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設立20年目のKONDO RACING、近藤真彦監督が見据える“次なる目標”

チーム設立20年目を迎えるKONDO RACINGは、昨年達成できなかった“スーパーフォーミュラでのドライバーズタイトル獲得”を次なる目標として定めている。

チームチャンピオンを獲得したKONDO RACING

吉田知弘

 2018年にスーパーフォーミュラでチームタイトルを獲得したKONDO RACING。設立20年目を迎える2019年は、さらなる飛躍を目指しニュルブルクリンク24時間レースやスーパーGTのGT300クラスなど新しいカテゴリーにチャレンジする。

 例年以上にKONDO RACINGに注目が集まるシーズンとなりそうだが、彼らにはひとつの“課題”が残っている。

 2000年にチームを設立し、スーパーフォーミュラだけでなく、スーパーGT(GT500クラス)やスーパー耐久(ST-Xクラス)にも参戦してきたKONDO RACING。スーパー耐久では参戦5年目となった2016年に念願のシリーズチャンピオンを獲得。スーパーGTでも2016年に2勝を挙げる活躍を見せたが、チーム設立当初から参戦しているスーパーフォーミュラでは2008年の初勝利以降、トップ争いから遠ざかるレースが続いた。

「何度も辞めようと思った辛い時期もありましたけど、チームのみんなに支えられ、いろんな方々の支援があってここまでこれたのかなと思います」

 スーパーフォーミュラで苦戦した日々を思い出すかのように、近藤真彦監督はそう振り返る。それでも諦めることなく、再びトップの座に戻るため、数年前からスタッフの人事などチーム内部の改革に力を入れた。

「チームの人事であったり、内部の改革を、ここ2~3年で一気にスピードを上げてやってきました。その成果が出てきて、結果に繋がったと思います」

「あとはF3でチャンピオンになった若いふたり(ニック・キャシディと山下健太)が入ってくれたことも大きかったですね。彼らを預かって、最初は3年目でチャンピオン争いができればなと考えていましたが、想像以上にふたりの成長が早かったです」

「ふたりをサポートするエンジニアたちもしっかりしていましたし、メカニックたちもよく頑張ってくれました。総合的にチーム力が上がったというのが今の現状だと思います」

 ライバルからも一目置かれる存在になり始めたKONDO RACING。その中でも近藤監督は、キャシディが一皮剝けたことが2018年の快進撃に繋がったという。

「ニックは(2018年第3戦)SUGOでの2位表彰台から、ひと皮剝けたなという感じがしました。それまでは、どこかで接触があったりスピンをしたり、失敗することもありました。でもSUGOでの2位を経験したのを機に……大人になったと言ったら表現は悪いかもしれませんが、すごく成長したと思います」

「ニックも健太も若いドライバーで、1戦ごとに色々なものを吸収して成長しているなというのが、こちらも手に取るようにわかりました」

 キャシディは第3戦SUGOでの2位表彰台を機に、第4戦富士で初優勝を獲得。第5戦もてぎではアグレッシブな走りを見せ3位でフィニッシュし、この時点でドライバー/チームの両部門でランキング首位に躍り出た。

 最終的にドライバーズタイトルは山本尚貴(TEAM MUGEN)に1ポイント差で逆転され、キャシディはランキング2位でシーズンを終えた。それでも最終戦鈴鹿ではダブル表彰台を獲得する活躍で、KONDO RACINGにとって初のチームチャンピオンを勝ち取った。

「チェッカーを受けて、後ろを見たらメカニックのみんなが泣いていました。みんなに苦労をかけたし、長いこと待たせてしまったなと思いました。本当にメカニックとエンジニア、ドライバーに感謝です。その言葉に尽きます」

「チームチャンピオンのトロフィーを見ると、『インパル』『トムス』『セルモ』と今までタイトルを獲得したチームの名前がズラリと並んでいました。ここに僕たちもやっと名前が刻めるな……と思いました」

「やっとトップチームと肩を並べられるところまで来たなという気持ちです。ここまで約20年……非常に長かったなと思いますが、夢のような気分です」

「でも、この1回で終わるんじゃなくて、僕たちもそこに何回も名前を刻めるようなチームになりたいなと、つくづく思いましたね」

 しかし、チームタイトル決定後の近藤監督は、笑顔は見せるものの喜びを爆発させる姿はあまりなかった。目覚ましい活躍を見せたキャシディにドライバーズタイトルを獲得させてあげられなかったからだ。

「チームタイトル獲得は嬉しいですが、やはり最終戦ではニックにドライバーズタイトルを獲らせてあげたかったです。でも1ポイント差で獲得できなかった悔しさもあります」

「(最終戦終了後に)彼も言っていましたが、オートポリスが(悪天候により)中止になったのが痛かったですね。彼はオートポリスですごく速かったので。あと最終戦のボーナスポイントも大きかったですね。でも、最終戦を含めて山本選手にシーズン3勝もされてしまうと(ドライバーズタイトルは)仕方ないのかなという気持ちもありました」

「課題を残した形になりましたが、これをバネに2019年も頑張っていきたいと思います」

 第5戦もてぎで両ランキングで首位に立った時も「まずはニックにドライバーズタイトルを獲らせたい」と語っていた近藤監督。チームチャンピオンは嬉しい反面、花形であるドライバーズタイトルで惜敗した悔しさを隠そうとしている様子が垣間見えた。これもレーシングドライバーとしての経験も豊富な近藤監督らしい想いがあるからなのだろう。

 チーム設立20年目を迎える2019年は、新たにニュルブルクリンク24時間レースへの挑戦を表明。また日産自動車大学校とのコラボプロジェクトは、スーパー耐久からスーパーGT(GT300クラス)へと戦いの場を移す。こちらの活躍からも目が離せない。

 新たなチャレンジが始まろうとしているKONDO RACINGだが、近藤監督の心の中には昨年達成できなかった「国内トップフォーミュラでのドライバーズチャンピオン獲得」という目標が、しっかりと刻まれていることだろう。

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