17歳にして望外のチャンスを得たJuju、スーパーフォーミュラテストをエンジョイ。最終目標のF1に向け「今ある環境をモノにしていく」
スーパーフォーミュラ合同/ルーキーテストに参加したJujuは、3日間の走行を楽しんだ様子。今後もどこにチャンスが転がっているかは分からないとして、今ある環境をモノにしていきたいと語った。
鈴鹿サーキットで3日間にかけて行なわれたスーパーフォーミュラ合同/ルーキーテスト。最も注目を集めた存在であった女性ドライバーのJujuは、大きなトラブルやクラッシュなく3日間を走り切った。
これまではレース活動の拠点が海外であり、そのポテンシャルが未知数だったJuju。今回のテスト参戦に向けては懐疑的な声も挙がっていたが、17歳の彼女が見せたパフォーマンスによってその風向きも変わりつつある。
テスト初日はトップから4秒以上遅れたタイムだったJujuは、2日目にはトップから2.2秒落ちまで肉薄。タイムシート上では最下位付近を脱することはなかったが、その伸びしろの大きさに関係者からも驚きの声が口々に上がっていた。
Photo by: Masahide Kamio
Jujuの周囲には多くの映像カメラが
ルーキー限定枠の3日目は2日目に記録したベストタイムを更新することはなかったものの、新たなセットアップを試すなど、また違ったチャレンジにも取り組んでいたJuju。「今日はセットアップや自分のドライビングなど、色々なことを試した日だったので、何回かはオーバーしました。もちろん経験や練習としてやっていたのでそういったこともありましたが、大きな事故もなかったので、それはよかったなと思います」と振り返った。
テスト全体の総括として、「1日目はクルマに慣れて、2日目から少しずつ自分でも掴めてきたので、とても楽しかったです」とJujuは言う。もちろん、3日間で計11時間のセッションをこなしたということもあり、体力面で疲れはあるというが、これまでのレースカテゴリーと比べて特段疲労を感じたというわけでもないようだ。ただ、スーパーフォーミュラのような1時間前後のレースディスタンスは未経験であり、「体幹など肉体的な部分をもっと向上させていきたい」とも語った。
10代前半でヨーロッパに渡り、様々なレースカテゴリーを渡り歩くという、他の日本人ドライバーとは一線を画したある意味“異端”なキャリアを歩んできたJuju。しかし、そういうキャリアパスを選択したからこそ、17歳にしてスーパーフォーミュラのテストまで漕ぎ着けたという自負は、父の野田英樹氏も含めて持っている。
Photo by: Motorsport.com / Japan
セッションの合間にはサイン攻めに
来季に向けては様々な選択肢を検討しているというJujuに、レーシングドライバーとしての最終目標をどこだと捉えているかについて聞くと、彼女はこう答えた。
「最終目標はフォーミュラのカテゴリーでトップにあるF1です」
現代においてF1ドライバーになるには、自動車メーカーやF1チームの育成プログラムに所属して、F1直下のFIA F3やFIA F2を走って実績を積み上げるのが王道ルートであり、むしろそれ以外のルートからのF1参戦はかなり厳しい現状にある。やはりF1の育成プログラムに入ることを目指しているのかと問うと、「もちろん、選択肢としてないことはないのですが、今のところはありません」と返答。それも、異端なルートで大きなチャンスを掴んできたことへの自負か。
「もちろん、自分自身これからどうなっていくか分かりませんし、今置かれている環境で自分ができることをして、しっかりと1歩ずつ成長していくことが次のチャンスに繋がっていくと思います」
「今年始まる前は、スーパーフォーミュラに乗れるとは全く思っていなかったですし、スーパーフォーミュラという選択肢はもう少し先のものだと思っていました」
「それが今年、こうしてテストで乗ることができたというのは、1年チームで頑張ってきた結果だと思います。(チャンスが)どう転がってくるか分からないので、来年も同じように今ある環境を少しずつ自分のモノにしていきたいと思います」
17歳という年齢で、大きすぎる収穫を得たJuju。来季の動向にも引き続き目が離せない。
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