まさに“電撃移籍”。野尻智紀のスーパーフォーミュラ王座2度獲得に貢献した一瀬俊浩エンジニアがスリーボンド加入、無得点チームに光もたらすか
昨年までTEAM MUGENで野尻智紀のエンジニアを務めていた一瀬俊浩氏が、今季ThreeBond Racingに移籍したことが明らかとなった。
写真:: Masahide Kamio
スーパーフォーミュラは2025年シーズンに参戦するドライバーの陣容が既に出揃っており、1週間後には公式テストを控えているが、この度その勢力図を揺るがしかねない“大型移籍”が明らかとなった。昨年までTEAM MUGENに所属していた一瀬俊浩エンジニアのThreeBond Racing加入だ。
一瀬エンジニアはセルブスジャパン所属時からスーパーフォーミュラでTEAM MUGENのトラックエンジニアを務めており、2019年から6シーズンにわたって野尻智紀を担当。その間野尻は2021年、2022年とチャンピオンに輝き、2023年、2024年も最終ラウンドまでタイトル争いに加わるなど、シリーズを代表するドライバーにのし上がった。
スーパーフォーミュラは車両ワンメイクのカテゴリーであるため、当然ドライバーの実力も求められるが、ドライバーが自らの実力を最大限発揮できるようなマシンセットアップを構築するエンジニアの仕事も非常に重要と言える。野尻と数々の実績を残してきた一瀬エンジニアが、その成功の一翼を担ったことは間違いない。
写真: Masahide Kamio
そんな一瀬エンジニアは「自分のエンジニアリングスキルに限界を感じ始め、この先長く続けていく自信がなかった」というネガティブな側面、「新しいことをやりたい」というポジティブな側面の両面から、2024年をもってTEAM MUGEN(M-TEC)を退社。エンジニアリング業務やシミュレータ開発を行なう自身の会社を起業した。
そんな中、スーパーフォーミュラでThreeBond Racingのメンテナンスを行なうクインゲルトのメカニックが、スーパーGTのARTA MUGENでサポートスタッフとして働いていた縁もあり、一瀬エンジニアは旧知の仲であるそのメカニックを通じてThreeBondから声がかかり、新たな挑戦に足を踏み入れることになったという。
Atsushi Miyake, ThreeBond Racing
写真: Masahide Kamio
ThreeBond Racingは昨年、三宅淳詞の1台体制で戦い、一度も入賞できずにシーズンを終えた。トップエンジニアが無得点チームに移籍するということで、パフォーマンスの底上げが期待される。
当然、1台体制は2台体制と比べても得られるデータ量が少なく不利と言えるが、一瀬エンジニアは「正直、1台体制による情報量不足で苦労しているという次元にはないと思っています」とキッパリ。セットアップやマシンづくり、オペレーションなどにおける基礎的な部分のテコ入れからしっかりと取り組んでいく意気込みだ。
現場での初仕事は鈴鹿での公式テストになる見込み。チャンピオンや優勝が当たり前とされるチームの苛烈なプレッシャーから解放されることになる一瀬エンジニアは「(ThreeBondは)昨年最下位に等しい成績しか出ていなかったので、上を見るだけですし、僕もチームも気負いなく新しいチャレンジができます」と新天地での仕事を楽しみにしているようだった。
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