スーパーフォーミュラ

移籍後も強さを発揮し続ける山本尚貴「モチベーションがどんどん上がっている」

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移籍後も強さを発揮し続ける山本尚貴「モチベーションがどんどん上がっている」
執筆:
2019/07/11 10:28

スーパーフォーミュラでランキング首位を快走する山本尚貴は、今季チームを移籍してレースを重ねるたびにモチベーションが上がっており、より自信を深めながらレースができていると語った。

 昨年、自身2度目となるスーパーフォーミュラのチャンピオンを獲得した山本尚貴。その直後にチームを移籍するという決断を下し、今シーズンを迎えているが、その判断は今のところ良い方向に働いているようだ。

 長年在籍したTEAM MUGENを離れ、今年からDOCOMO TEAM DANDELION RACINGに加入した山本。シーズンオフの体制発表時には大きな話題となり、どのような戦いを見せるのか注目が集まった。

 そんな中で始まった2019シーズン。開幕戦の鈴鹿ではセーフティカーが4度導入される荒れたレースの中で、2位表彰台を獲得した。続く第2戦オートポリスでは日曜朝に順延となった予選でクラッシュを喫し後方グリッドからのスタートとなったが、ピット戦略と自身の追い上げで逆転し、ここでも2位表彰台を手にした。

 しかし、一番の目標である“優勝”に届かないレースが2戦続いており、SUGO大会の前には「勝ちたい」と明言していた山本。それでも、序盤戦の結果に対して悔しさはあまりなかったという。

「開幕戦はチームを移籍して初めてのレースで、しかも荒れた展開の中で2位になれたということで、(優勝できなかった)悔しさよりも納得したという部分が多かったです」

「第2戦のオートポリスに関しては予選でクルマを壊してしまって、ほぼ最後尾からスタートした中で、戦略と自分たちが描いていた理想通りの展開になって、上位に行くことができました」

「強い戦いができていることに対しては、悔しさというよりもモチベーションがどんどん上がっていったほうが大きかったです。その中でSUGO大会では練習走行から調子の良さを感じていたので、それがプラスで自信につながりました」

 そう山本も語る通り、第3戦SUGOでは金曜日の専有走行、土曜日朝のフリー走行ともに2番手タイムを記録。午後の公式予選ではQ2でコースレコードを更新する速さをみせ、ポールポジションを獲得した。

 

Photo by: Masahide Kamio

 さらに圧巻だったのは決勝レースだ。抜群のスタートを決めて1コーナーを通過すると、そこから王者らしい冷静かつ“先を見据えた”走りを披露した。

「(SUGOの決勝では)ソフトタイヤで長く走ろうと思っていましたが、必要以上に攻めてタイヤを消耗させてしまうと、(勝負どころで)ペースを上げられなくなってしまう。それは勝つための戦い方ではないです」

「今週末は勝つために何をしなければいけないかを常に考えながらレースをしていました。抜かれることがないギャップを1~2周で作れたら、そこからは詰められても抜かれないギャップでコントロールしていました」

「多分(2番手の)ルーカス選手も全力で僕を追いかけてくるだろうと思ったので、逆に彼に近づいてもらってタイヤを消耗させようという考えもありました」

 レース中盤から後半は独走状態を築いた山本だったが、序盤の10周をみると意外にも彼のペースは伸び悩んでいた。しかし、それも“最終的にトップでチェッカーを受けるため”の作戦のひとつだったのだ。そういった部分も含めて、第3戦SUGOではマシンセッティングが決まっていること以上に今季加入したチームとの信頼関係を構築し、レースに対してより自信を深めている山本の姿があったのが印象的だった。

「SUGOでは本当に予選も決勝も自信を持って戦えて、チーム移籍後に初めてポールポジションをとって優勝できました」

「本当にうまく戦わせてもらっているなという印象が強いです。(序盤2戦で勝てなかったことに対する)悔しさよりも、モチベーションがどんどん上がっていく中で、ようやく勝てたということの方が大きいですね」

 3戦を終えて早くも11ポイントのリードを築いた山本。2年連続のシリーズチャンピオンに向けて一歩ずつ近づいている。新加入のチームで1勝目を挙げることができ、ここからさらに勢いをつけていきたいところではあるが、これまで様々な経験を積んできている山本は“ここからが正念場”だと考えているようだ。

「もちろん、この後も全部のレースで勝つことが一番の理想ですが、これからコースによって調子の良いところ悪いところが出てくると思います。さらに当日のコンディションにどれだけクルマを合わせられるかというのも重要です」

「勝つことも重要ですけど……常に表彰台に絡めるようなレースをするということが、今のスーパーフォーミュラではすごく難しいです。そういう意味では3戦連続で表彰台に登れているのは、周りからしたら脅威だと思うし、そういうインパクトを与えるレースができているというのは、喜ばしいことです」

「ただ、僕がひとり勝ちできるような感覚は全く持っていないし『次こそやっつけてやる』と意気込んでいるドライバーが増えていると思います。そういったライバルたちに対して、自分の気持ちと自信を失うことなく謙虚に前向きに頑張っていきたいなと思います」

 そんな中で迎える今週末の第4戦富士。チームとともに自信を深めつつある山本が好結果を収め、さらにリードを広げる走りを見せるのか。それともライバルが勝利を挙げてポイント差を縮めるのか……2019シーズンのチャンピオン争いを占う上で、ターニングポイントとなる1戦になりそうだ。

 

Photo by: Masahide Kamio

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この記事について

シリーズ スーパーフォーミュラ
ドライバー 山本 尚貴
執筆者 Tomohiro Yoshita