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英国人ジャーナリスト”ジェイミー”の日本レース探訪記:スーパーフォーミュラのレース数増加は大歓迎。あとは戦略に幅を持たせられるか?

日本を拠点に活動するmotorsport.comグローバル版のニュース・エディター、ジェイミーがお届けするコラム。今回のテーマは、ダブルヘッダー開催によるレース数増加が発表された2022年シーズンのスーパーフォーミュラについてだ。

Start grid

写真:: Masahide Kamio

 皆さんこんにちは、ジェイミーです。motorsport.com日本版のコラムをお届けします。

 2022年シーズンの国内レースも開幕が近付いてきました。スーパーGTではメーカー主催のプライベートテストが実施される中、スーパーフォーミュラ(SF)を主催するJRPは記者会見を開き、来たるシーズンの概要を発表しました。JRPによると、今季のSFのレース数は2008年以降最多の10戦となり、7大会中3大会がダブルヘッダーとなることが明らかにされました。昨年、パドック関係者やファンからはレース時間の短さに対する批判もありましたから、これはシリーズにとって良い動きであることは間違いないでしょう。

 2020年からの2シーズン、スーパーフォーミュラはわずか7レースの開催に留まり、それぞれのレース時間は1時間弱でした。シーズン全体のレース時間はセーフティカーランを含めても6時間半ほど。これはF1で言えば約4レース分、スーパーGTなら約3レース分です。だからこそ、総レース時間を増やそうという試みは歓迎されるべきでしょう。

 しかし私が注目したいのはもうひとつの懸念点、すなわちレース戦略の幅が狭いという点です。現在はレース中の再給油が禁止されており、レース距離も180km程度となっているために退屈なレースが増えてしまったのではないか、と考えています。

 コロナ禍に見舞われた2020年から廃止された再給油ですが、今年はそれを解禁するチャンスでもあったと思います。しかし、JRPは再給油解禁を選びませんでした。私としては、これはとても残念なことです。再給油が行なわれず、タイヤ交換義務(スペックは1種類のみ)だけがある状態では、戦略の幅を大きく狭めてしまうからです。これにより、レースの結果は予選とスタートで大半が決まってしまう可能性が高くなります。

 戦略の観点で理想的なのは、レース距離が250km程度(もしくはそれ以上の距離)で、チームが自由にピットストップができるというフォーマットです。現在はピットウインドウが設けられているため、各車がピットインするタイミングが似通ってきて、レースの勝敗が途中で見えてきてしまうことも少なくありません。

 私としても幾つかのアイデアがあります。まずはタイヤに関しては、F2のように性能劣化の大きなタイヤにする手があります。そうするとレース終盤に各車のペースに差が出て、より面白いレース展開になるかもしれません。現在のスーパーフォーミュラのソフトタイヤは、180kmのレース距離ではあまり性能劣化が起こらないため、レースの折り返し地点でタイヤ交換しても、残り数周でタイヤ交換しても、ペース面ではそれほど違いがありません。

 もしくは、タイヤの2スペック制を復活させるという方法です。“スーパーソフトタイヤ”を採用するのが難しければ、ソフトよりも1周1秒以上遅い旧ミディアムタイヤを復活させ、そのタイヤで一定周回を走行することを義務化するのはどうでしょう。そうすれば、少し人工的ではありますが各車のペースに違いが生まれ、オーバーテイクも増えるのではないでしょうか。2スペック制の復活で、ドライバーのチャレンジ精神も高まるはずです。

 また、2回のピットストップを義務付けることでレース展開にメリハリを作る、ということも考えられます。ただ、タイヤのパフォーマンスという点では2度もタイヤ交換は必要ないので、タイヤを無駄にしないためにも、2回ピットストップを義務化するならその内1回は単なるストップ&ゴーでもいいでしょう。

 それとも、1セットのタイヤでレース距離を走り切れるのであれば、ピットストップ義務(1回もしくは2回)だけを設けて、タイヤ交換は自由にすることも考えられます。スーパーGTのようにタイヤ無交換作戦でポジションを上げるチームも出てくるでしょうが、その代わりレース終盤にフレッシュタイヤを履いたドライバーに攻め立てられることになります。このフォーマットが導入されるなら、ピットウインドウはない方が面白いでしょうね。

 今後、スーパーフォーミュラが次世代車両を導入するのであれば、それもシリーズの将来にとって非常な重要な動きになるでしょう。スーパーフォーミュラが“スプリントレース”のフォーマットにこだわるのであれば、現行のSF19は短時間で見どころ満載のレースを演出できるように作られているとは必ずしも言えないため、そのフォーマットに合致したマシンを開発するため慎重に検討する必要があるでしょう。

 ただ、こうした諸々の可能性を考慮した上でも、JRPがスーパーフォーミュラの新時代にふさわしい、より多くのファンを呼び込むプロジェクト「NEXT 50」を始めたのは素晴らしいことだと思います。

 
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