ファン待望のV8&V10エンジン復活、次世代燃料で実現に近付く? 地球環境に寄り添いつつ、大興奮の爆音を両立できるか

持続可能性を追求すべく、開発が進められている次世代燃料。スーパーフォーミュラでの開発を指揮する永井洋治テクニカルディレクター(TD)は、この開発が進めばV8エンジンやV10エンジンを復活させる可能性も広がると考えている。

SF19開発車両

 カーボンニュートラルの実現、エンターテインメント性向上などを目指し、新たな燃料、タイヤなどを用いた開発テストを行なっているスーパーフォーミュラ。その初回テスト終了後に会見が実施され、開発を指揮する永井洋治テクニカルディレクターが新燃料について説明した。

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 今回テストしているのは、“カーボンニュートラルフューエル”。二酸化炭素の排出量を抑える方向性としては、バイオエタノールを配合するバイオ燃料、二酸化炭素と水素を合成して作られる合成燃料のeフューエルなど様々な選択肢があり、“カーボンニュートラルフューエル”はそれらの総称と言って差し支えないだろう。

 これら様々な選択肢のあるカーボンニュートラルフューエルの中で、今回どのような方向性の燃料をテストしたかについては公表されなかったが、今後も様々な種類のカーボンニュートラルフューエルを試していくようだ。

 ただ永井TDは、最終的な選択肢としてはeフューエルが良いのではないかとの見解を示した。これはスーパーGTのプロモーターであるGTアソシエイションの坂東正明代表とも同じ見解だ。

 永井TDは次のように語る。

「例えばエタノールを10%入れるとすると、発熱量の関係で物理的に出力が4%落ちます。ただeフューエルと呼ばれる100%合成の燃料だと、逆に(出力を)上げることもできます」

「eフューエルではノッキング(異常燃焼)を抑えやすく、今の燃料よりもオクタン価(ノッキングの起こりにくさ)を上げることができるという文献もあります。石油系の燃料はどうしても取り除けないものが出たりしますが、eフューエルだとピュアでクリーンな燃料ですしね」

「カーボンニュートラルフューエルには色んな燃料があるので、それをテストしなければいけません。ただゴールはそこ(eフューエル)だと思っています」

 テスト初回は非常に順調にプログラムを進めることができたようだが、開発が想定以上のスピードで進んだ場合、何か取り組みたいものはあるかと質問された永井TD。彼は「個人的な見解です」と前置きした上で、eフューエルの開発に成功すれば、将来的にV8エンジンやV10エンジンを投入することも可能になるはずだと語った。

「本当にカーボンニュートラルフューエルが開発できれば、V8とかV10とか、そういった思い切ったこともできると思います」

「その可能性があるのがeフューエルだと思うんですよ。だから、夢がありますよね」

 これに補足する形で、スーパーフォーミュラを主催する日本レースプロモーションの上野禎久社長も口を開いた。

「モータースポーツは、五感を刺激する特別なスポーツだという自負があります。その中でも、音は大事な要素です」

「とはいえ、社会の流れから乖離すると置いてけぼりになってしまうので、社会と寄り添いつつも、我々のやりたいことである『エンターテインメントとしてのモータースポーツ』をお見せしたいです」

 環境問題においては、何かと槍玉に挙げられることも多いモータースポーツ界。しかし、その環境問題に本気で取り組むことで、胸を躍らせる官能的なサウンドを取り戻せるかもしれない……実に夢のある話だと言える。

 
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