。スーパーフォーミュラ・ライツのチャンピオンである小高一斗は、それが不可能だった場合の候補となる可能性がある。
新しく加入したドライバーが印象的な活躍を見せられなかった場合、シーズン最後の2イベントで、フェネストラズを起用するという選択肢がチームに残るわけだ。
チームに残留する見込みの山下健太は、フェネストラズを失うことが、好調を維持する上での懸念材料であることを認めている。
「サッシャがチームメイトになったことは、僕にとって大きな原動力になっています」
山下はmotorsport.comにそう語った。
「来年は誰がドライブするのかわかりません。心配とまではいきませんが、誰か後任が早く見つかることを願うばかりです」
フェネストラズ自身も「チームはホームのようなもので、彼らのために懸命に働いてきた。何とかして、チームが上位に食い込めるようなお手伝いができればうれしい」と語っている。
フェネストラズはスーパーフォーミュラ逆転チャンピオン獲得の可能性を残して、最終戦鈴鹿に臨んだが、土曜日の第9戦で16位。野尻智紀(TEAM MUGEN)を破ってのタイトル獲得というフェネストラズの淡い希望は消えた。
しかし日曜日の第10戦では4位フィニッシュ。同点だった平川亮(carenex TEAM IMPUL)を抑え、ランキング2位を確保した。
第9戦でペースが上がらなかったことを「変な感じ」と表現していたフェネストラズは、その夜マシンを詳細に分析した結果、いくつか問題が見つかったと明かした。
それを修正することができたことが、第10戦の結果につながったようだ。
「ダンパーのバンプ・ラバーが完全に壊れていたんだ」と、フェネストラズは説明した。
「そして(富士での)クラッシュ後に交換したフロアは古いもので効果的ではなく、リヤで70-80kgのダウンフォースを失っていた」
「それで土曜日のペース(の原因)が明確になり、日曜日はかなり好転した。予選は7番手だったからメガとは言えないけど、クルマのフィーリングはずっと良くなっていたよ」
フェネストラズは、鈴鹿がスーパーフォーミュラ最後のレースウイークエンドではないと確信している。だが17戦で1勝、表彰台5回という記録で、一旦シリーズを離れることになった。
「ここでレースができなくなるのはとても寂しいよ」
「マシンは素晴らしいし、ダウンフォースは大きいし、タイヤもいいし、接触も少ないし、コースもいいし、日本のファンもいい」
「でも、まださよならじゃない。それは間違いない。そう遠くないうちに戻ってこられることを願っている」
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