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耐えるレースはお手の物? 平川亮、スーパーフォーミュラ第3戦での”望外の”表彰台獲得に「粘り強い走りができた結果です」

スーパーフォーミュラ第3戦鈴鹿の決勝で3位表彰台を獲得した平川亮は、調子が上がらない中での好成績に「粘り強い走り」ができたがゆえに結果だと考えている。

平川亮, ITOCHU ENEX TEAM IMPUL

写真:: Masahide Kamio

 4月23日(日)に行なわれたスーパーフォーミュラ第3戦鈴鹿の決勝レース。ITOCHU ENEX TEAM IMPULの平川亮は、調子が上がらない中でも運を味方に3位表彰台を獲得できたことを喜んでいる。

 平川は土曜日に行なわれた予選でQ1を突破したものの、続くQ2では9番手止まり。ポールポジションの大湯都史樹(TGM Grand Prix)からは、ベストタイムで1秒以上離されることとなった。

 迎えた決勝日のフリー走行でも15番手。平川自身、鈴鹿の週末に対してマシンの調子が万全ではないことを認識しながら30周のレースに挑むこととなった(他車のトラブルによるフォーメーションラップ追加で、当初の規定周回である31周から1ラップ減算)。

 レースが大きく動いたのはレース3分の2を越えようかというタイミング。ポールスタートの大湯がピットインを遅らせる戦略を採り、19周を終えたところでピットに入った。しかしアウトラップで後方から迫る野尻智紀(TEAM MUGEN)から追突を受け、2台がもつれ合う形でクラッシュしたのだ。

 このアクシデントによりセーフティカーが出動し、ステイアウトを選択していた平川は宮田莉朋(VANTELIN TEM TOM’S)に続いてすぐさまピットイン。これにより平川は4番手でコースに復帰することができた。

 フレッシュなタイヤを履く平川は、セーフティカー明けから追撃を開始。宮田がリアム・ローソン(TEAM MUGEN)、坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)と料理していく中、平川も29周目にターン1でローソンのアウト側に並びかけると、ターン2で引くことなくオーバーテイクを完了……3番手に浮上し、そのポジションをチェッカーまで守りきった。

 レース終盤の追い抜きで観客を魅了した平川。3位表彰台獲得は、マシンの調子としてはベストと言えない状態でも「粘り強い走り」ができた結果だと彼は振り返る。

「昨日からあまり調子が良くなくて、正直3位になれるとは思っていませんでした」と平川は言う。

「レースでもクルマの調子やタイヤの状態も良くなくて、耐えるレースでした。しかし、しっかりと粘り強い走りができ、チャンスを逃さず3位になれたので、正直良かったです」

 また、ローソンとのバトルについて尋ねられた平川は次のように答えている。

「シケインで”汚い手”を使われて抜けなかったのがカチンときて、何周かかかりました」

「なので彼がOTS(オーバーテイクシステム)を使えないタイミングに上手く合わせこんで、1コーナーで外から行きました。(レース後に)彼と話しましたが、彼はそこから来るとは思っていなかったみたいです。自分も引く気はなかったので1コーナーをアウトから回って抜きました」

 なお平川は、セーフティカーが入らなければ表彰台を逃していたと考えている。

「そのままいけば、3号車(山下健太/KONDO RACING)、1号車(野尻)のあたりで(コースに)出て、実質5〜6位くらいだったと思います」

「セーフティカーはラッキーでしたね。ちょうど3号車の前に出られました。ステイアウトしていましたが、ペースは良くありませんでした」

 平川は今季もFIA世界耐久選手権(WEC)のハイパーカークラスに、ディフェンディングチャンピオンとしてToyota GAZOO Racingから参戦中。特にこの4月は非常に忙しい日々を送っている。

 スーパーフォーミュラではまだチャンピオン獲得経験の無い平川だが、今季は開幕3戦で2度の3位表彰台獲得で、ドライバーズランキング首位の野尻から20ポイント差のランキング5番手につけている。耐久レースでも見せている粘り強い走りを武器に、平川が今季もタイトル争いに絡んでくる可能性は高いと言えるだろう。

 
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