スーパーフォーミュラ

“再来日”から2年、ついにスーパーフォーミュラのシートを掴んだイゴール・フラガ「自分にとってターニングポイント。この機会を活かしたい」

2025年はスーパーフォーミュラにフル参戦することになったイゴール・オオムラ・フラガは、自身のキャリアのターニングポイントに差し掛かっており、このチャンスを活かさなければならないと語った。

戎井健一郎 Jamie Klein

公開日時: 2025/01/16 8:03

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Igor Fraga, PONOS NAKAJIMA RACING

Igor Fraga, PONOS NAKAJIMA RACING

写真:: Masahide Kamio

 2024年をもってスーパーフォーミュラを引退した山本尚貴に代わってNAKAJIMA RACINGのシートを得たのは、イゴール・オオムラ・フラガだった。キャリアの再構築を目指して“再来日”してから2年。ついに国内最高峰カテゴリーで走るチャンスを得た。

 フラガはそのミドルネームが示す通り、日系のブラジル人ドライバー。12歳まで石川県で過ごしたが、その後ブラジルに移住。レース活動と並行してレースゲーム『グランツーリスモ』でも世界チャンピオンになったことから、eスポーツ界で名を馳せた。

 リアルのレース活動でも、2020年初頭のトヨタ・レーシング・シリーズでリアム・ローソン、フランコ・コラピント、そして角田裕毅を下してチャンピオンを獲得し、レッドブルジュニアに選ばれるなど注目の存在となったフラガ。しかし、レッドブルと契約したタイミングは、戦闘力で劣るチャロウズと2020年のFIA F3参戦契約を結んだ直後。そんな間の悪さもあり、F3で結果を残せずレッドブル育成からも1年で離脱することになったフラガは、しばらく本格的なレース活動をしてこなかった。

 そんな中でフラガは2022年のオフにチャンスを求めて再来日。2023年はスーパーフォーミュラ・ライツとスーパーGTのGT300クラスに参戦し、2024年はスーパーGTに加えてスーパーフォーミュラのNAKAJIMA RACINGでリザーブドライバーを務めた。

昨年はリザーブドライバーとしてチームに同行したフラガ

昨年はリザーブドライバーとしてチームに同行したフラガ

写真: Masahide Kamio

 当時はレギュラードライバーの山本がスーパーGTでの大事故で首に大怪我を負ってから復帰を果たそうというタイミングであり、リハビリの進捗次第ではフラガに出番が回ってくる可能性もあった。結果的に山本は開幕に間に合いフルシーズンを戦ったが、フラガは「本当に驚かされましたし、その復活劇を間近で見られたのは素晴らしいことでした」と振り返る。

 そして2025年、山本の引退で空いたシートに、フラガが収まることになった。その喜びを、彼は次のように語る。

「スーパーフォーミュラのグリッドに並べるということは本当に嬉しいことです。ここ数年、本当に頑張ってきましたから」

「それと同時にこれは始まりに過ぎないので、結果を出せるよう準備をしなければいけません。良いシーズンを送れば他のチャンスにつながると信じています。僕にとってはターニングポイントであり、今あるチャンスを最大限に活用することに集中しないといけません」

 フラガは来日直後の2022年末にTEAM IMPULからスーパーフォーミュラのルーキーテストに参加し、SF19を初ドライブ。車両がSF23に変わってからも、2023年、2024年とNAKAJIMA RACINGから冬のテストに参加し、貴重な走行距離を積んだ。

 昨年末のテストでフラガは山本のマシンに3日間乗ったが、リザーブドライバーとして1年チームで過ごした経験が活き、コミュニケーションも円滑に進み順調なテストになったようだ。「僕のドライビングスタイルは山本さんと少し違っていて、コーナーでGが最大になるタイミングが違うので最初はアジャストが大変でした」と言うフラガ。7番手となった2日目は少し置きに行った感が出てしまったか、もう少し順位を上げられたはずと語ったが、3日目のルーキー限定枠では常にトップに立つなど確かな速さを見せた。

写真: Masahide Kamio

 今季のチームメイトは、3歳年下の佐藤蓮。フラガは昨年佐藤の走りを見て、そのスタイルに驚かされたという。

「蓮と山本さんは物事へのアプローチの仕方も全く違いますし、シーズンを通して見ていてとても興味深かったですね」

「蓮の走らせ方には驚きます。ブレーキを少ししか使わず、コーナーに飛び込んでスピードを維持するタイプです。それが大抵うまくいっていましたし、予選でも常に全開。すごかったですね」

 そんな佐藤に近付くことが当面の目標だと語るフラガ。ポイント獲得、そしてゆくゆくは表彰台を目指して戦う。

「全体的なチャンピオンシップのことはあまり考えていません。常に安定してトップ10に入り、ポイントを獲得するのが個人的な目標です。そしてその中でマシンに速さがある週末が何度かやってくれば、そのチャンスを活かして少なくとも1、2回はトップ5に食い込みたいですね」

「そして簡単なことではないと思いますが、もしトップ3を争うチャンスがやってくれば、表彰台に乗りたいですね。僕はそこを目指しています」

 また、スーパーフォーミュラの先に見据える目標について尋ねられたフラガは、海外への再挑戦も可能であればと前向きに捉えているが、まずは日本のレースシーンに定着し、尊敬を集めるような活躍をしたいと意気込んだ。

「また海外に行くチャンスがあれば行きたいとは思いますが、スーパーフォーミュラに加えてGT500にも出たいですね。そこにもすごく関心があります」

「まずは日本のモータースポーツシーンで地位を確立したいです。将来はどうなるか分かりませんし、チャンスがあれば海外で走るかもしれませんが、今は日本で尊敬されるような選手になることを目指しています」

 

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